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高く舞った瓦礫は落ちて砂塵が歪な放射状にもうもうと町に広がっていく。
その砂塵の中に何やら巨大な影があった。
しかもウネウネと蠢いている。
もう誰も何も言わなかった。ただ町の中心から目が離せなかった。
砂塵は広がるにつれて薄くなり、小高い丘のような巨大な影が姿を現す。
それは言葉で説明するにはあまりにも難しい姿をしていた。
それでもなんとか説明するなら、薄いピンクのゼリーのような透明な皮膚の下に何かしらの臓器と思われる大小無数の器官がビクンビクンとうごめいていて、そこからたくさんの触手が伸びている。
さらに、その触手からもさらにうぶ毛のように触手が伸びていて、それらが地表をまさぐるように動いていた。
直径数十キロのすり鉢状の中心にいるのにここからでも動きを目にする事が出来る巨大さだ。
近付けば不気味な蠢く森を持つ山にしか見えないだろう。
「狂ってる」
もうどうしようもないくらいに狂っている。
進むべき道も戻る道も無い。
俺たちはここに閉じ込められ、無様に殺される。
何の罰だ。
よほどの悪人だってこんなに惨い最期を迎えないだろう。
すり鉢状の中心で蟻地獄の主は、聞き取れないが神経に鋭く触る甲高い音を出した。
この世の終わりに相応しい不気味な音が鳴り響く。




