The seventh day【E】
「ところでエイト。貴方はよく、魔法を使えないのに魔法使い相手に戦えましたね」
不思議そうに問いかけてくるセシル。
もちろんセシルの時代では異世界との交流などないので宇宙人なのいない。
「あ、はい。僕は魔法は使えないので超能力で戦うしかないんですが、昌霊と契約すると僕が武器化した魔法使いとして魔力を一時的に使用が可能になるんです」
「昌霊?神か何かですか?」
「はい、まぁ・・・属性的神みたいなものですかね。僕が今契約をかわしているのは氷の昌霊と雷の昌霊だけですが・・・出てきてください。スノウ。ヴォルト。」
すると背後にうっすらと霧と小さな静電気。
そこからスノウと、電気をパリパリと放つヴォルトが出てきた。
『私がスノウ』『・・・ヴォルト』
ヴォルトはスノウのように人型ではなく、光の塊だ。
「はぁ・・・これが昌霊ですか・・・興味深い。」
『黄緑の兄ちゃん、あんたも昌霊に属する存在じゃないのか?粒子反応が感じ取れる』
「・・・・・・はぁ・・・まぁ・・・そうですが」
ちょっと返答に困りながらスノウからの質問に答える。
「「・・・?」」
もちろんレイスとエイトは意味が分かってない。
その時階段から駆け下りてくる足音・・・ホーリィだ。
片手にノートを持って、乱れた服のままセシル達を凝視して立ち止まった。
「おはようございます。ホーリィ。気分はどうですか?」
相変わらずなセシルの台詞など無視してホーリィはちかよってくるセシルに詰め寄る。
「え?ええ?えと・・・何でしょうか?」
「ここにいちゃ駄目なんだ・・・どこか・・・広くて・・・魔法を使っても住人達に被害の出ない場所は?」
「えと・・・多分10番害郊外のスラム・・・?」
「・・・ありがとうございます・・・」
そう言い、ホーリィはセシルの店を出て行った。
「え・・・?!ちょ・・・レイスッ!エイトッ!追いかけますよ!」
「はい」「おう」
一体何のつもりなのか。
ホーリィは何故そこまでして戦おうとするのだろうか。
封印するか、燃やしてしまえばいいのに。
10番街郊外スラム
今はもう誰もいない郊外。(作成中)
ホーリィはそこに現れた。
白いノートを片手に・・・
「わざわざ自分からお出ましとは・・・手間が省けたよ、ありがとう・・・」
上から声が降ってきたほうへ顔を向ければそこには黒服集団。
建物の上に並んでいると【悪】っという感じがいい感じにでている。
その中にはカレンもいた。
ただし、瞳は冷え切っている。
「カレン、ホーリィを殺レ。」
そう命令されたカレンだが
「嫌」
と命令を拒否した。
するとカレンの頭に銃口が向けられ ガチャッ と音が鳴る。
「殺すぞ」
殺意のこもった仲間からの声などカレンの耳には届いていないようで・・・まるで、今すぐにでもそこから飛び降りそうな様子だった。
「やめろ、今はそいつよりホーリィだ」
リーダーらしき人物の声に全員が従い、カレンから目を離してホーリィの元へ降りてきた。
カレンは建物の上に腰掛けて、様子を見るようだ。
「さぁ、ホーリィ。そのノートを俺達に渡すんだ」
リーダーの一人がそう言って拳銃を向ける。
しかし、それぐらいでホーリィは引かない。
「嫌です」
「渡せ、さもなくば殺す」
「嫌だといったら嫌です!」
「なら死ね。」
その言葉と同時に銃声が響いた。
「え・・・エイト?」
ホーリィは目の前にいる人物に驚いた。
なぜならそこには、エイトが氷の壁を作って銃弾を塞いでいるから。
銃弾は氷の壁に突き刺さり、動けなくなっている。
「ホーリィさん殺すなんて許さないからね、リーダーさん。そしてカレンッ!手伝って!」
エイトは上の方に座って見物しているカレンに声をかける。どうやら知り合いのようだ。
「・・・うん。なにすればいい?」
カレンがそう返事をすると黒服集団は一斉に振り返る。
「カレンッ!お前歯向かうつもりか?!」
「・・・だったら何なの?殺すの?その鉄の塊で?出来るものならやってみなよ」
その言葉と同時にカレンの黒い瞳が赤くなる。
すると、黒服集団の持っていた拳銃がドロドロと溶け始めだした。
「なッ・・・?!一体・・・カレン、お前は何者だ?!」
「・・・宇宙人。人間なんかじゃないんだよ。」