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「異常系植物フルコンプの旅第3弾!ツードラスに行こう!」
最近の僕は生産や料理ばっかで、冒険が足りないよね!
早速新天地にレッツゴー!!
《ツードラス》
風が吹き、気温も低いため[極寒]になること否応なし。
体を温めるためか酒や香辛料でも辛さが効いたものが人気。
と言うことなので、こんなの作っておきました。
鑑定
hotドリンク(ランクC)
名の通り辛いドリンク。灼熱[1]になるが、[極寒1]と打ち消し合う。飲むには辛い辛さ。(効果:灼熱[1])
辛いのは苦手だけど、少しは我慢しないとね。
蜂蜜を後から飲んだし。
よし!それじゃあ行くぞ!
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「本当に寒くないや」
かなりの風が吹き、少しだけ雪も降る程度には寒いのに体はホカホカしている。
「もう30分経つけど、モンスター一匹も出ないね。ボスも見つからないし、どうしようか」
そう、雪の中で必死に探しても岩や枯れ木、誰が作ったのか分からない雪だるまくらいしかないのだ。
一体どうしたらいいというのか。
「もうそろそろドリンクの効果も切れそうだし、松明でも作ろうかな」
木に解体用ナイフで切りつける。
「ぎぎゅぁいあぁあああ!!?」
「ぎゃあああ!?」
木が動いた!?なんで!!
鑑定
トレント(ランクC)
木が魔力を溜めて魔物化したもの。弱っている相手に不意打ちを仕掛けて倒す。稀に環境の影響を受けた変異体が出る。(擬態[1])
「ふぁ、[ファイヤアロー]!!」
「ぎぇえええ!!」
ビックリした!ビックリしたよぉ!?
ドッキリとホラーだけは苦手だからやめてよね!
鑑定
炭(ランクC)×5
木を燃やして炭にしたもの。火をつけるのに適している。魔力が多いほど火力が上がる。
あ、炭が採れた?
もしかして火で焼いたからかな?倒し方も重要になるのかぁ。
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「ふっふっふ、ついに分かった!このエリアのモンスターは《擬態》持ちなんだ!」
ならばボスも鑑定で見つけられるはず!
「よし見つけ……」
僕はボスを見つけた。最初からいたや。
鑑定
スノーマン(ランクboss)
雪に魔力が溜まったもの。人を迷わせる力がある。弱っている敵を倒して体力を奪っていく。(擬態[1]、吸収[1]無限回廊[1])
「そういえばあの雪だるまに会ってから、毎回戻ってた気がする……」
そりゃあ見つからないわけだ。それにしても、
「トレントと言い、なんで動かないんだろう?」
さっきからかなりの近距離にいるのに、全然動かないんですけど?
とりあえず倒そうかな。
「矢は効かなそうだし、魔法でやるかな。[ファイヤアロー][ファイヤアロー][ファイヤアロー][ファイヤアロー][単一魔法]」
4回分は試してなかったからやってみると、bossが吹き飛んでトレントが爆発四散、岩だと思ってたモンスターに当たり防御を貫いた。
うん、やっぱり強すぎ。普段は使うの止めとこう。
鑑定
スノーマンのボタン(ランクC)
スノーマンに付いてるボタン。スノーマンの顔が刻印されてる。氷属性の補正がつく。(効果 氷魔法補助[1])
スノーマフラー(ランクB)
スノーマンが付けていたマフラー。綺麗な青色。雪の力がある。
HP+10
MP+20
氷魔法補助[3]
耐寒[3]
氷魔法強化[1]
スノーバケツ(ランクC)
スノーマンがかぶっていたバケツ。水が1L入る。魔力を流すと冷える。(効果:製氷)
スノー手袋(ランクC)
スノーマンがつけてた手袋。ただの手袋。青。
「……わぉ」
氷特化の装備かぁ。
氷属性って見たこと無いけどいつか取れるのかな?
それはオマケに近いけどね。
だって耐性系で耐寒ってここで使えって事だよね。
「寒くない、っていうより少し暑い…、hotドリンクのせいかな?」
でも効果は凄いからこのまま付けてようかな。
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「ここがツードラスか!レンガの建物多いなぁ」
簡単に言うと全部レンガで出来てるイメージかな。
ギルドまでレンガの建物だったからね。
「すいません、採取系クエストってどんなのがありますか?」
「アッチの板にあるよ、好きなの取ってきて」
「あ、ありがとうございます」
いつもの様に受注しようと思ったらそんな事を言われた。
てっきりギルドは受注方法全部同じなのかと思ってたよ。
地方によって違うなんて本当に再現度高いね。
「酩酊草に涼ミント、勿忘草とクロエンサーか。勿忘草はリアルにもあるけど、別物なんだろうね」
状態異常薬の材料集めのクエストだしねー。
運営はきっとダジャレ好きだね。
「おい嬢ちゃん!そんな格好でさむいだろ?一緒に飲んで暖まろうぜ!!」
「そうそう、飲むのが1番だ」「渡来人の嬢ちゃんもきっとあの人みたいに呑めるさ!」
「渡来人はここら辺にめったに来ないからな」
「渡来人?」
このギルドには酒場があるみたいで、酔ってる人が何人か声を掛けてきた。
それより、渡来人って何だろうか。僕のことを指してるみたいだけど。
「渡来人って何ですか?」
「あー、それは俺達の呼び方だな。別の世界から来た人間ってことで渡来人って呼んでんだ」
「あの兄ちゃんはプレイヤーとか言ってたな!」「そうそう、緑のフラッグだったからな。神様も便利な物を作ったよな!」
「フラッグ?神様?あの、一体何なんですか?」
僕が聞くと、詳しい人がいるとの事で奥の席のご老人が呼ばれた。
「ふむ、そうじゃの。全てを知りたいなら我らの歴史を語らねばならぬのぅ。少々長くなるがいいかね?」
「はい、ぜひ聞かせてください」
そしてご老人は語り出す。この世界の歴史を。




