表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生徒会長はオタク男子を攻略できない  作者: naomikoryo


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
88/150

第88話 「会長、苺ミルクをもらって宝物扱いする」

黒瀬くんが、苺ミルクをくれた。


「前に苺クリームのクレープを選んでいたので、好きかと思って」


その言葉を聞いた時、ミレイの胸はふわっと温かくなった。


覚えていてくれた。


買い出しの時、自分が選んだクレープ。

ほんの小さなことなのに、黒瀬くんは覚えていた。


それが嬉しかった。


とても。


ミレイは苺ミルクを両手で持つ。


「ありがとう。とても嬉しいわ」


黒瀬くんは赤くなって視線を逸らした。


その反応も、やっぱり嬉しい。


リコが横から言う。


「会長、飲まないんですか?」


「飲むわ」


「ずっと眺めてますけど」


ミレイは苺ミルクを見る。


たしかに、まだ開けていない。


「少し、もったいなくて」


リコは笑った。


「苺ミルクを宝物みたいに扱う人、初めて見ました」


「黒瀬くんがくれたものだから」


言ってから、ミレイは固まる。


リコがにやりと笑う。


「はい、本音出ました」


ミレイは顔を赤くする。


「違うの。感謝の意味で」


「感謝で飲料を宝物扱いするんですね」


ミレイは返せない。


結局、苺ミルクは生徒会室で飲んだ。


甘くて、少し冷たくて、いつもよりおいしく感じた。


黒瀬くんがくれたから、だと思う。


その日の帰り、購買部の田島さんに声をかけられる。


「会長、苺ミルクどうだった?」


ミレイは驚く。


「田島さん、知っていたんですか?」


「もちろん。黒瀬くん、すごく真剣な顔で買ってたよ」


ミレイは想像してしまう。


購買で苺ミルクを選ぶ黒瀬くん。

自分に渡すかどうか悩む黒瀬くん。


胸がぎゅっとなる。


田島さんはにこにこして言う。


「大事にされてるねえ」


ミレイは言葉に詰まる。


大事にされている。


そう感じてしまっていいのだろうか。


でも、嬉しかった。



◆オチ


その日の生徒会日誌。


黒瀬くんから苺ミルクをもらった。クレープの好みを覚えていてくれたらしい。


追記。


とても嬉しかった。


さらに追記。


空き容器は捨てた。えらい。


リコが読んで言う。


「会長、捨てるか迷ったんですね」


ミレイは小声で答える。


「少しだけ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ