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7話「5月7日、3限」

ー5月7日(水)ー


4連休だったGWが明けた。

疲れが溜まっていたからゆっくり休める、なんて甘い考えは初日に捨てた。


部活は4日中3日もあるし、数学の問題集と生物の謎の実験を家でやってレポートを提出するとかいうごみ課題も終わらせないとだったし逆にもう連休ない方がよかったな。うん。


課題の苦労を叶多と語り合う俺を「課題なんてGW前に終わらせたよ…?」という顔の海が見つめる。

俺だって中学まではそんな感じだったよ。中学までは。


入学式から1か月経ち、授業のあたりはずれを把握してきた今日この頃。


後ろの列のやつらが机にうつ伏せ始めるのを前から2列目の俺らは指をくわえて見るだけしかできない。

辛うじてスマホは触れるので机の中に忍ばせておいたのを起動。


見ると、男子LINEに昌也が何かのURLを送っていた。


開くとそれはブラウザゲームだった。見るからにクソゲーだが暇なのでやってみる。


20秒間で流れてくる人の顔を何個押せるか、という趣旨のゲーム。


膝の上でスマホを叩き、初見で176個を記録。一応グルラに送っといてみる。


ー教室に通知音が鳴り響き、板書をしていた教師が振り向く。


あ、これ終わったか?俺戦犯した?


なんて思っていたら意外にもすぐに授業に戻った。

もっと犯人捜しするかと思ってまじでびびった。


とりあえずLINEで犯人捜し開始。


琉「おい誰だよ今の」


昌也「すいませんでした」


琉「お前かよ」


昌也「授業中に送ってくんなて」


琉「ゲーム送ってきたのそっちやろ」


昌也「あ。そうだわ」


琉「はい自業自得な」


叶多「おい昌也何してん」


昌也「寝てたらなんか鳴ったわ」


叶多「バカかお前は」


授業が終わり、昌也が近づいてくる。


「お前らあのゲームやった?」


「ああ、1回やったけど176ってすごいんか?」


「俺ベスト175…」


「えばか下手やない?」


「うるせえ黙っとけ」


「俺やってみるわ」


「俺も」


海と叶多の挑戦。

なんか2人とも上手かった。


「はい俺182!」


「くっそ俺179やわーー」


叶多の勝ち。初見で全員昌也抜かしを達成。

2人ともプロセカをやってたらしい。そりゃ上手いわけだ。と、ここで。


「叶多、それ音ありでやってみ」


「えなんか変わるん?」


音を最大にして叶多が画面を叩き出すとー。


1回顔を叩くごとに人間の声が連射されていく。


教室中から集まる視線。


すぐに叩くのをやめてばか笑った。


そして気づく。俺音ありで授業中にこのゲームやってたら死んでたなぁ、と。


ーその日の夜。


美月からLINEが来た。


「今日男子めっちゃ笑ってたの何だったの?」


「あーなんかゲームの音?で笑ってた」


「私もそのゲームやってみたい!URL送ってくれない?」


「あんま女子がやりそうなゲームじゃないけどな笑」


「いいよー全然!」


「じゃあ送るわ」


「ありがと!」


URLを送信して一段落。明日もこの流行りは続きそうだ。


ー5月8日(木)ー

教室に入ると、男子が昌也の机に集合してスマホを叩きまくっていた。


「琉!俺195まで伸ばしたぞ!」


「えじゃあ叶多がトップ?」


「そう!なんか海のスマホ反応良くて最高」


「まじで?俺もそれでやりたい」


クソゲーほど謎に流行ってしまうのはなぜだろうか。この日俺は197個を叩き出したが、叶多が衝撃の200超えを達成してしまったので俺はこのクソゲーの引退を早くも決意した。


1人がやめると意外とみんなもつられてやめるのがクソゲーの定め。

この日をもって昌也のクソゲーの流行は、終わりを告げた。


男子の仲が一段と深くなった気がするし、楽しかったから充分だ。


ー夜。また美月からLINE。


「187個ってすごい??」


記録の画像が一緒に送られてきた。


「男子は叶多が200超えたからみんな超えるの諦めたよ笑」


「200!?やばいね!琉のベストは?」


「俺は197で諦めたー」


「うわー惜しいじゃん!頑張って琉のベスト抜かす!」


「おお!頑張って笑」


美月に感化されてもう1回だけ挑戦してみる。家だと集中できるな。


ー205個。


あ、超えたわ。と1人で優越感に浸る俺のもとに、


球技大会と遠足の、2大イベントが近づいていたー。

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