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第2章1話 『8等級冒険者アベル』

王都から馬車で2週間かかる場所にあるタロンの町・

その町の中にある冒険者ギルド・タロン支部。


「鼠野郎が来やがった。景気の悪いツラしやがって。」


ギルドで酒を飲んでいた中年の冒険者が吐き捨てるようにそういう。


中年の冒険者を無視して受付へ向かう。


「…ジャイアントラットの駆除終わりました。」


ジャイアントラットの討伐証明になる尻尾を10本受付へ置く。

9等級クエスト、ジャイアントラット10匹の討伐。


「はい、お疲れ様でした。」


報酬を受け取り冒険者ギルドを後にする。

銅貨8枚、1日の生活費程度報酬。


もっと等級の高いクエストだと報酬は高くなってくる。

だが駆け出し程度でもこなせるクエストだとこの程度しか報酬が出ないのだ。


「あらおかえり、今日は早かったのね。」


いつも泊まっている宿、『小鳥の止まり木』の女将ローザさんに声をかけられる。


「今日は1つしかクエスト受けなかったんで。」


「たまにはゆっくりしないとね、無理は禁物だよ。」


頭を下げてここ何年か借りている部屋に戻る。


着ていた灰色のマント、革鎧を外しベッドに寝転ぶ。


カデナを出てから3年、俺は15歳になった。

冒険者を続けていればいつか何か進むべき道が見つかるかと思っていた。

しかし、魔術師としても戦士としても才能のなかった俺には進むべき道を見つけることもできず、3年間うだつの上がらない冒険者として活動することしかできなかった。


タロン支部の冒険者からは灰色のマントを着け、採取や鼠退治ばかりを行う俺を鼠野郎と揶揄されている。

3年経っても駆け出しを卒業できず、大した報酬もないクエストを漫然とこなしている。


カデナのギルドマスターの言った通りだった。

3年経っても俺は8等級冒険者止まりだ。



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