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魔剣の呪いがスパルタって!  作者: 軒下水滴
ガイアス編
31/31

30 ペルジュ王国の洞窟

ペルジュ王国とある町:


 ペルジュ王国の四天王の暴風のテレーサは、バグナール帝国の笹本春樹と戦い負けた。

 笹本春樹はただ私との実力差を示し、私を傷つけないように対応してくれた。

 恩義を感じているわけでは無い、かといって憎んでいるわけでも無い。と思っていた。


 その笹本春樹が目の前に居る。


「笹本春樹!」

「あなたはたしか暴風のテレーサ?」

 笹本が身構える。

「バグナール帝国のあなたがなぜここに?」

「いや、バグナール帝国から脱国しました」



「そうですか!?あなたが《異世界人》であることは知っています。少し興味があるのでお話しませんか?」

「わたしとあなたは戦争で戦った間柄ですよ」

「ええ、あなたは私に手加減してくれました」

「…わかりました。少し話しましょうか」

「ではそこに私の知っている喫茶店があるので」

 笹本が地球での生活やこの世界に転移してきてからの出来事などを語り、テレーサはそれを興味深げに聞いていた。


……


「バグナール帝国での生活は如何でした?」

「人々の心が荒々しすぎて、わたしには合いません」

「そうですか。笹本さんは優しそうですものね」

 テレーサが微笑んだ。

「これから笹本さんはどうするのですか?」

「しばらくこの町で冒険者をしようと思っています」

「ではしばらくはこの町に滞在するんですね。是非また、お話を聞かせてください」

「私の話なんて聞いても楽しくないと思いますが」

「私は楽しいです。ではまた」


………

……


ペルジュ王国の洞窟:


 文献によると。

 ------------------------------------

 その洞窟は別世界で、そこから帰って来た者はみんな至福の時を過ごして来たという。

 ------------------------------------


 文献を見たおれ達は、その洞窟を探しに、海の近くの山間の来ている。


「洞窟らしき物はないなー」

従兄(おにい)ちゃん、この岩の隙間から、暖かい風が吹いてくる」

「岩を退けてみようか」

 岩を殴ってみたら、洞窟の入り口が出てきた。

「洞窟だな?」

「「洞窟だ」」


 洞窟の中に入ってみる。白いモヤが立ち込めていた。

「かなり暖かいなー」

従兄(おにい)ちゃん見て温泉!」


 源泉と思われる湧き水と、洞窟の奥から流れてくる水がまじりあって、いい具合に窪みが出来ていた。

 温度を確かめてみる。

「42度くらいかな?」


「ちょうどいい温度なんで、ちょっと入ってみるか」

 おれはそう言って服を脱ぎだした。もちろん大事なところはタオルで隠してある。



「ふう~、気持ちいい~」


従兄(おにい)ちゃん行動が突発的過ぎるよ」


「私も入ります」

 大き目のタオルで身体を覆いながら、紬も服を脱ぎだした。

「なにやってんの紬!」

「明莉ちゃんは入らないの?」

「うう、いくら昔従兄(おにい)ちゃんと一緒にお風呂に入っていたとはいえ、ちょっと抵抗あるわよ。なんで紬は平気なのよ?」

「う~ん何でだろう?琢磨さんと一緒に温泉に入りたいと思ったから…?」

 そう言って服を脱ぎ終わった紬が、温泉に入ってきておれの横に寄り添った。

「わかったわよ、私も入るわよ」

 結局明莉も大き目のタオルを巻いて温泉に入って来た。


「ここは、《転移の洞窟》じゃなくて、《洞窟温泉》だったんだな!

このまま地球に帰れなかったら明莉はどうする?」


「何かと不便だけど、生活して行けない環境でも無いし、時間が立てば諦めも付くかも。

お金も従兄(おにい)ちゃんの持ち物売れば生活に困らないだろうし。

ただ戦争だけは勘弁だね。紬はどうなの?」

「だいたいは明莉とおんなじ。この世界で地球の料理を再現するのも面白いかも」


従兄(おにい)ちゃんはどうなの?」

「この世界でのんびり暮らすのもいいかな。ここに旅館でも建てて暮らして行こうか?」


「あ、それ良いかも。私が動物狩ってきて、従兄(おにい)ちゃんと紬が地球の料理を作ってお客さんに出すの」

「野菜も作れたら、料理の幅も広がるな」


「国王様に頼んで、この土地貰おうか!」

「ついでに誰も使っていない屋敷を貰って、格納魔法を使ってここに運んでしまおう」


 ということで、さっそく国王様に会いに行こう。

 空飛ぶ自転車のシートを改造して3人座れるようにして、みんなで王都に向かった。

 もちろん漕ぐのはおれ。おれの前に座った明莉と後ろに座った紬にしがみ付かれて、非常に漕ぎにくかった。


………

……


ペルジュ王国 謁見の間:


 謁見の間には国王ドラホミールと、王女フレンダがタクマ達を待っていた。

 おれ達が部屋に入ると、国王と挨拶するよりも早く、明莉、紬、フレンダが駆け寄り話始める。フレンダと紬はお互いの無事を確かめ合っていた。


「おお、タクマ殿。よく来てくれた」

「国王様、その後身体は大丈夫ですか?」

「ああ、生き返ってからは前より調子が良いくらいだ。今日はどのような用件で?」

「実は…」

 おれは《洞窟温泉》を見つけたことを話した。


「これは面白い。あの逸話の落ちが《洞窟温泉》でしたか!

よろしいでしょう。あの土地を治める領主には私が許可を出したと伝えてください。若いが話の分かる領主です。建物のほうは私の療養所があるのでそれをお譲りします」


……


 おれ達は国王様の療養所の前に居る。

「ちょっとこれ大きすぎない?」

「うん、あそこに別館みたいのがあるから、その建屋だけにしようか」

 別館の建屋の中を確認してみた。

 水は水魔法で出した水を貯水槽に貯める方式。

 火を使うときは、火魔法と薪と木炭を併用。

 トイレはバイオトイレになっている。

 招待部屋は12室。台所も付いていたので、この建屋にしてみた。

 別館を格納魔法で格納し、洞窟のある土地の領主であるオルセン侯爵に挨拶に行った。


……


オルセン侯爵領 侯爵邸:


「初めまして、冒険者のタクマです」

「初めまして、この地を治めるテレーサ・オルセンです」

「「お久しぶりです、テレーサさん」」

「お久しぶり、アカリ、ユイ」

「明莉と紬は知り合いなの?」

「うん、この世界に来てから、よく一緒に戦闘訓練してた」

 明莉が嬉しそうに話す。


 おれはテレーサさんに《洞窟温泉》に旅館を作ってみたいなど、これからやりたいことを熱く語った。



「あなた方は日本に帰ることを諦めたんですか?」

「いや、諦めていませんよ。ただ今を楽しもうと思って」

「いいですね、それ」


「実はあなた方に会って頂きたい人間が居るんですが、会って頂けませんでしょうか?」

「はい、いいですよ」

「では呼んできますので少々お待ちください」



 黒髪の若い男性が入って来た。

「初めまして笹本春樹です」

「もしかしてバグナール帝国に転移した日本人ですか?」

「はい、今はテレーサ・オルセン侯爵様の護衛を行っています」

「「「…」」」

「テレーサさん、どういうこと?」

「う~ん、実は私、戦争で笹本さんと戦って、…あ…そ…です」

「要を得ない応えだけど、

要は戦って慈悲を掛けられて、それで好意を持って、この前偶然に出会って、今護衛をして貰っているということね」

「…うん」

「で、この後どうしたいの?」

「結婚したいんだけど、彼は元バグナール帝国の兵士だったでしょう。貴族の結婚は国王様の承認を得なきゃいけないんだけど、国王様に言い出し難くて」


 そういうわけで、国王への説得を頼まれてしまった。

 おれ達はまた王都に戻って、国王に2人の結婚を許してもらえるように頼んだ。

 結果、あっさりと承認された。


………

……


 おれ達はまた《洞窟温泉》に戻った。


 土魔法で土地をならし、格納魔法で格納していた建屋を取り出した。

 ちゃんと旅館らしく改修したいな。テレーサさんに頼んで大工さんを紹介してもらおう。


2か月後:


 国王様の療養所別館は、なんとか旅館らしくなった。

 露天風呂を作り、洞窟から温泉を引いてきた。

 風呂上りにくつろげる大部屋も作った。


 今日はテレーサさんと笹本さんの2人を招待している。


「琢磨さん、魚介類手に入りますか?」

「町まで行って買ってくるよ」



 定番の日本料理を作ってみた。

 ・刺身

 ・焼き魚

 ・天ぷら

 ・すき焼き


「この国で日本食が食べられるとは思ってもいませんでした。琢磨さん、ありがとう」

 笹本さんに泣きながら感謝された。


「琢磨さん、料理も部屋も温泉もすべて素晴らしいです。このような物を作ったということは、タクマさん達はずっとこの地に留まるんですか?」

「いえ、まだ日本に帰ることは諦めていません、これから色んな地を回って情報を集めるつもりです」

「ではタクマさん達が留守の間、ここをお借りできないでしょうか?」

「何に使うんですか?」

「迎賓館です!」

「私達が旅館をするとしても、まだ先になりそうだし、私達の部屋を随時空けててもらえれば、貸してもいいですよ」

「やったー、料理人を連れてきますので、できれば料理も教えてください」

「琢磨さん、私もこの世界の料理を知りたい」

 紬も賛同する。

「そうだね。いいですよテレーサさん」

 こうして、この旅館の管理はテレーサさん達に任せることになった。



 テレーサさんと笹本さんが寝室に戻ったのを確認して、おれ達は洞窟の温泉に入った。

 明莉と紬は初めこそ大きなタオルを使っていたが、今はフェイルタオルくらいの小さなタオルを使っている。隠すべき所が隠しきれていない。

(男はの生理現象は女と違って目立つから困るんだよなー)

『マスター、それほど大きくないので大丈夫です』




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