プロローグ
趣味で書いております!
ある迷宮の地下深く4人の男が向かい合っていた。
一人は貴族などが着るような、それでいてとても邪悪な雰囲気を漂わせ左胸には紫の十字架が描かれた服を着て、これから死にゆくもの達に向けるような目をしてこう言った。
「のこのこと、死に来ましたか…」
「ほう、不死王ごときが、言うではないか」
言葉に反応したこの男は、やや尖った耳に血の気の引いた肌、血のように赤い目、そしてキバに似た少し長く鋭い八重歯が口から見え隠れさせながら言った。
「まったくだ、そこの真祖なんぞと呼ばれている吸血鬼が死のうがどうだって良いが、これからやる戦の前に宣戦布告とは良い度胸じゃねぇか不死王」
この男に同調するように口を開いたのは、青い髪に濁った灰色の目を持ち、右手にその細い見た目はからは想像出来ないほどのでかい大剣と、左手に妖く黒いオーラを放っている刀を持っている男だ。
「ふん、あなた方は不死王の、この私の名前の由来をわからない訳では無いだろうに」
「知っているに決まっているだろう。でなければ、お前を追って本来ここには来ないはずだったそこの忌々しい光の鎖使い、すなわち、我々の天敵で聖教会のトップである教皇がこの八大迷宮最高難度といわれた【悲しみと哀れみの深淵】にいるわけがなかろう!」
それを聞いた教皇と呼ばれてた男は、手から光の鎖を出しながら言った。
「フフフ、えぇ、本当に運が良かった、今ここで、我らが神である光輝神エルテナ様の敵である『不死王』、吸血鬼共の祖である『真祖の吸血鬼』、全闇ギルド統括者『灰迅のギルス』これだけの大物を一度に葬ることが出来るのですから、クフフフ…」
「できるものならやってみなさい。まぁ無理でしょうが」
紫の十字架が描かれた服を着る男はそれだけ言い終えると、パンッと手を叩き、「では、話はこれまでとしましょう」男は話を止め手を広げながら笑みを浮かべて言った。
「それでは始めましょう!『最強』と謳われた者達の血湧き肉踊る戦いを!この幻の迷宮【悲しみと哀れみの深淵】最下層、最高守護者の間で!」
この戦いは誰にも語り継がれず、そして永遠に決着がつかずに終わる。なぜ、決着がつかなかったのかは、ある一人の少年ともう一人の少女以外誰も知らない…。
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