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キャラ崩壊注意

「さて、お肉はどうなっているかな?」


ビンをまとめ買いしてたので、中にアングリーオーガの肉を漬けていた。

アイテムボックスの中では時間が進まないから、昨日ちゃんとテーブルの上に置いていた。


鑑定

アングリーオーガの肉(ランクC)

アングリーオーガの肉。旨みが詰まっている肉は、熱を加えると柔らかくなる。状態異常[怒り]が中和され、イライラし草の辛味が肉に染み込んでいる。(効果STR+15%、攻撃力上昇[小])


「やった!これ絶対美味しい!」


まず効果を重視するのが普通だが、ミーの重視したのは味だった。


お肉の味見なので、塩コショウを本当に少しだけ振って、焼いてみる。


そういえばフランベって調理法があったっけ?

香り付けだよね?

赤ワインがあるし、やってみよう。


「出来たっ!!」


鑑定

最強!オーガステーキ(ランクB)

状態異常を無くし、強化効果のみを残した肉。それをピリ辛なタレに漬け込み、焼いたもの。口に入れた瞬間、とろける肉と肉汁の暴力的な旨味があなたをノックアウトする。(効果STR+30、攻撃力上昇[中]共に1時間)

空腹度+50%


「うん、何か強い(確信)」


効果がもはや原型を留めてない。

これは大事に取っておくべきではないか?


「目の前に肉が有るのに、食べないなんて出来るのか?否!出来るはずがない!」


ナイフとフォークを取り出して、皿に移して準備完了!

飲み物?野菜?そんな軟弱なもの、今はいらんわ!!

僕は今、漢らしく肉を喰らうぞ!!


「頂きます!」


中まで焼けたお肉なのに、ナイフが抵抗無くスッと肉を切る。


口に入れた瞬間、当たり前のように口の中でとろける肉。

一切れから出たとは思えない肉汁が、口の中を蹂躙していく。

その後に強い辛味が一瞬、ピリッと来て肉を際立てる。


もはや何も言うまい。

僕の頭の中ではオーガに投げられて天国に直送されるイメージが溢れていた。

何を言っているか分からないと思うが、僕も何をされたのか分からなかった。


「この毒消しポーションを作ったのは誰だ〜!!」


ドタバタと緋い…レッドが入ってきた。


「うるさい、今僕は理想郷(アルカディア)を見ているんだ」

「なんだ、この効果!毒が[3]から[1]になったぞ!もっと寄越せ!」

「やるからどっかいけ」

「あと、お腹空いたから食わせろ」

「死ね!」

「死ね!?」


ギャーギャーうるさいので、1口だけ食べさせてあげる。


「うまっ!?何だこれ!しかもアホみたいな効果付いてるんだけど!?おかわり!」

「無いよ!欲しけりゃアングリーオーガ狩ってこい!あ、何全部食ってんだよ!!」

「お前キャラ崩壊し過ぎだろ!」

「飯のためならキャラなんて捨てる!」

「捨てんなよ!?」


全部食べた罰として、アングリーオーガ15体分の肉を持ってくる事を約束させた。


「……さて、シーフィアさんとじゃっく、あとはハンマさんとカーイさんとバランサーさんにでも持っていこうかな?」


レッドはジャマしたうえに僕のを食べたから、お肉がまだある事を教えてない。

既に漬けていたお肉は美味そうだ。


「まずは近いシーフィアさんに持っていこう」


また、褒めてくれるかな?

シーフィアさんに褒められると、凄い嬉しい。


-----------------------


「こんにちはシーフィアさん」

「あら、ミーちゃんどうしたの?じゃっくに用があるなら今いるわよ?」

「やっほーミー」

「うーん、また料理作ったんだけど食べてくれる?」


2人は嬉しそうにうなずく。

とりあえずアイテムボックスから出して、2人の前に置く。


「「いただきまーす」」


2人は口に肉を入れると、ピタッと止まった。

うん、今口の中を蹂躙されてるんだろうね。


「「天国はここにある」」

「おーい、戻って来てー」


自分で言うのも何だけど美味しいからねぇ…。


「はっ!?ミー!何なのこの美味い肉は!?」

「ヒラヒラ鳥でもこんなに崩れないわよ!それにランクBなんて!?」


うん?ランクBって凄いのかな?

確かにハンマさんの作った器具もBランクがあったような?


「アングリーオーガの肉を焼いたものだよ」

「「アングリーオーガ!?」」


何故かヒソヒソと内緒話を始める2人。


「もはや驚くのに疲れるわね」

「説明は止めて感想だけ言いましょうか 」


何話してるんだろう?


「すっごい美味しいわ!STRが凄いことになってるしね」

「ええ、凄いわ。他にも誰かに食べさせるのかしら?」

「はい、ハンマさんっていう加治屋さんと、商会ギルドのバランサーさん、あとNPCのカーイさんに持っていこうと思ってます」

「なら、皆にお肉のことは内緒にしてもらってね」

「?分からないけど分かりました」


何でお肉で内緒になるんだろう?

美味しいのは皆で広めた方が楽しいよね。

もしかして2人共食べ足りないのかな?別に隠さなくてもあげるのに。

また何か持っていこう。


-----------------------


「ハンマさん、居ますか?」

「おう、いるぞ。流石にまだ道具は作り終わってねぇよ?」

「違います、料理作ったからおすそ分けです」

「俺を殺す気か!?」

「だから何で皆さん最初の反応それなんですか!?」


相変わらずβテスターの人は料理恐怖症だなぁ。

ちょっと傷つきますよ?


「わりぃ、つい。旨そうだな、って何だこりゃあ!?」


見ただけなのに驚きの声を上げるハンマさん。

見た目は美味しそうに盛り付けたけど、変だったかな?


「ミー、何だこの料理!レア度がランクBだぞ!しかも効果がアホみたいだ!」

「ランクBならハンマさんだって作ってたじゃないですか?何で驚くんですか?」

「ばっか!俺はβテスターだからスキルレベルを持ち越しして材料もこだわってBランクが作れたんだ!普通初心者が作れる訳があるか!!」

「って言われても困るんだけど……」


ただ丁寧に作っただけだし、あ、もしかしてアングリーオーガだからかな?


「もしかして材料のアングリーオーガのせいかも」

「そもそもアングリーオーガは怒りの状態異常があったはずだぞ?」

「そんなの取りますよ、料理食べて体が悪くなるなんていやですよ」

「何だよ、調理法が見つかったのか?」ブツブツ


何か混乱してブツブツ言っているハンマさん。どうしよう。


「いいかミー、絶対に誰にもコレを見せるなよ!どうしても見せるなら内緒にしてもらえ!」


何で皆同じこと言うんだろう?

まぁ、とりあえず次に行こうかな。


「じゃあハンマさんまた今度」

「おう!あと俺とお前の仲なんだ、呼び捨てで構わねぇよ」

「分かったよハンマさ…ハンマ」


次はバランサーさんとカーイさんだね。


-----------------------


「カーイさんにバランサーさん、お肉焼いたので食べませんか?」


ウール君に案内してもらうと、偶然カーイさんとバランサーさんが一緒に居たので、話しかける。


「お肉ですか?それはいいですね!お腹空いてたんですよ!」

「もちろん頂きます。それとバランサー、いついかなる時も気を抜くのは商人として駄目ですよ」

「も、申し訳ございません!」

「カーイさん、僕はバランサーさんと友達ですので。

バランサーさんに気を使われると気になるので、僕の前では許してくれませんか?」


前にバランサーさんが震えてたし、カーイさんはかなり厳しいみたいだから、僕が居る時だけでも心を休めてほしい。


「ミー様がそう言われるならば。早速頂きましょうか、どうぞこちらへ」


椅子と机を借りる。その間にウール君が紅茶を持ってきてくれた。

砂糖を4~5杯入れて飲む。美味しい♪


「ミー様は甘党だったのですね」

「もう食べていいですか!?」

「ちょっと落ち着いて下さい!」


凄いウキウキしてたねカーイさん!?

もはやキャラ崩壊だよ!


2人はお肉をじっとり見る。

食べてくれると嬉しいんだけど、何で食べないの?


「何ですかコレ!?」

「ミー様、もしやこの料理の査定を依頼に来たのですか?」

「何でそうなるんですか!?ただのおすそ分けですよ!」


何か納得いかない顔で僕を見ないで!

料理なんて美味しいならいいじゃない!


「ミーちゃんさんコレは、今まで無かった効果[中]の料理なんですよ!品質ランクも高いですし、1万ゴールドでも安いですよ!」

「効果が複数付いてる上、デメリットの怒りも消えてるなら更に上がってもおかしくないですね」

「えっ!?そうなんですか?まぁそれは置いといて、冷めないうちに食べて下さい」


そんなに高いのかぁ。

確かに強いけど、それよりも味が重要だと思うけどなぁ。


「!?」

「これは!ミー様、絶対にランクBの料理は売らないで下さい。品質、効果、味において、この料理は魅力的過ぎます。もう少し低いランクなら問題無いのですが」

「大げさ過ぎたよ!?」

「「もはや過小評価も甚だしいです」」

「ハモった!?」


たかが超旨い料理じゃないか!

それに筋力アップなんて、支援職なら使えるって話を聞いたよ?


「ミーちゃんさん、今現在使われる支援魔法は[小]で、ごく一部の人しか[中]を使えないんです」

「それに美味しい料理なら店に行列が1kmは出来てミー様の望むスローライフは出来ないでしょう。実際に繁盛している料理店は500mの行列が出来てます」

「えっ、あ、その、売るのはサンドイッチぐらいにしておきます……」

「それならば問題無いと思います」


そんなに凄いのかぁ。

でも、自分で食べても凄い美味しかったし、確かに止めた方がいいね。


「そういえばミー様、こんな話を聞いたことはありませんか?」

「何ですか?」

「噂ですが、南の森で謎の爆発が起き、木が100本程なぎ倒されていたそうです」

「………」

「その少し前に、フードを被った小さい人が森に近づいたとか」

「ごめんなさいっ!」

「……今度からは気を付けて下さい」


ヤバい、木が100本以上倒れたから、アイテムボックスに入れて片付けようとしたけど、人が来て逃げたからあのままだった!

ってかフィールド破壊で運営さんに怒られることは無いよね!?


-----------------------


「ただいま、ハァ」


ランクBには気を付けよう。

まぁ、僕の分は良いよね!


他の状態異常食料も回復成分に漬けて、楽しみにするミーであった。

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