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The first day

*異世界物語です。*


The first day


王都ルイン。ここは最も高レベルの技術を持つ都。

都は第1番区から13番区へ分かれて地域を区別している。

中央区の中央公園ではこの都で有名なアイスキャンディが売られていて、観光客はこの都に着たら、必ず中央区へ行き、アイスキャンディーを買って食べるという何やらルール的ものが観光の内容に定着しているようだ。

中央区に立つ大きなビルは戦争中に爆発に耐えたもので、平和を願う象徴としてこの中央区に立てられたままである。

このルインの中央区に15歳の少年レイスはいた。

レイスはこの区内の郵便配達をしている。もっとも、ローラーボードで移動する為、手紙配達と小包配達に回されている。

中央区の大きな坂をレイスはローラーボードで駆け下りる。

「さぁて!仕事も終わったし!!街でも回るかな!」

今は夏祭りの真っ最中で中央区の道はどの道にも屋台が出ていてそこに人が集まる。

だが、これが夜になると、サンセット社の作った9000発もの花火を見るため、中央区から人は離れていき、ドーナツ化現象が起こる。

なぜなら、中央区の高い建設物といったら、平和を願うビル以外は住宅なので低すぎるのだ。

だから外から放たれる花火は他の区の建物に姿を隠されて見ることはできない。

さて、そんな楽しみな日。レイスはアップル商店街のゲートをくぐり、商店街の人気のない裏路地へ曲がった。

本来は非常時に使う為に作られた裏通路なのだが、ここは数年前にちょっとガラの悪い青年達が酒に酔って誤って閉じてあった入り口を破壊した。それからまだ修理してはいないのでそのままの状態になっているのであった。

裏路地をしばらく行くと、地下通路へ繋がるシャッターがあり、レイスはそれをあけて地下通路の中へ入った。

地下通路には滅多人が来ないため、川の水が流れる音だけが響き渡る。

一体・・・ここに何があるというのか・・・。

レイスはどんどん奥へ進む。

すると、奥に一軒の建物が見えてきた。

と、言っても、地下通路で暮らしている者はいない為、その建物に人がいることはないが・・・。

レイスは、その建物のドアを開いた。

入り口には看板が立てかけてあったが、古い言葉で書いてあるためレイスには読めなかった。

「うわぁ・・・汚い。」

中はごみだらけで蜘蛛達が天井に蜘蛛の巣を張っている。

「さて・・・掃除するか!」

実は、友人の親に頼まれて、レイスはこの建物の中を掃除してほしいといわれていたのだ。

別に使うことはないので、掃除をしたなら勝手に使ってもいいと言われている。

レイスはホウキを持ってはわきだした。

埃が舞うこと・・・蜘蛛は落ちてくること・・・。

本来ここは雑貨屋だったのだろうか・・・液体の入っていたであろうガラスの瓶やレターの束。小物入れなど、いろいろ四方八方に飛び散らかっていた。

しばらくして、一階の入り口から二階への階段までの面積の半分を片付け終わったときだった。

ごみの山の下から、何やら大きな円状のものが現れた。

その姿は半分ほどしか見えていないが、よく見ると円の中に何やら模様が描かれている。

「なんだろう・・・これ。」

レイスは気になりだし・・・いや、興味が出てきて残り半分を急いで片付けた。


しばらくして一階は綺麗に片付いて、人がきちんと住める状態になった。

「さてと・・・なんだろうね。これは」

ホウキを片手にレイスは円を見た。

本当に不思議な模様だ。

一体これは何なのだろうか・・・。

「・・・ぁ・・・」

しばらく眺めていると、その円は薄いパープル色の光を放ち出し、模様が光に包まれて見えなくなった。


この時が彼ととの初めての出会いだった


「・・・・・・あ・・・あんた・・・」

目の前の光景にレイスは目を疑った

なぜならば・・・

「あんた・・・誰?」

円からあふれ出た光の中から人が現れたのだから・・・。

やがて光はゆっくりと収まり、少し宙に浮いていた謎の人物は床に足を下ろした。

その者の身にまとう異国の服は、円から吹いてくる風になびいてその者の顔を隠したままだ。

そしてしばらくして風がやむと・・・異国の服の後ろから、奇妙なペイントを描き半分に割れた仮面の顔が現れた。

「う・・・うわああああぁぁぁぁぁぁッ?!」

その仮面の奇妙なペイントが気味が悪くてレイスは後ずさった。

「うわっ?!」

その声に驚いて相手も驚きの声を上げた。

レイスは、ホウキを構えて

「お前!一体何者だッ!!」

と、一声。

すると、謎の人物は不思議そうに首をかしげながらレイスに近づいてきた。

足音を立てずに、静かに、そしてゆっくりと。

近づいてくる分、レイスも後ろへ下がる。

一歩近づくと一歩下がる。また一歩近づくとまた一歩下がる・・・。

その繰り返しに謎の人物は耐え切れなくて、謎の人物は3m程離れた距離からレイスの元へ飛んできた。

「うわぁっ?!やだやだやだ!!!」

「・・・そんなに拒否しないでください・・・別に怪しい者ではありませんし」

「十分怪しいぞッ!!!なんだその奇妙な仮面!!変な服!!変な色の髪!!」

「酷ッ」

一歩引いた謎の人物は怒ったのか、急に少し大きな声も出してきた。

「言っておきますけど!!この髪の毛は普通です!!地毛です!!仮面は確かに変かも知れませんが、服は私の時代では普通なんです!!分かりましたか!?」

その言葉を聞いた瞬間レイスは疑問点が浮かんだ。

「・・・自分の時代・・・?」

「あぁ、そうでした、言い忘れていましたね。私過去の世界から着ました。名前は忘れましたが魔法導芸師です。よろしくお願いします。」

「忘れたって・・・;」

「貴方からの質問に答えられませんでしたが、今度は私からの質問です。貴方は私のお店で何をしているのですか?」

「・・・店?ここ・・・店だったの?汚すぎて分からなかった・・・」

「そりゃあ、私の時代から1000年も経過しているんです。汚れていて当たり前です。だって私はこの時代では死んでいるんですから!!!」

「1000年ッ?!うわっ!!もうあんた老いぼれじゃんかッ!!」

「・・・・・・まだ27です・・・で、何してたんですか。」

1トーン低めの声で魔法導芸師は聞いてきた。

「あ、そうだった。俺はここを掃除するように友人の親に頼まれたんだ。でも不思議だ、なんであんたはこんな地下通路に店立ててるんだ?誰も来ない場所なのに」

「私は光の下は出歩けないんですよ、光が差すと、右目が見えなくなるんです。だから当時はここに住んでました。ここなら右目を隠さずとも淡い光だけで生活できますし。」

「ふーん・・・大変なんだなあんた」

「それにしても貴方よく綺麗にしましたね。1000年分の汚れを。関心します。・・・そうだ、貴方の名前は?」

魔法導芸師は持っていた杖を振ってレイスに聞いてきた。

「俺はレイス」

「レイス・・・そうですか。」

魔法導芸師は円の上に立ち、杖を構えた。

帰るのかとレイスは思ったが、何やら違うようだ。

「何するの?」

「店を綺麗にして新しくします。・・・星よ、我に星の声の力を貸したまえ。」

魔法導芸師が杖を振ると、一階は先ほどより綺麗になり、面積が増えた。

そして、壁の色を塗り替えられて家具が幾つか増えた。

二階でも同じことが起こっているのだろう、物音がする。

「・・・はいおわり。で、レイスさん」

「レイスでいいよ。」

「分かりました。レイス、貴方は私とこの店をやってみませんか?」

「・・・・・・・・・え・・・・・・・・・?」

ちょっと待て待て待て。いかにも怪しいこんな奴と俺が店を運営?!恐ろしくてできないよ!!

だってこいつ素顔すら見せないじゃんかよ!!

「・・・救急箱どこありますっけ・・・」

魔法導芸師は救急箱を見つけるため部屋をうろうろしている。

「・・・その変な技で出せば・・・?」

「失礼ですね、変な技とはなんですか。れっきとした【魔法】です。」

「あぁ・・・じゃあその、まほうとやらで出せば?」

「嫌ですよ、そんなんじゃグータラ者になっちゃうじゃないですか。それに魔法使う分体力と精神力減るんですもん。誤って使いすぎたら1日中寝ちゃうことになりますし。」

「へー・・・(よくわかんないや・・・)」

「あ、ありましたありました!眼帯どこかなー・・・」

「何に使うんだ・・・?」

距離を置いて聞いてみた。

「この時代じゃあ・・・仮面だと冷やかされますしね。眼帯に替えようかと・・・あ、見ないでくださいね」

レイスに背を向けて仮面を床に落とすと、すばやく眼帯をつけた。

そして、レイスの方へ振り返った。

すると初めて顔の大体の姿が分かった。

白い肌に蒼い左の瞳。黄緑色の髪の毛のした見えるエメラルドグリーンのピアス。

「ねぇ、レイス。私に名前をください!」

初めて見た3/2くらいの素顔にレイスは何かを覚えた。

「・・・セシル。」

「セシル・・・ですか。・・・いい名前。勿体無いくらい。ありがとう。」

近づいてくるセシルからレイスは後ずさる。

「・・・まだ・・・私が怖い・・・ですか?」

「セシルは嫌いだよ。気味が悪いもの。大体何さ、まほうって。どうせ呪いの呪文かなんかの一種だろ?それで俺を殺そうとおもってるんだろう?てか、自分の時代に戻れよ、何しに来たのかしらないけどさ、ここは俺達の時代だ。」

「・・・・・・それは・・・」

「!」

レイスはセシルの手の変化に気がついた。

手は、水のように一部、透けていたのだ。

「・・・私は・・・探し物があるんです・・・この時代に・・・」

「なぁ・・・アンタ・・・本当のことを言ってくれ、アンタ本当は何者なんだ?なんで手・・・透けてるんだ?」

「・・・それは・・・―――」

次の言葉を出す前にセシルは後ろに倒れた。

「え?!ちょ・・・セシル?!おいッ!!」

揺さぶっても、頬を叩いても、呼びかけても返事は返ってこない。

「おいおいヤベーな;」

このまま放っておいたらまずいだろう・・・あまり好きではないが、それでも人一人の命は大切な尊い命だ。レイスはセシルを抱えて、二階にベットのある部屋を探した。

先ほどの改築魔法できちんと寝室は作られていた。

とりあえずレイスはそこに入って、セシルを横にしておいた。

「・・・まほう・・・の使いすぎなのかな?」

横目でセシルを一度見てから、レイスは一旦一階に下りて、冷えた水とタオルを用意してまた戻ってきた。

ぬらしたタオルを額におく、と、普通ならここで目覚めるのが話しの展開では当たり前だろうが、セシルは一向に目を覚まさない。

「・・・これ・・・放っておいたらまずいよな・・・」

過去の世界から来たのなら、身寄りの一人もいないはず。

「仕方ねぇ・・・仕事ないとき以外は見に来てやるか・・・;」

ちょっと行き先不安になり始めたレイスだった。


2006年から書いていたmagicaを書いてみました。

ブログで連載しているのですが、ブログではタイトルが【magica】なんです。何故OnLineと付け足したのかと言うと、本化しようと思い、友達に相談で言ってみたときに【友達の輪】と言う意味を付け足したい。

と提案してみたら「いいんじゃね?」みたいな変事がかえって来ましたので思い切って付け足してみました。

かなり出来の悪い子ですが、見てあげてください!

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