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怪物  作者: 水野 すい
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12歳の春

手紙を読んだ夏輝は、途中から涙が止まらなくなった。


「....考えてたこと...ほとんど同じじゃんか..........!」


夏輝は泣きながらそう呟き、手紙を握りしめて俯いた。

小さく声を上げて泣いている夏輝を、恭介は遠くのベンチから見つめた。


時間は戻らない。

実来ももう戻らない。

もう会えない。話すこともできない。

伝えることはできないし、実来の手紙に返事を書くこともできない。


実来はあんなに楽しみにした未来を、たった12年の人生で終えた。

あれだけ大人になることを望んでいたというのに、実来が大人になる日は永遠に来ない。

実来は死んだ、この時に強く実感した。


12歳の春に、俺の前から実来が消えた。


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