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遠くから聞き慣れたメロディーが聞こえてきて、それはだんだんと大きくなり、グイッと意識が引っ張られて目を開けると辺りは闇だった。
メロディーに誘われて身体を動かすとベッドの横の簡易テーブルの上でスマホが淡い光を放ちながら着信音を鳴らしている。
拾って着信を確かめた。照明が目に痛い。
大学の友人の智之。
「こんな夜中になんか用かよ?」
寝起きで声がかすれた。
「わりーわりー。寝てた?」
「バイト早いんだよ。つまんない用なら切るぞ」
「いやぁ、みんなでカラオケしててさ、今終わったんだけど外出てびっくり。空がスゲーんだよ。何本もの太い紫色の雲が龍みたいに暴れまわって空を走ってんの」
「で?」
「で? ってマジで凄いんだってお前も空見てみ」
くだらなくて通話を切った。
時間は午前三時半。ありがたいことに頭はまだ完全には覚醒していない。
目を閉じれば頭が心地よくリラックスして、体がベッドに溶けていくような感覚があった。




