⑨エピローグ
ここからは、サラが去って少し後の話である。
魔王が居なくなったとはいえ、すぐに魔物がいなくなる訳ではない。
サラが去ってから、僕とチユはそれぞれ違う冒険者パーティに所属し、冒険者を続けている。
僕にとってこの冒険者としての活動は、いずれ父の跡継ぎとなる為の修行ともいえる。
今は離れて暮らしているが、チユとの仲は至って良好である。
「元の世界の私は、体がそこまで強くなかった」
彼女が帰る前日、僕に語ってくれた話。
「だけど、それでも出来る事は沢山ある」
いつも助けてくれる人達がいるから、とサラは嬉しそうに話していた。
「それは、君の力だよ」
僕の言葉に、「そうだったらいいな」と優しく笑ってくれていたのを覚えている。
僕は、あれから攻撃魔法を勉強している。
本来制御魔法は、自らの魔法の軌道変更に使う簡易的な補助魔法だ。
サラは、この制御魔法だけが破壊的に下手だった。
本来そこまで強くない彼女の身体は、強すぎる攻撃魔法を使うので精一杯だったのかもしれない。
サラがいなくなった今、彼女の歴代最強の魔法の軌道変更をするための、歴代最強の制御魔法は、もう必要なくなってしまった。
一生懸命で、危なっかしくて。
でも、誰よりも優しいサラ。
体が多少弱かったとしても、きっと彼女は、元の世界でも愛されているに違いない。
本編はこれで完結になります。
この後簡単な人物紹介を載せます。




