thirty second story
「ふふん♪ふんふーん♪」
もくもくと湯気が立ちのばる湯船の中。
私は、頭にタオルを巻いて鼻歌を歌う。
ココは、家の中で唯一私が大好きな場所。
それに今日は皆、旅行に行ったから、この家には私一人だけ。
だから今日はまっすぐ家に帰って、お風呂タイム。
かれこれ1時間は入ってるかも・・・。
カレーパン食べてくれたかな?手紙呼んでくれたかな・・?
カレーパンにかぶりついてる龍崎の姿が眼に浮かぶ。
恵里は・・・・何してるかな?
恵里とはもう何日も話してなかった。
私も話しにくかったし、恵里も私を避けてるようだったから・・・。
私・・・・・嫌われちゃったかな?
――いつからこうなったんだろう?
私と龍崎が話すようになってから?
恵里が龍崎を好きになってから?
もう、龍崎と話さないほうがいいのかな・・・・?
・・・いやだ。
私は前みたいに楽しく話したい。
龍崎の笑った顔が見たい。
龍崎が抱えているものを消してあげたい。
ちょっと我侭かな?
いいよね。
一瞬周りの景色がゆがんだ。
どうやらのぼせてしまったようだ。
気づけばもう、2時間たっていた。
私は後ろ髪を惹かれる思いで、湯船を後にした。
ぺた ぺた
フローリングの床を歩くたびに聞こえる。
私は片手で髪を拭きながら、電話を探す。
家は汚くはないのだが、あまり家に帰らないので電話の置き場所がわからなかった。
やっと見つけた頃、タオルは水を吸いすぎて重くなっていた。
ぴ ポ ぱ ポ・・・・
手帳とにらめっこしながら慎重にボタンを押す。
trrrrr・・・・trrrrrr・・・・
3コールめで、ようやく優香が出てきた。
『はい、宮原です。』
「もしもし、優香?」
『奈緒!?どうしたの?こんな時間に家にいるなんて珍しい。』
「うん。今日、綾子さんも、泰輔さんも、皆旅行に行ってるんだ。」
『へぇぇ。一人で大丈夫?』
「うん。大丈夫。」
電話のコードに指を巻きつける。
『んで?なんか聞きたいことあるんじゃないの?』
さすが、優香。
何でもわかっちゃうんだね。
「恵里ってさ・・・・私の事嫌ってるのかな・・・?」
言葉が詰まる。
『・・・・・かもね。だって、自分の好きな人が奈緒と仲良いんだもん。嫌にはなるんじゃない?』
「・・・・・だよね・・・。」
わかってた。わかってたけど、悲しかった。
『でも、いいんじゃない?まぁ、いつかは奈緒もハッキリしなくちゃいけないかもしれないけど・・・。今は、奈緒が思った通りにしてみれば?人のことばかり気にしちゃ駄目だよ。』
「・・・・うん。」
優香はいつも、私の欲しい言葉をくれる。
『よし。すっきりした?』
「・・・・うん。で、好きって、どんな感じ?」
『・・・・それさぁ・・・花の女子高生が質問することじゃないよ。まぁ、奈緒は子供だから。』
「・・・・・真剣なんですけど。」
ちょっと、むっとした。
『はは。怒らない。スキかぁ・・・。難しいね。多分、相手を愛おしいって思ったり、ドキドキしたりすることだと思うよ?OK?』
愛おしい ドキドキ
「う〜ん・・・・・・お・・・けい・・・?」
『ははvまぁ、頑張れ。焦るなよぉ!いたっ!!ちょっと、ちぃ!もう替るから蹴るな馬鹿!!』
ちぃとは、優香の3歳下の妹だ。
元気が良いなぁ・・・。
「・・・・・優香?大丈夫?」
『・・・・ちぃが替われって。ごめん。また明日!!』
「ううん。長くごめんね。また明日。」
私は、受話器を持ったままその場に立っていた。
『愛おしい』 『ドキドキ』
『好き』
*続きます*
読んでいただき、ありがとうございました。
今回、ちょっと(一言)奈緒の問題のキーワード、出しましたvv
・・・・すきって、難しいですよね・・・?
これからも、よろしくお願いします!!
アドバイスなどいただけたら、嬉しいです。
あと、今日から4日間ほど、おばぁちゃんちに行くので更新できません;;
帰ってきたら、何羽かまとめて更新します!!




