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168. T の災難

いつも読んで頂き、ありがとうございます。


後書きに『お知らせ』を書かせて頂きました。ご一読下さい( ノ;_ _)ノ

……どうしたもんか………………。俺は今、セカンドバックの如くドゥクランにの小脇に抱えられている。


銃が放たれたような、『ダーーーーン!!』って音にびっくりして小さく『うおっ』って身を竦めて顔を上げたら、目の前にアイボリーっぽい物体が……そのまま身体の痛みを感じること無く意識を失ったようなのだが、目が覚めたら目の前は地面。


身体に全く力が入らず、ドゥクランのなすがままに振り回されてること約5分。意識を失う瞬間に見たアイボリーは猿の歯のドアップだな、珍しく移動魔法が使えるようだ……なんて考えて意識を無理やり変えていたが、そろそろ限界……吐きそう……なんで胃の辺りを持つかな……


気を失っていた俺が目覚めたのは、頭に直接響く声が聞こえたから。どうやら竜王がスキルで俺の頭に直接話しかけてきたようだ。そこから目が覚めたと悟られないようにしていろといわれ、言われるがまま大人しくしていたが……


『あのー、そろそろ助けてくれませんかね?』


『今は待て。こやつの狙いが分からん。我を怒らせて、こやつにに利があるとは思えん!』


『あー………………竜の卵が欲しかったとか……たぶんそんなに深い考えじゃないって……盗りにいったらたまたまシロちゃんの卵があったから持ってきただけでしょうよ……だから助けて……』


『シロちゃんだと? 我の番の名か? 番に名があって、王であるワシには無いのか?』


『え? いや、シロちゃんはアダ名だよ……って欲しいならクロちゃんとでも名乗れば良いじゃん。……だから助け……『ウム。クロちゃんか……神から直々に賜った名だ! 真名としてシロちゃんと呼び合うときに使うことにしようぞ……』……あ、そう。』


……どうでもいい……いや、それより、ホントに限界なんだけど……


「お前達、何をしている! さっさとやってしまえ! そういう契約だろ!!」


ドゥクランが誰かに命令をする。頭が上がらないから頑張っても自分の足先か地面しか見えないんだよ……誰に命令してんの??


「神を魔王と間違え連れていったところで、魔物どもはお主の言うことなど聞かんじゃろうな……」


竜王が言う。どうやら魔王を連れて行く代わりに、魔物にドラド達騎士隊を襲わせる計画だったようだ。ってか、もしかして俺、魔王と間違えられてる?? なんで?? あ、髪と目が黒いから??


「ハァ? 神だと?? 竜族ともあろうものが何を言い出すのか……神は神の国で見守るだけでこちらの世界には干渉しないのだろ? それともあれか? 魔人だけじゃ飽きたらず、ヨルダ神自らこの世界の変革をしに来たのか?? それならば大歓迎だがな!!」


心底バカにしたようにドゥクランが竜王に言う。


「そうなのか? で、どうなのだ?」


「あー……ひゃんねんなひゃりゃ………」


竜王の問いかけに答えようとしたらビタンッと身体に衝撃が走った。ドゥクランのヤロウ俺を落としやがった。弛緩した筋肉では受け身も取れず、顔面の強打もいいところである……


イテテ……と無意識に顔に手をやれば動くので、その場によいしょっ! と座り込み、ドゥクランに向かい話しかける。と、ドゥクランは驚いたように俺から距離をとった。


「残念ながら、俺はヨルダじゃないよ。ヒルダの方。で、お前はドゥクランだよな? ダスキートから解放されたんだから仮面外せばいいのに……」


「な……に? ヒルダ神だと?」


「さあ? ワシには『神』としか見えんのでな……だが、神が自らヒルダ神だと名乗るならヒルダ神なんだろうて……」


ウヒャッ! すぐ後ろで声がしたと思ったら少し離れた位置にいたはずの竜王が真後ろにいる。


「信じる信じないは任せるよ。ただ、魔王で無いことは確か。実際魔物達は動かないだろ? ってことで、君の計画は失敗! 潔く諦めなさい。それと、本土? そっちの人造魔王もお前の仕業だろ? 被害が拡大する前に止めろよ。」


「……アイツらは命令を聞いたりはしない。人獣の血を取り込んで魔物とも別物に成ったからな! 今までは暴れないように押さえつけていたが、暴れ出した今、あばれた先で魔力や魔素を吸収したら、本土に残っている印持ちや年寄り(ロートル)だけじゃ押さえられないだろう!! それでも、もし生き残った者が居たとしたら新な王のもと、民として迎え入れてやろう。」


うわぁー……病んでんなぁ……って新たな王って、お前、出世願望があんのかよ……しかも、神だって言ってるのに喧嘩売るとか、大丈夫か?? かなりパニクっでんじゃないのか??


「仮に、本土の魔素や魔力吸い尽くして、手に負えないくらい凄く強くなって、西(ここ)に攻めてきたときどうするの?」


「お前達が居るじゃないか! 神に、勇者に、次世代の印持ち、魔王に魔物、魔人討伐に特化した人獣の精鋭部隊。竜王も自分達の巣があるなら死にもの狂いで戦うだろ? 折角招待してやったんだ、ここで役に立てばいい。上手くいけば褒美くらい貰えるだろう!」


そう言うと、ドゥクランはマリアと一華ちゃんの方を見てから一瞬にして消えた。ノリアスが魔王だってバレたか?? 移動魔法が使えるあの猿、ちょっと厄介だな……


それにしても、何でか俺も参戦することになってたけど、神の力で世界を消し去る(リセット)とか言ったらどうするつもりなんだろうか……まあ、やらないけど……


立ち上がり、体に着いた土ぼこりをパタパタと叩いていると、視線を感じる………………うん、皆俺達を見てるよね……あ、でも、この距離なら話し声は聞こえて無いかも!! 適当に誤魔化して……


「ヒルダ神よ、どうするつもりだ?」


竜王が大きな声で話しかけてきた。かなりご立腹のようだ……すると、声が聞こえたのであろう騎士隊の方からどよめきが聞こえる……誤魔化すのは無理そうだ……


「はぁ……とりあえず、魔物達をどうにかこうにかしようか……今のところ見てるだけで襲って来そうには……」


「……神よ。 ヒルダ神よ。……」


声が聞こえたのでキョロキョロと声の主を探す。と足下に口の周りがサンタクロースの髭のようなものが着いたスライムがちょこんといる。


「ふぉっ! な、なに? え? スライムだよね?? 喋れるの??」


「……………はい、私は少し特殊でして……」


主人公(マリア)が1番始めに木の棒で倒す最弱の魔物だよね……? 特殊って、ひげ? 確かに珍しいけど……


「それより神よ。あそこに御座す(おわす)魔王様へ執り成しをお頼みしたい。」


スライムからニュウッと触手のようなものが伸びてノリアスを指す。


「ノリアス? 執り成しはいいけど、アイツは魔王になる気はないから勧誘しても無駄だと思うよ。」


「……魔王とは、我ら魔族、魔人を導くもの……なる、ならぬで決まることではありませぬ。魔王様は他の種族との共存を御望みなのでは? ならば、その意思を示して頂ければ我らは従うつもり……」


「え? ノリアスが魔王になって仲良く暮らそうって言ったら、人を襲ったりしないってこと?」


「魔王が居ない世では、魔物同士の強さで上下が決まる。なので、手っ取り早く魔力を持つ人族や獣人を襲い力を得る。だが、ある程度魔力を得て知恵を付けた者は圧倒的な強さの前に挑むことはしない……ここに集まったものは、魔王に従う意思の者……」


「そうなんだ! いいこと聞いた!! OK、OK、そう言うことならノリアスに言ってくる!!」


いやー、この俺達を囲っている魔物と戦わずに済みそう!! ラッキー!! と早速ノリアスの元に向かった。


誠に勝手ながら、1月1日~3日まで投稿をお休みさせて頂きます。


4日の13時からまた投稿致しますので、読んでいただけると嬉しいです♪


それでは、皆様、良いお年を(*・∀・*)ノ

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