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6-5・頼もしい援軍

 ヒールによる回復と武藤さんの合成薬による体力回復で準備を整え、僕等は東の果てを目指すことにした。


「トレイトさん、一緒に来てもらっても良いですか?

 等価交換能力、重宝しそうなんで」


 トレイトさんがいてくれれば、いつでも薬草を取り寄せて、武藤さんが合成薬を作れる。


「私達もお供します!」

「連れて行ってください!」

「うふふっ、拒否をされても付いていくわよ」


 すっかり忘れてたけど、ツィホーさんの恋人さんたちもいたんだっけ?


「夜のお相手は任せてください!」

「殿方を喜ばせる術は、ツィホーさんから教わりました!」

「うふふっ、もう無理って言われても攻めちゃうわよ」


 僕達はまだ何もしていないのに、真田さんに蔑んだ眼で睨まれる。


「尊人くんってそーゆー人なの?サイテー」


 ここで「僕は真田さんにしか興味が無い」「僕が抱きしめたいのは真田さんだけだ」と言えば機嫌を直してもらえるのだろうか?なんか、ちょっと違う気がするし、そもそも論として恥ずかしすぎて言えるわけがない。


「サイテーなのはツィホーさんだってば!」


 セフィレさんとセイドールさんとショーフさん、連れて行っても足手まといになる・・・というか邪魔。

 この場に置いていくわけにはいかないし、彼女達だけで「内地に帰れ」なんて言ったら、分かれた直後にモンスターに襲われて全滅しそうだし、どうしよう?


「あっ!そうだ!

 トレイトさんの発生させたワームホールに入ってもらって・・・」

「売ってお金にかえるつもり?尊人くん、サイテー」

「・・・だよね」


 悪意や下心は無いんだけど、今のは素でミスった。


「ごめんなさい」


 凄く嫌なんだけど、連れて行く以外の選択肢は無い?彼女たちがいるだけで、チームワーク(特に男女間)が悪くなりそうで怖い。

 武藤さんはこ~ゆ~の平気なんだろうか?藤原くんが、怒った武藤さんの激辛地獄に落とされたらどうしよう?ちょっと不安になって、藤原くんをチラ見する。


「俺をバカにしてんのか?

 主人公万歳しかできねーような安っぽい女の世話になるほど飢えてねーよ」


 僕が何を考えていたのか、伝わっちゃったみたい。・・・てか「飢えてない」ってど~ゆ~こと?彼女いない歴=年齢の僕には理解できない世界の話をしている?「飢えている」がまだよく解らない僕はどうすればいいの?


「・・・ん?」


 来た道側(通路)から駆け足の音と鎧の金属が擦れる音が近付いてくる。

 足音の主が王座の間に顔を見せた瞬間、前途多難が吹っ飛ぶほど僕の心は踊った。


「無事だな、ミコト!」


 踏み込んできたのは、1年前に一番お世話になった人。最後まで戦い抜いた仲間全員の恩人・ブラークさんだ。


「ブラークさんっ!どうしてこんなところに?」

「北都市(ノス)公爵から、オマエ等が救世主として召喚されたと聞いてな」


 あ~・・・それは悲劇的偶然の連鎖によって生じた痛ましい手違いです。


「公爵夫人から、合流をしてサポートをするように指示を受けたのだ」

「おぉ!ありがとうございます!」


 ノス公爵夫人=バクニーさんグッジョブ!ツィホーさんがいなくなって、この先の進行をどうしようかと思っていたけど、ブラークさんがいてくれれば安心できる。


「厳しい戦いになるだろうからな、助っ人を連れてきた」


 ブラークさんが示した方向、大扉に身を隠すようにして、僕達を見ている人達がいる。なんか、見たことがある。


「・・・ん?」

「東都市(アーズマ)にいたAランクの冒険者達だ。

 たまたま仕事が無くて暇を持て余してようなので、連れてきた」

「・・・あの人たちは」

「なんだ、知り合いか?」

「まぁ・・・知っていると言えば知ってる人・・・です」

「それならば話が早い」


 ブラークさんが連れてきた助っ人は、剣士ケンさん、神官シンさん、武道家ブドーさん、魔術師マジュさん。スーパーライジングの人達だった。

 藤原くんが追い払って、あの人達との絡みは終わりって思ってたのに、まだ出番があったの?真田さん&陽ちゃん&武藤さんは呆れ顔、藤原くんなんて露骨に「面倒臭い」って表情をしている。


「ねぇねぇ、尊人くん。なんであんな人達を連れてきちゃったのかな?

 ブラークさんって天然だっけ?」


 真田さんが寄ってきて、すっごい失礼なことを耳打ちする。

 

「天然じゃない・・・・・・・と思う」


 スーパーライジングの人達は、ダメージを1/10に軽減するツィホーさんの特殊能力のおかげでAランクの冒険者になったけど、実力的にはもっとランクが低い人達。せめて「僕等よりは強い」であってほしいけど、ちょっと怪しいかも。


「オマエ達、そんなところで孤高を気取っていないで、中に入ったらどうだ?

 これからは、助け合う仲間になるのだからな」


 ブラークさんって天然?スーパーライジングの皆さんは、徒党を組むことを嫌っているのではなく、多分、僕達に怯えています。

 思うところは多々あるけど、犬猿の仲のツィホーさんがいないから、まぁいいか。


 モーソー転移Ⅲのラストで、智人とブラークがパーティーを組む雰囲気になっているけど、ここに至るまで一度も組んでいません。

 当時は、最終回後に組むことをイメージしていたけど、続編でその後を想像すると、規律重視のブラークと、承認欲求の塊のような智人の反りが合うとは思えない。智人は、しばらくの間はブラークの家に匿ってもらって一緒に生活をしていたけど、ブラークとの生活が窮屈になって旅に出た。そんなイメージです。

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