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生徒会長はオタク男子を攻略できない  作者: naomikoryo


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53/104

第53話 「テスト中に生徒会長の声が聞こえる」

英語のテストが始まった。


アキラは問題用紙をめくる。


長文。

長い。

とても長い。


(ラスボスが第二形態まである)


一瞬、心が折れかける。


だが、脳内でミレイの声が再生される。


「まず主語を探すの」


アキラはペンを握り直す。


(生徒会長ボイスガイド搭載。いける)


主語を探す。

動詞を見る。

代名詞の指すものを確認する。


すると、不思議と読めた。


完璧ではない。

でも、前よりずっとわかる。


アキラは感動する。


(すごい。白鳥先輩の教え、持続効果がある)


しかし、問題文に「president」という単語が出てきた瞬間、アキラはミレイを思い浮かべてしまう。


(会長……いや、これは大統領とか社長とかの意味だ。生徒会長ではない。落ち着け)


さらに「beautiful」という単語でミレイの顔が浮かぶ。


(違う。これは単語問題。白鳥先輩を記述しているわけではない)


さらに「together」で後夜祭を思い出す。


(やめろ。英語長文に青春の亡霊を召喚するな)


何とかテストを終えたアキラは、机に突っ伏した。


トオルが聞く。


「どうだった?」


アキラは答える。


「読めた。でも精神的には読まれた」


「何に?」


「生徒会長に」


トオルは少し考えて言う。


「それもう末期だな」


放課後、生徒会室でミレイに会う。


「英語、どうだった?」


アキラは正直に言う。


「白鳥先輩に教わったところ、かなり役に立ちました」


ミレイの顔が明るくなる。


「本当?」


「はい。テスト中、白鳥先輩の声が聞こえました」


ミレイが固まる。


リコが吹き出す。


アキラは慌てる。


「違います。幻聴ではなく、脳内再生です」


ミレイは赤くなる。


「私の声を、思い出してくれたのね」


アキラも赤くなる。


「はい。かなり高性能でした」



◆オチ


リコが言う。


「会長、黒瀬くんの脳内に常駐してますね」


ミレイは真っ赤になる。


アキラは真剣に言う。


「常駐アプリとしては非常に助かっています」


リコが叫ぶ。


「褒め方が独特!」

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