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情報収集

次の日の朝




俺が居候している部屋の扉がノックされる。


デュランの声だ



「カイアス様!起きておいでですか?食事を用意しましたので、また下に降りて来てください!」



なんか世話焼きのメイド感まで出てきたな



 今までは、自分で魔獣を狩って自分で料理してたから誰かに用意してもらえるなんて新鮮だ



 服を着替えて下に降りる。

広間には食事が2人分並べられている。



デュランよ……

お前、槍だけでなく飯も作れるのか

しかも美味い!なんて奴だ




「カイアス様!今日の予定ですが、

朝一から組合に赴き、白虎の情報を集めましょう。白虎は伝説級の魔獣です。一ヶ所に留まる事は少ないと聞きます。目撃されてから2日…少しギリギリです。」



デュラン…


もはや予定の管理まで……



「分かった。アルフ達のことも気になるが、白虎を優先で行こう。お前の槍も強化しないといけないしな!」




「ありがとうございます。槍の件もそうですが、やはり強敵と戦えるというのは戦士として燃えるものがありますので」



なるほどなぁ

俺は強敵と戦うのは基本嫌だ

昔からの苦手意識だろうな



スキルを開花させた後でも、それは変わらない。

でもやらなきゃいけないならやる。

それだけだ。



食事も終わり、俺たちは組合に向かう。



組合に着いた。


扉を開けるとフィーナが走ってくる。




「お二人共、昨日はありがとうございました!シルフィーちゃんは大丈夫てすか? 私もスキル開花の危険性を考えずに期待だけさせるような言い方をしてしまい、あんな騒動を…」



そこまで思い詰める必要はないと思うのだが…。

フォローはしておこう。



「別に誰も怪我してないんだから、いいんじゃないか?そんな事より白虎の情報を教えて欲しい」



フィーナの顔が少し明るくなったか?

人の顔色を伺うのも苦手だ。



「あ!はい分かりました。しかし、SSランクの魔獣白虎は、そもそも目撃されない事でそのランクになっています。戦闘力はほぼ未知数なんです。誰も戦った事がないから」




うーん組合でもいい情報はないか

珍しすぎてSSランクになったんなら

戦闘に入っても楽勝かもな!!




「はあーカイアス。そんな事、言ってたら白虎に痛い目にあうよ?というか一回痛い目にあって欲しいという思いもある」




あれ?

もしかしてお前は敵なのかい?



デュランが口を開く。



「カイアスさ……。ん゛ん! とりあえず海岸に行こうか。討伐できるならそれに越した事はないからな」



お前やっぱりそういう所はポンコツなのか?




「フィーナありがとう。俺たちで行ってみるよ」



フィーナに見送られ俺たちは出発する。



 

 以前、Sランクのサラマンダーというのをいつの間にか討伐できてたし、今回も俺の〈服従〉で速攻で片付けてやるよ!



 海岸には魔獣の渓谷を抜けた先にある。デュランは空を飛べないし、担いでいくのは絶対に嫌だから、1人以外の冒険の時は馬車を使うようにしている。

 デュランが馬車を運転してくれている。



 俺は後ろで横になる。デュランがいると、どんどんダメ人間になっていっているような気がする。

 


 約2時間、馬車に揺られる。そうして海岸に向いた。砂と岩が散乱する場所だ。



 よし!ここに白虎がいるのか?速攻で見つけて、速攻で倒してやる。




2人で海岸の砂浜に入った時だった。


デュランが臨戦対戦に入り、槍を構えた。




「デュラン?どうし………」


デュランが俺の問いかけを遮る。   



「カイアス様!何者かが俺たちを見てます。敵意は感じませんが、ご注意を!近くです。」



 そうなのか?俺はそうしたものを感知できないから分からない。



「おい!その視線っていうのが白虎か?」



「いえ!どちらかというとこれは人間の気配です。スキルを使った攻撃を仕掛けてくるかもしれな……………

!!カイアス様後ろです!!」



え?何?

俺は後ろを振り返る。

白虎も魔獣であれば、〈服従〉の前では無力。

 大した事ないと思っていた俺は完全に油断していた。



 後ろに黒いローブで全身を包んだ人間が現れる!


俺の肩をそいつが掴む。



「カイアス様ーー!」



 デュランが声を上げ、槍を振るうが、その前に俺とそのローブの謎の人物は消えた。


「クソ!!カイアス様ーー!!」


海岸にデュランの声だけが響き渡る。

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