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【完結済】にんにく大好き、ヴァンパイアちゃん♡  作者: 眠れぬ夜の小鳥


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12/12

蝙蝠の溜まり場2.(番外編)幼き日の記憶と、あの日の真相を思い出したヴァンパイア

これは、まだウチが生まれた頃の話だ。


通常のヴァンパイアは人間より寿命が長い為、番である人間が先に死ぬ。けれど、ウチのママは寿命間近でパパと出会って、ウチを妊娠した。その為に、ウチを出産したと同時に亡くなってしまった。つまり、人間のパパに育てられてきたのだ。


「エリカ、ご飯だよ!」

「はーい」


パパは人間の為、普通の食事しかしない。だから、ウチも血なんか最初から飲まないのだ。もちろん、にんにくが食卓に出た事はなかったが。


「エリカは、ママに似てかわいいね♡」

「ママはどんな人?」

「ママはね、とても美人なんだよ。出会ったのは街だけど、他の女性より輝いて見えたんだ」

「ママに会いたかったな…」

「寂しいよね。でも、パパが寂しくないようにたくさん遊んであげるね!」

「うん、パパ大好き♡」


パパはウチが寂しがらないように、いつもそばにいてくれた。パパが仕事に行く時は、いつもミモザの家に預けてから出掛ける。


「ミモザ、遊ぼー!」

「いいよ!何して遊ぶ?」

「泥団子作ろ!大きいのを作った方が勝ち」

「あたし、負けないよ」


外遊びが楽しくて、いつも汚れるまで遊ぶ。パパが帰ってくると、嬉しくて飛びつく。


「今日は何したの?」

「泥団子をいっぱい作った!見て、大きいでしょ?」

「すごいね〜!こんなのパパでも作れないよ」

「えへへ〜」

「服も体も汚れたから水浴びしようね」

「やだ、エリカ水浴び嫌い!」

「昨日も『入ろう』って言ったよね?病気になっちゃうよ」

「水は怖いからやだ〜!」

「今日もだめか…」


実は、幼い頃に川で溺れかけた事がある。それ以来、水浴びが苦手なのだ。


「ミモザちゃんに嫌われてもいいの?」

「それもやだ…」


パパに説得されて、渋々入る。水浴びしている間は、気が気じゃなくて落ち着かなかった。


「頑張ったね!怖かったよね」

「うん…」


それでも、水浴びした時はパパがたくさん褒めてくれるので、怖い気持ちが和らいだ。


ウチが成人する前に、パパは寿命を迎えて亡くなってしまった。残されたウチはミモザ達と一緒に泣いた。


「あたしも数年前にママを亡くしたけど、エリカのパパはあたしにとっても大切な人だったな…」

「なんで?」

「ここでは皆母子家庭でしょ?だけど、あんたは父子家庭で育ったから、周りとは違う環境だった。あたしはパパのいない寂しさをあんたのパパで満たしてた。だからお世話になった気持ちが大きいのよ」

「そっか…でも、それならウチもミモザのママにはお世話になったよ!よく怒られてたけどww」

「そりゃ誰だって怒りたくなるわよ。あんた、『風呂嫌いのエリカ』って呼ばれてるのよ!今日だってどれくらい入ってないの?」

「2週間ぐらいかな…」

「水にトラウマがあるのはあんたのパパから聞いたけど、さすがに今日は入って、清めてからパパを見送りな。あたしが見ててあげるから」

「ありがとう。そうする…」


心優しいミモザのおかげで怖かった水浴びを済ませて、無事にパパの葬儀を執り行った。


その後は、沈んだ日々を過ごしていた。


ある時、訳も分からず住処から出たくなって街なかをふらふらとさまよっていた。

何も食べていないので、当然体力と気力が尽きて倒れてしまったのだ。

気が付くと、前世の記憶を思い出していた。でも、ヴァンパイアである記憶を代わりに失った。


絶望の中で、幸せをつかむ事ができた。そんな記憶ふと思い出して、ベッドから身を起こすと隣で眠っていたはずの彼と目が合った。


「エリカ、怖い夢を見て泣いたの?目が真っ赤だよ」

「ううん、ウチが記憶をなくす前の頃を思い出したの。いつだってウチは、誰かに支えられて生きてた」

「よければ話を聞かせて?受け止めてあげるから」


ウチは彼に抱きしめられながら、ゆっくりと記憶を語り始めた…。


完

読んでいただきありがとうございます!


小話⑫エリカがにんにく好きのヴァンパイアになるのは、運命だったのかもしれません…。



「○○大好き、ヴァンパイア」シリーズリンク

https://ncode.syosetu.com/s9151k/

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