第三者視点 風竜の試練 その7
誤字報告いつもありがとうございます。
「「「 え~と...誰!? 」」」
女性陣の声がキレイにハモッた。野郎どもは血の海に沈んでいる。
「見ての通りだが?」
「「「 いや、見て分かんないから聞いてんの! あとなんで全裸!? 」」」
女性陣はこのままコーラスグループになれるかも知れない。
「あぁ、この姿では初めてだったか。そなたらが風竜と呼んでいた者だ」
「「「 女の人だったの!? 」」
もうお前らそのままデビューしてしまえ。
「そうだが? 言ってなかったか?」
「「「 言ってなかったし、聞いてないよ~! 」」」
段々面倒になって来た...
「と、取り敢えず何か服着て! 野郎どもが出血死する前に! アリシア! あんたの着替え貸したげて! アタシのじゃサイズ合わない!」
ミナがそう指示した...のだが...
「シャロン様、すいません。着替え貸して下さい。私のじゃ胸が閉まらなくて...」
アリシアが悔しそうに報告する。
「私のでも入るかどうか...」
シャロンの着替えでサイズがギリギリだった。
「フウ...人間の服というのはなんとも窮屈なものだな...」
風竜は主に胸の辺りを苦しそうに擦った。
「それで? 風竜様はなんでまた人間の姿に?」
一番聞きたかったことをアリシアが尋ねる。
「そなたに我の力を授けると言ったであろう? あまり離れると我の力が及ばん故、そなたと共にあるためにこの姿になった」
「えっ!? そ、それじゃあこれからもずっと一緒に!?」
「あぁ、そうだ。何か問題でも!?」
アリシアは物も言わず風竜に抱き付いて泣き始めた。
「と、どうした!? なんで泣く!?」
これには風竜の方が驚いた。
「あ~...風竜様? アリシアはですねぇ、風竜様が『思い残すことは無い』って仰ったから、もう消えちゃうんじゃないかって思った訳ですよ」
ミナが解説した。
「そうだったのか...誤解させるようなことを言って済まん。我はそなたと共にあるから泣くでない」
そう言って風竜はアリシアの頭を優しく撫でた。それでまた一層のことアリシアは泣いてしまった。
◇◇◇
「さて、改めてよろしく頼む」
アリシアが落ち着いたところで改まって挨拶を交わす。
「ところで風竜様のお名前って?」
アリシアが尋ねる。
「我に名は無い。そなたが付けてくれぬか?」
「えぇっ!? せ、責任重大...風だから...ウインディとかどうでしょう?」
「ウインディか...良い名だ。気に入った。これからよろしく。アリシア、ミナ、シャロン」
「「「 こちらこそ! 」」」
こうして風竜改めウインディが新たな仲間に加わった。
...ちなみに野郎どもはまだぶっ倒れてた。
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