【第一話】温もりの中で目覚めた日
目を開けると、見知らぬ天井が広がっていた。
……どこだ、ここ。
状況を把握しようと身体を起こそうとしたが、頭が鉛のように重い。手足も、まるで自分のものじゃないみたいに思うように動かない。
どうにか視線だけを巡らせると、二人の男女が僕を覗き込んでいた。
男のほうは、やけにガタイがいい。
茶色に少し黒が混じった短髪。こちらを見つめる顔には、どこかぎこちない笑みが浮かんでいる。
隣の女性は、肩まで伸びた鮮やかな金髪が印象的だった。こちらは遠慮など欠片もなく、ひまわりのような満面の笑みを浮かべている。
うぅん……いや、誰?え?
というか、どうして二人とも嬉しそうな顔で僕を見ているんだ?
「やっぱり可愛いなぁー、アルセラは」
……アルセラ?
聞き覚えのない名前だ。
けれど、二人の愛おしそうな視線は、間違いなく僕だけに向けられていた。
「えぇ...あなたと私の子ですもん」
子?
......いや待ってくれ。状況がよくわからない。
「……ぁっ……あうー」
っ!?……え……あ、赤ちゃん!?
「ほらほら〜アルセラ〜パパでちゅよー」
無抵抗で抱き上げられる。......正直ガタイのいい人に抱き上げられるのは怖い、まぁだけどここで泣くのは違うかな。
「キャッキャ......」
「おぉ!そっかそっかぁそんなにパパが好きなのかぁー!」
うぅ、抱く力が強くなった。く、くるしぃ
「ちょっとあなた、アルセラが苦しそうじゃない」
「え?いやだって抱擁力ある親は好かれるって近所の人達から聞いたよ?」
「はぁ......あのねぇ。物理的な抱擁力は少しでいいのよ」
「あはは、すまんすまん...ごめんなぁアルセラぁ」
(なでなで)
────数時間後────
散々お父さんとお母さんに可愛がられ、ようやく揺り籠に寝かされた頃には、外はすっかり暗くなっていた。
疲れ果てて重くなった瞼を閉じかけながら、僕はぽつりと考える。
そういえば僕、なんでこんなことになってるんだっけ?
読んでいただきありがとうございます!(´▽`)
あと今日は2個投稿予定です〜




