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ショゴスの影  作者: 星六
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またスマホのメロディーが鳴って眠りを邪魔された。「ちっ」と舌打ちして智之だったら文句言ってやろうとスマホを拾うとそれは目覚ましのタイマーだった。


「もう朝か」


ああ、かったるい。まだ寝ててーよ。バイトさぼろうかな。そんな考えもよぎるけど冬に向けて何かと金が必要だ。

身近な目標として新しいスノボのためにも頑張らなくちゃな。


気持を奮い立たせてベッドから出ると、テレビのリモコンの電源ボタンを押してトイレに向かう。がトイレの照明が点かない。

何度スイッチを押してもカチカチと音が鳴るだけだ。


そういやテレビの音もしないな。ワンルームアパートなんだから、テレビがつけばトイレにいても普通に聞こえるはずなのに。


暗い中でトイレを済ませるが、予期しない停電に気分が下がったせいか流した水の勢いもいつもとちょっと違うように感じた。

いつもはスッと水を飲み込むのに、今日は何やらゴボゴボと何かが詰まっているかのよう。

ほんとに詰まってんのかも。バイトから帰ったらチェックすっか。


それにしてもドライヤーが使えないのは痛い。テーブルの上の鏡を見ると頭の右側が見事に跳ねている。

手で押さえてみるが離すとやっぱり跳ねる。

水で濡らして押さえときゃなんとかなるだろうと、玄関までの短い廊下に備え付けてあるキッチンの流し台の蛇口をひねった。水は予想に反してチョロチョロとしか出ず、次第にポツンポツンと滴になって、ついには出なくなった。


水道と電気を失うというダブルパンチ。

現代人の俺にとってこのパンチの破壊力たるやハンパない。


はっ! そうだ、冷凍庫!


冷蔵庫の冷凍室を開けると氷が溶け始めていた。

昨日買ったばかりのアイスの箱がフニャフニャになっている。このぶんじゃ中身も期待できないな。




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