第15話:「初メッセージはラスボスより難しい」
アキラはスマホを見つめていた。
白鳥ミレイ生徒会長NPC。
いや、登録名はあとで変えた。
現在は、
白鳥ミレイ先輩
にしてある。
連絡先を交換した。
つまり、メッセージを送れる。
だが送れない。
(初メッセージは高難度。文面ひとつで好感度が変動する可能性がある。ここは慎重に……)
トオルに相談すると、呆れられる。
「普通に『今日はありがとうございました』でいいだろ」
「それでは味気ない」
「じゃあ何を送るつもりだったんだ」
アキラはスマホ画面を見せる。
本日は連絡先交換イベントありがとうございました。今後ともクエスト通知よろしくお願いします。
トオルは無言で削除する。
「送るな。絶対送るな」
結局、アキラは無難に送る。
今日はありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
数分後、ミレイから返信が来る。
こちらこそ。黒瀬くんと連絡が取れるようになって安心しました。
アキラはスマホを落としかける。
(安心!? 僕と連絡が取れることに安心!? これはどういう状態異常だ)
返信に悩みすぎて、三十分経つ。
ようやく送った文面は、
僕も安心しました。
送信後、アキラは床に倒れる。
(これは距離感が近すぎたか? いやでも先輩が安心と言ったから合わせただけで)
その頃、ミレイからまた返信が来る。
よかった。
たった四文字。
しかしアキラには強すぎた。
◆オチ
トオルがアキラのスマホを覗き、言う。
「お前ら、メッセージが初々しすぎて逆に老夫婦みたいだな」
アキラは真顔で返す。
「老夫婦ルートは早すぎる」




