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小物貴族が性に合うようです  作者: スパ郎


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133/142

133話 全ての道は小物に通ず

 ピコピコピコ。

 小物演算、自動解析開始。


 王立魔法学園の生徒オルカ。身体強化にかかった時間およそ40秒。肌で感じる魔力量6000台後半。好戦的な性格と自信たっぷりの態度からしてスキルタイプ戦闘でほぼ間違いなし。詳細な能力はまだ不明。


 一直線に監督官ロベールに突っ込んで行くその戦闘スタイルは、戦闘経験の浅さを如実に示している。俺でなくとも、猛者と呼べる連中ならいとも簡単にあしらい、自己防衛という正義の盾の名の下に、その命を自由自在に弄ぶことが出来よう。


 精神力の強さや、スキルの詳細、秘められた潜在能力など、不明な部分も残っているには残っているが、小物演算に与える影響は極小と考慮。


 ピコピコピコ。

 天上に備え付けられていると言われる世界で最も完璧に近いと噂の小物演算システムが、人間の脳では到底処理が追いつけない高度な計算をし、その結果を俺の脳内へと通達する。


「ふっ」

 結果は予想通りであった。

『小物演算終了。王立魔法学園の生徒オルカ、99・999%の確率で小物。よって戦闘による脅威は微小なものと考えられ、戦闘することを強く推奨する』


 よろしい。

 小物との戦闘は大好きだ。

 俺は絶対に負けない戦闘なら、結構前向きに向き合うタイプだ!


 身体強化はお風呂しているときだって使っている俺だ。ロベール監督官に猛スピードで迫るオルカにもすぐに対処できる。


 横から二人の中間点へとダッシュし、オルカがロベール監督官に届くよりも先に俺が届いた。

 全く予期していなかった第三者の介入に、オルカは触れられるまで、気づくことすらできていない。前へと向けられた全意識は、俺の阻害に抵抗できるはずもなく、片腕を掴んで背中で強くひねり上げる。


 突進の勢いが削がれ、バランスを崩した際に腕を捻り上げられた痛みが彼の脳から神経へとようやく伝達される。自身の突進の勢いもあったので、相当な痛みだったろう。脱臼しているかもしれない。


 大きな叫び声を出しながらも、こちらを睨みつける胆力はなかなかのもの。まっすぐ育てば、この負けず嫌いな性格が彼をそこそこの大物に育て上げたに違いない。そこそこね。


「こんのぉ、ど腐れ小物がああああ!!」


 抵抗されるのも面倒なので、更に腕を捻り上げ、痛みで力が抜けたタイミングで地面に組み伏せた。

 もう少し優しくしてやることは可能だったのだが、重力に任せて彼を地面に叩きつけたのは、小物と侮辱された腹いせだったのかもしれない。


 自分で小物だとは認めているが、他人に言われるとムカッと来るやーつ。


 ふがっ! と大きく息を吐き出して地面にうつぶせになるオルカ。うるさいのが黙った途端、周囲がざわつき始める。

 いや、もともと煩かったのかもしれないな。ようやく音が聞こえるようになった程、俺も対処に集中していたということか。


 ロベール監督官も危機が去ったのを感じて、ようやく冷静にこちらを観察することが出来始めていた。

 彼から何を言われるか少し不安だったのだが、彼自身も何を言っていいかわからない様子。取り敢えず、口にしたのは目の前の事態に対する疑問だった。


「ハチ君……君は一体、何者なのだ?」

「俺はただの小物ですよ。この船着き場で路銀を稼ぎたくて、2週間ばかり雇われただけのほんの小っぽけな働き手です」


 俺の返事が聞こえていなかったのかと思うくらい、ロベール監督官は緊張感が解かれていない。ごくりと唾を、飲み込む音がした。

 騒がしい港が、俺たちの会話が始まった途端静まった。皆も緊張しているのか、それとも会話内容を聞き逃さないようにと集中しているのか。


「そんな訳がないだろう、という当たり前のツッコミをした方が良いのかな? それとも、君は正体を現せないという理由でもあるのかな。例えば、王立魔法学園から派遣された監査役故に、とか」


 オルカにはもう抵抗するだけの力は残っていなかったので、視線をはずし、ロベール監督官に真っ直ぐ視線を向けた。

 彼の視線はやけに確信めいた色をしており、俺のことを本気でその監査役かなんかだと信じている。


「違いますよ。俺は本当にここに路銀を稼ぎに来ただけです」

「……そういうことにしておこう」

 全然そういうことにしていないよね?


「何はともあれ、まずはハチ君に感謝を。君がいなかったら、最悪私は命を落としていたことだろう。お礼は後日させて頂くとし、今はただありがとうと伝えさせてくれ」

「感謝は受け取ります。しかし、この分に関してのお礼は結構。俺は本当にただ路銀を稼ぎに来ただけなので、働いた分の給金が貰えればそれで満足です」

「ふむ。そちらは全く心配しなくとも結構。それにしても君はその強さだけでなく、とんでもなく優秀な人材だね。今の今まで、学園側が監査役を送っているとは毛ほども気づかなかった」


 全然話を聞いていませんね。

 俺はただの荷物降ろしの人員だって言ってんのに。まあいいか。


「こんの! 僕を放っておいてペラペラと! おい、ハチとやら! お前王立魔法学園の何回生だ!? 僕をクラウス派閥と知っての愚行か!? 帰ったら、クラウス様に報告するぞ。クラウス様の力を知っていれば、どんな目に遭うかくらいは想像つくよな!? そうなりたくなければ、今すぐその手をどけ――ああ゛っ!?」


 煩いので腕を更に強くひねり上げ、背中に強く膝を立ててやった。

 呻き声を上げた後は随分と大人しくなったので、効果的だったようだ。


「あのな、俺は王立魔法学園の生徒じゃないって言ってんだろ。クラウス様の力は知っているよ。あんな大貴族を敵に回したくはないが、あいつがこんなことに興味を持つとも思えないけどな」


 大物貴族ってのは得てして、小物同士の泥仕合に興味を持たない。彼らが出しゃばってくるのは、自分のメンツが汚された時だけだ。

 今回はオルカの失態であり、別にクラウスの派閥に俺が泥を塗った訳でもない。派閥の末端を守るために大物が出てくるような場面じゃないのさ。むしろ学園側と敵対しないためにも、潔く切り捨てるパターンだ。小物演算はその点も既に計算済みで俺にGOサインを出している。全ては、小物の掌の上って訳。


「……ぐっ、卑怯だぞ! 横から奇襲だなんて卑怯極まりない! 正面から戦えば僕が勝っていた! お前みたいな小物に負けるはずがない!」

「なら、俺は正面から戦う必要がないな。お前の話じゃ、正面からだとお前が勝つんだろう? じゃあ何度やろうと、俺はそんなアホな真似はしないってだけだ」

「ん゛―! ん゛―!」

 言いくるめられたからだろう、言葉にならないうめき声を上げて、随分と痛むだろうにそれでもあがこうとする。


「悪いが、このままお前を拘束させて貰うよ。学園のインターンシップ先で港の監督官様を襲おうとしたんだ。目撃者も多い。学園側がどんな判断を下すか性格にはわからないが、グラン学長が厳しい対処をとることは容易に想像がつく。お前を守る理由も無ければ、そうしないと学園側の信頼問題にもなるからだ」


 拘束して、学園側に事情を説明した報告書と共に送り返す。ロベール監督官はしばらく忙しくなるだろうが、血生臭いことになるのに比べれば随分と良い結果だろう。


「うっ……ううっ……うああああああああああああんん!!」

 おっと、これは……。


 オルカが突然大泣きを始めてしまった。

 しかも、その泣きっぷりは随分と見事なもので、涙だけでなく鼻水も垂らし、頬を赤らめて、まるで赤子の様に大声で泣きわめく。


 勝ちが確定していたはずの戦場。なのに、突如降って来た豪雨により、風向きが変わる。俺は相手を小物だと侮っていたが、小物はいつ何時も最後まであがくという習性を忘れてしまっていた。


 その無邪気な泣きっぷりに、皆が同情を示し始める。

 たしかに嫌なやつだった。馬鹿なこともした。けれど、考えてみればまだ12か13歳の子供だ。


 貴族故に甘やかされた環境で育ったのだろう。ならば、道を踏み外して過ちを犯すのも無理はない。今回は大事にならなかったし、許してやっても良いんじゃないか? という空気が流れる。


 うーん。まずい。


 皆、気づいていない。これがオルカの作戦のうちだということに。なぜ俺だけが涙に同情せず相手の作戦だと完全に理性的に気づけているかって? 俺がオルカの立場なら、同じ手を使うからだ。全ての道は小物に通ず。


「あの、ハチ君。もう解放してやってもいいんじゃないだろうか? 彼も随分と反省しているだろうし、これに懲りて馬鹿な真似はしないだろう。失敗は誰にでもある。若者には失敗よりも、その後の立ち上がって進む道を大事にして欲しいのだよ」


 ほーら来た。

 港の優秀な監督官であるロベール様。多くの人生経験も積んでいるだろうに、簡単に騙される。

 あのね。小物ってのは生まれながらにして小物なの。そしてそれは一生覆らないの。オルカの性根ももうどっぷり小物風味で染められているよ。小物風味ってカレー風味より強くて、洗濯しても取れないんだから。


 辺りもオルカを許してやろうという雰囲気が流れ始める。気づけば俺が弱者をいじめる悪者みたくなってきた。


 仕方ない。

 オルカを解放した後どうなるかなんてわかりきっているので、ちゃんと手は打っておく。

 みんなちゃんと学ぶんだよ。小物ってのは、性根が腐ってるから小物なんだ。


「わかりました。オルカ、ロベール監督官の温情に感謝することだな。そして、今後はバカな真似をせず、ちゃんと善良な男として成長することだ。お前の人生はこれからの方が長いんだから」


 俺も完全に騙されていますよってことを意識させるために、少し説教っぽいことも言っておく。全てが計画通りだ。ほーら、オルカやい。解放するから、本性表しな。


「……ふう」


 腕を放し、自由にさせてやるとオルカは立ち上がり、肩甲骨をぐるぐる回して体の調子を戻していく。呼吸も整えて、準備万端。

 あのー、身体強化解いてませんよー。バレバレですよー。


「あっははははは!! 愚か共めが!! 少し泣きまねしただけですぐに同情しやがって! 僕を解放したのが運の尽きだ! もう奇襲は喰らわない。まずはハチ、お前を八つ裂きにして、その後この港ごと焼き払って目撃者全員を始末してやる。なんてことはないさ。学長に報告されなければ、全部なかったも同然じゃないか」


 めっちゃ極悪人やんけ。

 思ってた数十倍悪ですわ。


 皆が驚愕した表情でオルカを見つめている。

 だっ騙されたああ!! って表情をしているけど、本気?


 見え見えの展開でしたよ?

 ガラス玉が「わっわたしダイヤモンドなんです!」って嘘をつくくらい無茶があったよ。

 ……いや、案外それを見分けるのは難しいか。専門家じゃなければ、相手の営業力次第で簡単に騙されてもおかしくはない。俺は小物の専門家なので、当然見抜いていただけという訳。


「ロベール監督官、見ての通り救いようのないやつみたいなので、やっちゃいますよ? もう余計な同情は勘弁願います」

 片手で顔を覆い、申し訳なさそうに顔を沈めた。自分の失態を認めて、ロベール監督官が声に謝罪の感情を乗せつつ、伝えて来た。


「すまない、ハチ君。二度も手間を取らせることになるとは」

「構いませんよ。彼の泣きまねは見事でしたので」


 俺でなきゃ見逃しちゃうね。


「何を余裕ぶっている! 僕の力を知らないからそんなに余裕ぶっているのだろう! 戦闘に長けているようだが、先ほどからスキルを見せない点に違和感を覚える。おそらくスキルタイプ戦闘ではない。断言しよう、お前は僕のスキルに手も足も出ない。これが生まれついての絶対的な才能の差だ!!」


 うおおおおおと大きな声を出し、これから全力で行きまっせ! っていうサインを出してくれる。既にボコボコにしてやる隙が10を超えてはいたが、先ほど組み伏せた時に対処済みなので敢えて何もしない。


 腕を組んで、相手のスキルを拝んでみる。

 おおっ。


 予想通り、珍しいものが見られた。

 スキルに自信がありそうだったので完成まで待ってやると、凄いのが出て来た。


 魔力を装甲に変換するスキル。

 彼の体の周りに黒色の見慣れない鉱物に紫のラインが入った装甲が出来上がる。体を上手に守るように構築され、関節分は曲がるようにしっかりと体の周りを固める。


 スキルで作られた天然の鎧とでも呼ぶべきか。彼の魔力量を思えば、そんじょそこらの鎧より遥かに性能が高く、それでいて体の動きを阻害しない自在さもある。完全防御にして、あの如何にも固そうな装甲は攻撃手段にもなり得る。なるほど、これがオルカ自慢のスキルか。


 妙に自信満々になるのも無理はない。スキルタイプ戦闘ってのは、相変わらずめちゃくちゃに恵まれたスキルタイプだなって思わされる。


 ロベール監督官もその凄さにあんぐりと口を開けてしまい、完全に呑まれてしまっている。


「オルカ、その力で他人を攻撃するのはやめておけ。理由は、死傷者が出るからだ」

「そのためにやってんだよ!」

 それもそうだった。

 激高した彼は他人を傷つけるためにあのスキルを展開しているんだよね。展示会場ではなかった。


「お前のスキルは素晴らしいな。昔、似たものを見たことがある。竜化だったかな。お前も知っているんじゃないか?」

「な!? ……なぜお前がクラウス様のスキルを知っている! ハチ、貴様は何者だ」

「それはまあ良いじゃないか。折角の機会だ。お前は今後もう学園に戻れないだろうし、今から最後の講義をしてやる。人生はまだ長い。もしも学ぶ気持ちがあるのなら、今日のことを思い出すことだ」


 まるで教師が壇上を歩くように、指を一本掲げてオルカに知識を分け与える。


「一つ。スキルタイプと魔力量は強さの絶対的な尺度として使われがちだが、実はその通りではない。まあ、スキルタイプが強くて、魔力量も膨大で、さらにそれ以外も持っている人物もいるにはいるが」

「それが僕のことだ」


 のん、のん、のん。と首を横に振る。

 我が姉、カトレア姉さんとラン姉さんみたいな人のことだ。そして、そんな人物は10年に一人生まれるか生まれないかなので、基本的に考慮に入れる必要性がない。身近過ぎて存在感が強いが、普通は姉さんたちみたいな人はいないからね。


「学園で魔力の5つの理については既に習っただろう? 基本の身体強化。物に魔力を流す『魔融』。魔力の性質を変化させる『変律』。魔力を切り離す『散華』。魔力を操作する『操糸』。この五つの理を持って、五理とする」

「僕は座学では満点のエリートだ。講釈垂れずとも、そんな基礎は知り尽くしている」

「それは結構」


 詳しい解説をせずに済んで何よりだ。


「お前を組み伏せた時に身体強化は既に使用済み。それとスキルを見せていないと主張している部分だが、それは過ちだ。既に俺のスキルはお前の体を捕えているよ」


 突如、背中の装甲が吹き飛び、魔力の糸がオルカの両腕を背中側に縛り上げる。俺が体で拘束していた時よりもずっと強い力で魔力が腕をきつく、きつく、絶対に解けない拘束具として縛り上げた。


「ぐっ!? なんだこれは!? 何をした!! いだだだっ!!」

「悪いな。俺はお前の泣きまねを信じなかったので、背中にスキルを仕込んでおいた。俺のスキルは物を修理するときに使うもの。便利だが、戦闘向けのものじゃない。しかし、工夫次第ではお前のような恐ろしいスキルをも封じることができる」


 既に決着は付いている。藻掻こうとすればするほど、その魔力の糸はお前の腕をきつく縛り上げるだろうから抵抗はお勧めしないが、それを伝えたところで素直に従うタイプでないことは承知なので意地悪抜きで何も言わない。


 少し落ち着いたのを見計らって、解説を続けた。


「魔力を切り離す技術、散華でスキルを切り離した。そのままではただの脆い魔力なので、強く頑丈な魔力に変質させる、変律。そしてお前が暴れたとき用にいつでも動かせるように準備していた、操糸。最後に腕周りの装甲が解けたな。これは俺のスキルにも関係するんだが、装甲内、つまり物に魔力を流す、魔融を使った」


 魔力の理、その全ての技術を利用し、オルカを拘束している。

 魔力で作った物も『物質』だ。その内部に魔力を流す技術である『魔融』も応用できる。


 そして、本来は修理するだけの能力である俺のスキルは、体内にマグ・ノワールを取り入れてしまった事故により、今では通常の魔力を離散させる恐ろしい力になっている。これは特異な例なので、俺のスキルの一部としよう。その方が、理解の際に混乱が少ない。


「以上。お前を無力化したのは、当然俺のスキルや力量にも関係はあるが、基本技術のうちだ。これでスキルタイプと魔力量だけが絶対じゃないことをご理解頂けたかな?」

「クソおおおおお! 離せ! どこまでも卑怯なまねを! 戦え! 正面から戦え!」


 正面から戦っても結果は変わらないと思うが、負ける可能性があるのなら、それはしないっての。やれやれ。技術以前に、こいつはやはり気正面、いいや、性格に難ありだ。


「ロベール監督官、魔力の拘束ですが、1か月は持つと約束しますよ。こんな厄介者、とっとと報告書と共に学園に送り返してやって下さい。グラン学長がしっかりと対処してくるはずです」

「……うむ。そうするよ。今度こそ油断せずにね」


 部下に命じて、ようやくオルカはこの場を退場して騒ぎが収まる。

 結構気疲れしたのだが、大物を仕留めるのは大変だという当たり前の知識はあったものの、最後まであがく小物の対処も案外大変なのだなという学びを得た。また良いことを知れたし、実際に経験も出来たし、良しとしよう。


「五理を完璧に扱うのか……。ハチ君、君は一体……。知っているか? 私の世代にも天才と呼ばれる人物たちはいた。その人たちも、そして後に出て来た更なる天才リュミエール様やゼルヴァン様ですらも、五理を全てバランスよくは使えないという。君がどれくらい異常か、少しは理解できたかな? もう正体を隠すのはやめにして、君のことを聞かせてはくれまいか?」


 仕方ない。話すとしよう。


「俺は路銀を稼ぐためにここに来た臨時の雇い手。今は昼飯と夕飯の炊き出しが何よりも楽しみで、同時に路銀が溜まった後実家に戻り、愛する婚約者に会うことを楽しみにしているどこにでもいる小物です。以上ですが、他に質問は?」

「……いいや、納得は行かないが、君がそう主張するならそれでいいだろう」


 ならば良し。これ以上注目されるのもあまり居心地が良くないので、俺はとっとと仕事に戻った。船は今も港にやってきており、仕事は溜まりに溜まっているのだから。


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― 新着の感想 ―
学園のインターンシップ先で大怪我して、治療が済んだから路銀を稼ぎながら実家へ帰ろうとしている貧乏貴族の息子です 位までは明かしても良かった気がする
無事にノエルに逢えるのは何時になる事やら
この話とハチの名前で、小物界の大物ハチ、とほとんどバレてしまうのでは。
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