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thirty sixth story

あの位置からココは遠かったみたいで、ついたころ私の息は止まりかけていた。


龍崎と会えるかもしれない。


その思いだけで走り続けた。

でも、目の前に広がるのは見たこともない人たちだった。


忙しそうに走る人。

苦しんでる人。

遊びに来てる人。


様々な人の様々な感情が一気に頭の中に入ってくる。


息が上手くすえなくて、私は苦しさのあまりしゃがみこんだ。


耳をふさいでも、眼をつぶっても頭の中に次々と流れてくるもの。


いつもなら聞かないように出来るのに、今は疲れてるのか制御出来なかった。


「・・・・りゅっ・・・ぅ・・・ざきぃ〜」


出した声は人の声や音にかき消されてしまった。














しばらくすると、体力も回復し、人も少なくなって楽になった。


それでもまだ痛む頭を抑えて私は、花壇の方へといった。



もう少ししたら龍崎が来るかもしれない。




でも、何を言うの?







何も思いつかなかった。



謝る・・・・?


違う。


怒る・・・?


何を?


お喋り・・・?


・・・・・・もう、嫌われてるかもしれない。





『迷惑、だって・・・。』

『そうゆうのウザイ・・。』




恵里がいった言葉のはずなのに、いつの間にか龍崎の声になって私の頭をめぐった。




嫌だ。嫌だ。止めてよぉ・・・。


さっきより、今の状態の方がつらかった。

胸がギュっと締め付けられた。





「おう?どうした?お譲ちゃん?」



私にかけられたであろう声が聞こえて、顔をあげてみると、金髪で少し派手めな、大学生ぐらいのお兄さんが立っていた。


「えっ・・・?」


みおぼえのない顔に少し心配していると、


「あ〜・・・。別に怪しくないよ。うん。ついでにナンパでもないから。」


そういって、その人は頭を優しくなぜてくれた。


「あの〜・・・・どなたですか?」


「人に名前を聞く時は自分からだろ?まぁ・・・・可愛いから許す!俺は池田 直哉。26歳。独身だ。・・・結婚できないんじゃないぞ?結婚しないんだ。」


その人は喋りながら私の隣に腰を降ろしてきた。


「・・・えっと・・・・。私は神田 奈緒です・・・。」


名前が似ていて、少し驚いた。



「へぇぇ・・・。可愛い名前だね。俺は直哉でいいよ。」


直哉さんは崩れるような優しい笑顔だった。





「・・・・・・っ・・・」


その笑顔に安心したのか、いきなり涙が出てきた。



「・・・どうかしたのか?俺でよければ相談にのるぞ?」



直哉はそっと、頭をなぜてきた。




「・・・・・私・・・龍崎のことぜんぜん解ってなかった。・・・・少しでも力になれたらな・・・って、思ってたのに・・・。」



「龍崎・・・・?龍崎って龍崎 馨か?」


直哉は目を見開いていた。




「あ・・・?はい・・。そうですけど?知ってるんですか?」



「ん〜・・・。まぁ。





  ・・・・アイツのこと・・・・知りたい?」




「龍崎のこと・・・?」





直哉の怪しげな声と笑みが暗くなった町に浮かび上がっていた。










                        *続きます*

読んでいただき、ありがとうございました。

昨日は、パソコンが出来なくて更新出来ませんでした・・・。

スミマセン。


また、明日、こうしんできるとおもいます!

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