第24話 引き止められてみた
俺はビーネさんに向き合うと言った。
「じゃ、もういい? また次のトコ行きたいし」
ドア開けっぱなしにしときゃ、好きなだけいじれるだろ。
認証問題は、がんばって解決しろ。
「あぁ。協力感謝する。そして、次の古代遺跡物の回収も期待しているぞ!」
ビーネさんが笑顔で返したので俺は車から降り、ビーネさんに軽く手をあげて歩き始めた。
そのとたん。
ピーーーー
という音が聞こえてきたので振り返った。
「ん?」
ビーネさんも戸惑っている。
「なんの音?」
俺がビーネさんに尋ねたら、
『浮遊車からじゃ。お主が置いていこうとしているので、警告音を鳴らしたのじゃな』
と、ゼロエロが答えた。
「は? なんで?」
俺が呆けたら、ゼロエロが呆れた声で言う。
『当たり前じゃろうが。お主はその浮遊車の主なのじゃぞ? なにゆえ置いていくのじゃ』
え?
ビーネさんと顔を見合わせた。
ゼロエロを交え、困惑しているビーネさんと相談する。
「ゼロエロ様、認証解除はどうやるのでしょうか」
ゼロエロに〝様〟をつけて呼んだビーネさん。
どうやらゼロエロを調子に乗らせて、口を軽くする方向らしい。
『ふむ……。普通ならば、本人の認証解除操作で済む。簡単に行うのならば、『認証を解除する』と宣言するだけで終わりじゃ』
ゼロエロがもったいぶる感じで言った。
なら、俺が宣言しないとダメなのか。
『――しかしな、我には劣るがここにあるものたちはそれなりに賢い。ようやく現れた遣い手を、やすやすと手放すことはないのじゃ! 認証解除など、却下じゃ!!』
声も高らかにゼロエロが叫ぶと、道具たちが同意するように縦に動いた。
「「…………」」
ビーネさんは、ガクリと手と膝を地に付けうな垂れた。うーむ。慰めようがない。
さっきのビープ音もといクラクション、アレはつまり、「自分も連れて行け」ってことらしい。
ビーネさんもそれが分かり、いろいろ諦めたように俺に手を振った。
「それはそれとして、ヒムロ氏がいなければこのような素晴らしい古代遺跡物を詳しく調べられませんでしたから。感謝します」
「次は認証しないようにするわ。コイツの荷台にぶっこんで持ってくりゃ大丈夫だろ」
この浮遊車の後部はまるまる収納ボックスになっているらしいので、タロウに入りきらない大物は後部扉を開ければぶちこめる。持ってくるときに、いちいち認証しなけりゃなんない事態にはならないはずだ。
「んじゃ、これも借りてくわー。またなー」
俺は浮遊車に乗り込み、ルーフをオープンにして、次の目的地に向かった。




