第19話 封印されし扉を開けてみた
古代遺跡物のある場所まで案内してもらう。
「まず、この封印が解けなくてですね……」
と言われて連れてこられたのが、巨大なシャッターの前。
「あらゆる魔法を弾くので、どうすることも出来ませんでした」
って言われたので、頭をかいた。
うーん、鍵がかかってたら物理でどうにか出来るかわからないんだけどなー。
「ゼロエロ、コレってロックされているか分かるか? さすがに鍵がかかってると、物理で壊せるかわかんないんだよな」
「ふーむ。お主なら我を使えば物理で壊せるじゃろうが、破壊したくないのならお主のその怪力で開けるしかあるまい」
ロックされていても物理でいけ、と。
「了解」
持ち手に手をかけて、上に持ち上げる。
……んー、錆び付いていたのかちょっと固かったけど普通に持ち上がった。鍵はかかってなかったか。
ガラガラガラ、と音を立ててシャッターが上に巻き込まれる。ぶつからないところまで上げて、振り返ったら局員ABが啞然としていた。
「よう、開いたぜ」
啞然としている局員を促して中に入った。
「んーと……こりゃ、車庫だな」
俺が周囲を見てつぶやくと、ゼロエロも同意した。
『その通りじゃ。浮遊車、昔はこれが主流じゃったな』
「へー。お椀型のアレより俺はこっちの方が好きだな。見慣れた感じだし」
そこには、未来型軽ハイトワゴンって出で立ちの、ゼロエロいわく浮遊車が一台置いてある。
お椀型はなぁ……。
最初はファンタジックだと思ったんだけどさ、なんつーか怠惰な雰囲気があるんだよなぁ。
……とか考えながら近寄った。
前と後ろで仕切りがあって、乗車部分は前半分みたいだな。四人……がんばって五人くらい乗れるみたいだ。後部座席がちょっと狭そう。
「お、カッコいいな。エンジンを前に積んでるのか」
俺が言ったら、不思議そうにゼロエロが尋ねた。
『なんじゃそれは?』
「車が動く心臓部」
『そんな大事なものを前につけていたら危なかろうが』
呆れた声でゼロエロが言った。
「え? じゃあこの前の膨らみはなんなんだ?」
俺はボンネットをポンポン叩きながら尋ねた。
『正面からぶつかったときに働く安全装置じゃ!』
へー!
俺は感心しながら言った。
「じゃ、これに乗って特攻かましても、乗ってる奴は安全なんだな!」
『お主、つくづく魔王じゃのう。何に特攻かますつもりなんじゃ?』
と、ゼロエロに返された。
俺は世界共通自動車運転免許を持っている。この世界じゃ通用しないだろうが、向こうじゃあらゆる車を運転出来るんだ。この車にもぜひ乗ってみたい。
「向こうの車と似た感じだな。これって運転免許いるのか?」
振り返って局員ABに尋ねた。
「え? ……そもそもこんなの誰も動かせませんよ。古代遺跡物って普通の魔法が効かないですし、となると、こんな大きな古代遺跡物はどうにも出来ませんからね」
って呆れたように言われた。
「使用許可が出ているのはヒムロ氏だけですから、動かせるようなら運んでください」
とも言われたので俺はうなずいた。
「ゼロエロ、操作はわかるか? 俺の知識と似てるなら動かせる」
『もちろんじゃ。我は賢いからの!』
前に言ったことを根に持っているらしい返しをされた。




