ninetenth story
「ねぇ、今日も屋上に行くんでしょ?私も連れてってよ。私、知ってるんだぁ・・・。龍崎くん・・・ううん、馨君が屋上に居るって事。」
「えっ?」
目の前には私の顔と見て、目をまんまるくさせる奈緒。
きっと、驚いてるんだね?
でも、ずるいじゃない。
2人っきりで逢うなんて。
「昨日、協力してくれるって言ったじゃん?いいでしょ?」
「・・・・うん・・・。」
ちょっと暗くなった奈緒の顔。
好きなんだね。奈緒も。
でもね・・・
馨君は私の人だよ?
「ありがとうvじゃぁ、お昼にねぇ〜」
私は、足早に自分の席へ戻る。
奈緒は、作り笑いかな?そんな笑顔で、私に手を振った。
約束のランチタイム。
私と奈緒は一緒に屋上へと歩いていた。
奈緒は今日一日、すごく静かだ。
昨日の私を考えてるのかな?
ちょっと、心の中をのぞきたいと思った。
ギィィィ
ドア独特の錆びれた音と共に明るい光が私達を包んだ。
「神田か・・・?」
あの人の声。
でも、呼んでいるのは、奈緒のこと。
まぁ、しょうがないよね。
私がいるって事、まだ知らないんだから。
「龍崎。あのね、今日、私の友達連れてきてるんだ。」
「・・・友達?・・・お前か?」
馨君と目が合う。
私の心臓は、速くなった。
「はい。あの・・、先日は鞄を拾ってくれて、ありがとう。」
「・・・・・・・・あっ、ああ。別に。」
何?さっきの間。
もしかして、忘れてた?
「あのね、馨君って、呼んでもいいかな?私の事は、恵里でいいから。」
私は、馨君に近づいて上目使いで言ってみる。
私のこれに、落ちなかった男はいなかった。
「・・・勝手にすれば。つーか、俺、あんたの名前すら知らないんだけど。」
えっ・・・。
なんか、前と違う。
昨日、奈緒と一緒にいたときは、すっごく優しそうだったのに・・・。
なに?奈緒の方がいいって事?
奈緒より、私のほうが可愛いじゃない・・・。
絶対、落としてみせる。
「え〜、私、同じクラスだよ。田上恵里。」
「・・・・。ふ〜ん。わりぃ。お前、帰ってくんね?」
・・・・えっ?
何で?何で、何で?
―――照れてるんだ・・・。きっと・・・。
「龍崎・・。いいじゃん。皆で食べようよ?」
奈緒が馨君をなだめるように言う。
「・・・・・・・ああ。」
しょうがなさそうに言う馨君。
・・・奈緒の言うことは聞くんだ・・・。
馨君と、奈緒とご飯を食べた。
馨君とは、話せなかった。
*続く*
遅くなりました;;
すいません・・・。
もう、卒業式も終わって、宿題の山も越えたんで、一日、一ページできるかもです。
今回は恵里ちゃんから見たお話です。
腹黒恵里ちゃん降臨!!って、感じですね。
読んでいただき、ありがとうございました!!