thirty first story
―なんで?何で落ちないの?―
「ねぇ、知ってる?あんたの好きな馨くん、、夜の町にいるんだって〜。めっちゃ、荒れてるらしいよ。」
中学校からの友達、茜と電話で話しているときだった。
最近、優香は私に馨くん情報をくれなくなった。
奈緒が何か言ったのかな?
ずるいよ。奈緒は・・・・・。
茜から教えてもらった後、私は電話を早く切り上げて買ったばかりの服に手を伸ばした。
今日、あの人を落とす。
私は必死だった。
多分、馨君は私が屋上に行ったから来なくなったんだと思う。
そう考えたくなくても、馨君が来なくなったのはそれしか考えられない。
だから、今日どうにかしてあの人を落とす。
「ねぇ、ねーちゃん。一人?」
「うるさい、邪魔。どいて。」
途中、何人かの男に声をかけられた。
でも、私はそれを無視して人ごみの中で、眼を走らせていた。
どうやって、落とそうか考えながら。
ガチョン
不気味な音がして、振り向いてみると、 馨君がいた。
黒いすらっとした服を着て、大儀そうに腰を曲げる馨君が。
「・・・・・馨君って、煙草吸うんだ。」
私の声に気づいたのか、ゆっくりとこちらを向く。
久しぶりに見た顔に、ドキドキを抑えられなかった。
ただ私を大儀そうに見る馨君。
「あのね、私、馨君が夜の町にいるって聞いて、家飛び出してきちゃった。」
飛び出してないけどね。
私は上目遣いで近寄ってみた。
少しはドキドキするはず。
「最近、馨君、学校に来てないから・・・。心配になっちゃって・・・。どうしたの?相談にだったらいつでものるよ?」
「乗ってもらう相談なんてない。」
間髪いれずに言い返された言葉。
漫画みたいに槍が胸に突き刺さった感覚がした。
初めて味わう感覚に、なかなか状況がつかめなかった。
いつの間にか馨君はどんどん離れていった。
「なんで?何で落ちないの?」
「奈緒がいるせい?」
「私は悪くない。」
「絶対落としてみせる。」
「次は何をしよう・・・。」
いつの間に家に帰ったんだろう?
私は部屋の中にいた。
頭の中には、多くの作戦が描かれていた。
*続きます*
読んでいただき、ありがとうございました!!
なんか、恵里が出てくるたびぐちゃぐちゃになってるきがするのは・・・私だけでしょうか・・・?
終わらせ方、どーしましょう!!
恵里が!!
・・・、頑張りますので、これからもよろしく尾根会いいたします。