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黒猫な俺の異世界生活とおっさんな俺の現代生活が楽しくてたまらない!  作者: TB


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第39話 閑話 総司爺ちゃんの秘密

 百四十七年ぶりにこの部屋に人が訪ねて来おった。

 わしの玄孫(やしゃご)に当たる俊樹じゃった。


 まぁわしの土地に建てておった土蔵に入口を作っておったから、不思議な事ではないが、明治、大正、昭和、平成を経た、この令和の時代まで手放さずに同じ土地に住み続ける家系は、今の時代では稀有けうであると言っても良かろう。


 わしはこの国が幕末と呼ばれた時代、血気盛んな時代じゃったな。

 とてつもない人間エネルギーを持った者たちが(つど)った時代に、神を名乗る女に拉致られ、全く別の世界へと飛ばされた。


 わしだけで無く、その当時この世界で特に強烈なエネルギーを発していた連中が四人じゃった。


 事が終って戻って来てみれば、わしらは都合よく暗殺されておったり病死しておったりの事実にすり替えられて、戻るべき場所は無くなっておった。


 それぞれが名を変え、その後の生を全うしたが、異世界で身に付けた大いなる力は、その後のこの世界に大きな影響を与えた。


 決して表に出る事はしなかったが、影の支配者としてこの国を牛耳る事になったんじゃ。

 じゃがその中で唯一わしだけは支配に興味は無いと、奴らの相談を受けるだけの立場となり、余生をこの小倉の街で過した。


 勿論何もしなかった訳ではない。

 子孫を残す事もした。

 そして超常の力を身に付けたものとして、この力が必要となる未来が起こる可能性も考慮し、肉体的な死後も意識を伝える方法を模索した。


 わしが肉体的な死を迎える頃には、精神生命体として存在する技術も実現可能となった。

 ただし魔素が必要であったがな。

 わしらが持ち帰った魔石から魔素を抽出しながら、わしら四人の意識は現代にも存続し続ける。

 

 他の三人は現在も政界、財界、裏社会にそれぞれ強く影響力を残しつつ、各家の子孫の当主には、わしらの存在を伝えておる。


 この世界の仕組みを牛耳るその三家は、勇者じゃった龍馬が坂口家を興し財界を束ね、剣聖じゃった晋作が高松家を興し政界を束ね、大魔導士じゃった八郎が清海家を興し軍を束ね、第二次大戦の終戦後は裏社会を束ねた。


 わしはこの三人のやり過ぎを節目節目で諫めながら、この国の発展を見守っておった。

 今のわしらは精神生命体としての存在を維持しておるが、その為にはこの世界には存在せぬ魔素が必要となる。

 わしは他の三人の様に体内に宿した魔素を、この世界を牛耳る為に消費する事をせずに、異世界との間に次元の扉を構築する事を研究し続けた。


 そして長い年月をかけ、研究は完成し次元の扉を作り上げた。


 しかし既に次元の扉を渡る為に必要な肉体は存在しないし、貯えておった魔素はほぼ使い果たした。

 他の三人はとっくに使い果たしておるから、わしが定期的に三人の元を訪れて、消滅を免れる程度に補給しておるけどな。


 かといって、他の三人に次元の扉の完成を伝え、異世界に渡れることを教えるのも面白くない。


 まぁ実際には次元の扉を渡るには、大きな問題があるんじゃがな。

 魔素を纏っていないと、ほぼ向こうの世界に渡った時点では、単細胞生物として転移してしまうし、その単細胞生物に称号である異世界からの訪問者が付与されると、キャパシティーを大幅に超えるので、渡った瞬間にはじけ飛ぶ。


 向こうの世界で最低限の生命活動が出来る状態で渡れる可能性は、魔素を持たない状態であれば、三千万種にも上る生命体の中から、せめて脊椎動物として生まれ、肺呼吸が可能な生命体である事が条件じゃな。

 確率としては、0,1パーセント程度じゃな。

 俊樹や香織には確実に生命活動が維持できるだけの魔素を渡しておったから心配は無かったがの。


 確実に人間になれるだけの魔素は、わしの魂との引き換えになるから流石に無理じゃった。

 向こうで活動する事が出来るのは、ほぼ魔素を纏った状態で渡れる者だけという事じゃな。

 千分の九百九十九で渡った瞬間に死ぬと解って行動できるものは、少ないじゃろうな?


 わしが魔素を纏わせた者以外では、わしの仲間じゃった坂口家、高松家、清海家の現役当主であれば、あ奴らが依り代に使っておるから、向こうの世界でも生命活動を維持できるであろう。


 奴らが、精神生命体としての維持が出来る程度の魔素を売り付けながら、わしが奴らの手に入れた全てを手にするのも一興かもしれん。


 まぁそんな事に興味は無いがな!


 ここまで読み進んでくれたならば、当然気付いておるじゃろうが、わし達は異世界に行くまでは


 海援隊の坂本龍馬

 長州騎兵隊の高杉晋作

 浪士組の清河八郎

 新選組の沖田総司


 と名乗っておった。

 これでも若い頃にはかなりもてたんだぜ?

 

 わしの菊一文字を俊樹に譲りたいが黒猫では使い道が無いし、こっちで持ち歩いたら普通に捕まるな。


 龍馬達が俊樹の存在に気付けばそのうちコンタクトをとって来るかもしれんが、わしからは今の所教える必要も無いか。

 

 あやつらは代々の当主の身体に宿り、無駄に魔素を消費し続けるから、わしの持つ魔石を言い値でいくらでも買ってくれる良い客ではあるからの。


 俊樹はあの世界での目的を見付ける事が出来るかの?

 そして、目的を無事果たせるかの?

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