訳ありな南柏祭準備 中編
曜日は金曜。時は午後10時。
やることは決まっている。
ゲームだ!
ここ最近、実行委員のせいでしっかりとできていなかった。
今日はクロさんも浮上してるから狩りがしやすい。超楽しい。
結局、日をまたいだあたりで解散になった。
なかなか楽しかった。
しかし曜日は土曜。時は午前7時。
一件のメールが届いた。
「白沢くん、実行委員の買い出しがあるから10時に学校に来るように。
遅れたら殺す」
こんな横暴なメールを送って来るのは奴しかいない。
「わかった。それで誰からメアドを聞いた」
検討はついているが一応メールを送る。
もし僕が遅れて殺されたら、死んででも誠を殺す。
学校前に奴は立っていた。
「殺される五分前ね。おはよう白沢くん」
「挨拶の前に物騒なことを言うな」
とりあえず商店街に向かう。
どうやら舞台用の画材と実行委員会用のコピー紙などの補充を川崎先生から頼まれたらしい。
実行委員の仕事じゃなくて黒川の仕事じゃないか。
こんなとこ見られたらデートとかに見られるのかな?いやないな。
黒川がコピー紙を買いに行っていて店前で待機していたら、向かいの可愛らしい雑貨店から出てきた見たことのある人影。
「芽衣じゃないか」
「え、勇太!?引きこもりがどうして外に!?」
ひどい。もう二週間近く登校してるのに。
「どうかしたの?白沢くん」
戻ってきた黒川が尋ねる。しかし答える前に
「ああ!そういうことだったんだ!最近登校するようになったのも、ごめんね!うち邪魔だね、じゃあね!」
芽衣が走って商店街を抜けていく。後には立ちすくむ二人。
「黄坂さん、どうしたのかしら?」
これは、めんどくさい誤解が生まれたな。