2/18
夢の黎明
また、あの夢を見た。
赤黒い髪をなびかせ、戦場を駆け回る女の夢だ。
魔物も魔法兵も、全てをなぎ倒し、嬲り殺す様を、私は見た。
強く孤独に闘う彼女は冷酷に見えたけれど、私の脳裏には酷く冷たく切なく映った。
この女は声を捨てた。
この女は富を捨てた。
この女は名声を捨てた。
この女は世界で一番大切な弟子でさえ捨てた。
1つの約束のために。最愛のあの人のために。
けれど、捨てても忘れることは出来なかった。
彼女の名前は迦具土焔禍。
世界で名を馳せる“過去最悪”と謳われる業火の黒魔女。
そして、ひとりぼっちになってしまった可哀想な女の子。




