エピローグ 任け犬の遠吠え
こちらは以前から告知していた『任け犬の遠吠え』の改稿版です。
この世は結果が全て。
どれだけの努力も結果として残せなければ、負けとなる。
それを「残酷だ」「努力も評価するべきだ」と言ったところで、勝利し、結果を残せなければそれはただの『負け犬の遠吠え』だと笑われるのがこの世の中。
今、目の前に大きな分岐点がある。
片方の道を選べば、楽になれる。
もう片方の道を選べば、まだ長く苦しい道を選ぶことになる。
誰だって努力が報われ、勝利し、楽になる方がいいだろう。
だけど、それで本当にいいのだろうか?
人それぞれ、役割というものがあると思う。
雑種として生まれた俺に、与えられた役割がなんなのかわからなかったが、今ようやくそれがわかった気がする。
犬の獣人『カニス・アミークス』
そして、その獣人たちに与えられた十の役割。
『十の牙デケンティス』
類稀な察知能力を持つ先導者、シェファラ。
勇猛果敢なる守護者、ラブリオス。
土を掘り進み、発見する探究者、テラニス。
闇を見通す案内人、ダクセルブ。
孤高を貫く狩人、スピッツェルヴ。
執拗に獲物を追い詰める追跡者、スケンタール。
静寂の中に潜む観測手、ヴェナトリス。
水辺を愛する献身の守り手、リトリヴェラ。
孤独な心に寄り添う癒し手、トイメンド。
高貴なる疾風の韋駄天、ヴェントロス。
そんな輝かしい役割がある世界で俺が転生したのは――何者でもない「雑種」の獣人。
俺の生き方に説明書はなかった。
だが生きているものなら普通はそうなのかもしれない。
むしろ、どの枠にも囚われない『雑種』だからこそ、俺にしかできないことがあると気づけたのかもしれない。
今目の前にある分岐、その決断ができるのは俺だけだと。
才能はあれど、それをどう活かせばいいのか分からず立ち止まっていた仲間たち。
そんなみんなの前で旗を振るのは俺の本質にはそぐわない。
だから泥と傷に塗れながらみんなの影で走るのが俺の役割。
英雄のような派手さなんていらない。
傍から見れば、情けない負け犬のように見えるかもしれない。
だが、それでいい。
俺が泥を被ることで仲間が輝くなら、本望。
俺は彼らが躍動するための土台となり、彼らが駆ける道の『背骨』になろう。
世界に見せつけてやる。
俺の仲間は、こんなにも凄いんだと。
これが、俺の遠吠え。
『任け犬』の遠吠え。
今日から四章スタート部分に追いつくまで、毎日22:30に投稿していきます。
お詫び
改稿版と前書きにも書いてありますが、正確にはリビルド版になります。
話の大筋に変更点はありませんが、以前投稿していた『任け犬の遠吠え』旧バージョンとは話の展開、設定の名称、日常風景の強化など変更している部分が多く、改稿というよりも、リビルド版と呼べるレベルの書き直しになっています。
すでに旧バージョンを読んでくれていた皆様に、より読みやすくなった形で楽しんでいただけますよう、頑張りますので今後とも
『任け犬の遠吠え』をよろしくお願いいたします。




