第17話 観光地に行ってみた
古代遺跡物のある場所は観光地らしくて、シャトルバス的なものが出ている。
なんで?
転移魔法とやらで行かないの?
……って尋ねたら、町で仲良くなった連中曰く、
「局にいるのはエリート集団だから魔法はなんでも使えるんだよ、一般人と一緒にするな」
ってことで、普通はそこまで使えないそうだ。
特に転移魔法は失敗すると危険だから、遠い場所なら転移門、観光地や町への移動ならシャトルバス、そう遠くないなら移動する魔道具で行く方が安全確実らしい。
……つまり、俺をここに飛ばしたアヤツことドークリー氏は一般人クラスということだ。「縁故採用なら、そういう奴もいるのかもな~」って言っていた。
とはいえ、モノを運ぶ魔法は基礎レベルで使えない奴はいないんだと。
だからもやしっ子が量産されるんだなー。
転移魔法や、その他危険が伴う魔法は危険だから得意じゃない奴は使わない、安全確実な魔道具があるのでそちらを使うということだった。
そんなワケで、シャトルバス乗り場に行ったわけだが……。
「マジかよ!?」
まさかの馬車!
いや馬じゃないから馬車とは言わないのか。
魔獣がひいてるもんな!
その魔獣、強いて言うならバッファローっぽいトリケラトプス。
いやカッコいいんだけど、局で使ってるお椀型の浮遊物みたいなのかと思っていたから驚いた。
『ふむ。レトロじゃな』
ってゼロエロが呟いたので俺は尋ねた。
「レトロ? ってどういうことだ?」
『我が全盛を誇っていた時代は、魔獣牽引車なぞ田舎オブ田舎でしかなかったぞ。もっとしゃれた乗り物があったのだ』
俺の住んでいたところじゃ、田舎オブ田舎でも存在しなかったけどな。
それにしても、未来型SFかと思えば急にレトロファンタジーになったりと、極端なのが面白い。
俺が向かうシャトルバスに乗る奴は少ない。
数人のおっさんと、いかにも観光客な家族連れ。
古代遺跡物を見つけるんだ! と子どもが息巻いている。え、そういうのアリなんだ?
「へぇ、古代遺跡物って一般人が見つけていいものなのか」
俺がつぶやいたら家族連れの親が俺を見て苦笑し、子どもは俺をバカにしたように言った。
「にーちゃんは外国人だから知らないんだろうけど、この国だと古代遺跡物を見つけるとすごい褒美がもらえて表彰されるんだぞ! うちの学校でももらった奴がいるって話があるんだ! だから俺も見つけてやるんだぞ!」
……その子の話を聞いて思った。
うーわー。局の連中、子どもに手伝わせているのか……って。
明らかにうさんくさいよ、その話。
いや、褒美はくれるんだろうけどさ……。
「ま、がんばれ。大人より子どもの方が見つけやすいって話だしな」
見つけやすいというか、体力や筋力的に見つけた後どうにか出来やすいというか。
俺が励ましたからか、子どもが寄ってきて得意げにいろいろ話し出した。
古代遺跡物には呪いがかかっていて、子どもはかかりにくいとか、表彰されたら局にスカウトされるかもしれないとか。
……なんか、当たらずとも遠からずって話だよなー。
ビーネのおっさんよ、子どもを騙してないか……?
俺はがんばれと繰り返すしか出来なかった。
夢があるっていいよね……。




