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【第4部】勇者参上!!~勇者マストダイ! 不適格勇者を直ちに排除せよ!!~  作者: Bonzaebon
第2章 勇者マストダイ!!【誕生、勇者2号! ……逃亡中だけど。】
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第181話 こんな事で勇者を名乗る資格なんてあるのか?


「ちくしょう! なんて不甲斐ないんだ! 結局これじゃ、ビリに逆戻りじゃないか!」



 山道を登る途中でのコースアウト、ナイト・メアーズとの交戦等の理由によりレースに遅れが生じて最下位にまで一時は転落した。その後、ノーラ達の協力もあって遅れを取り戻したのだが、イツキ達に抜かされ再び最下位に転落。


 しかもチームメンバーも無事ではなく、シジミは失神したまま、ロアは敵の襲撃により転落して行方不明となっている。一人だけ無事なおいらが運転を担当しているが、拙い技術での運転のため、ハンドル操作もおぼつかない。ここから逆転できる要素なんて一つもなかった。



「こんな事で勇者を名乗る資格なんてあるのか!」



 勇者を名乗る誓いを立てたのはいいが、これではとても使命を果たせているとは思えない。仲間を守るため、邪悪な者を打ち倒すため、世界を平和に保つため。これらのどれ一つとして使命を全うできていないじゃないか!


 特に仲間を守るどころか危険な目に合わせてしまっているし、ロアを助けることすら出来ないままレースを続行してしまっている。きっと生きているとは思うが、あまりにも彼に甘えすぎているんじゃないか?



「そもそも、仲間を見捨ててまでレースを続行する意味なんてあるのか……?」



 あまりの不甲斐なさにレース続行の意義が感じられなくなってきた。犠牲を乗り越えた上での勝利とかはまだ聞いたことがあるが、犠牲を出した上に敗退なんてあまりにも無様じゃないか! ここは潔く負けを認めてレースをリタイヤすべきなんじゃないかと思う。そう思うと、肩の力が抜け加速ペダルに乗せた足も軽くなったような気がした。



「仕方ないよね。ここで引き返してロアを探しに行くんだ。そして、あの悪魔も倒さないといけない!」


「……ダメよ。」


「えっ!?」


「……もう! 私がミスって、その後どうなったのかと思えば、勝手にリタイヤなんてしたら許さないんだからね! 一生恨むわよ!」


「シジミ!!」



 諦めかけたその時、急に誰かの声が聞こえ、ハッとなった! シジミだ! シジミが目を覚ましたのだ! 一時はどうなるものかと思っていたが、無事に意識を取り戻してくれたようだ。


 怪我がないからとはいえろくに手当とかも出来ないままだったから心配していたが、ここまで俺に渇を入れるような物言いが出来るんなら問題なさそうだ。冷や水を浴びせられた様な気がして、弱気になっていたのが一気に醒めてしまった気分だ!



「なんて情けない運転してんのよ! 一回停めてもいいから、替わりなさいよ!」


「は、はい! 停めます、替わります!」


(ガッタン!!!!)


「おぅあ!?」


「ああもう! ブレーキのかけ方すらなってないじゃない!!」



 あまりに弱気な運転をしていたためか、シジミに咎められ交代するよう言われた。すぐさま言われるままに車体を停止させようとするが加減を誤り、大きく揺れ動きながら停止する羽目になった。こういうときは緩やかに速度を落としながら徐々に停止することを心がけないといけないはずだが、急いで停止させる事ばかり考えていたため、雑な停止になってしまった。こんなのシジミでなくても怒るだろう。



「はい、替わって替わって!」


「はい、ごめんなさい……。」


「そういえば勇者さんの姿が見えないけれど、どこへ行ったの? 怖じ気づいて個人的にリタイヤしたわけではないよね?」


「そ、そんなことはない! 彼はそんな理由で逃げ出したりしないよ! 彼は戦いの内に犠牲になったんだ!」


「犠牲? じゃあ、お亡くなりになったのね。……アマバム(※この世界で言うところのアーメンみたいな祈りの言葉です。)。」



 ここでロアの所在についての言及がなされたワケだが、おいらは思わずテンパってしまい、行き過ぎた表現を使ってしまった! 最初は逃げ出したかと勘違いしたようなので、彼の名誉を挽回しようとして奮起してしまったためこのようなことになった。これじゃ死んだと勘違いされても無理はない。彼女は祈りの印を組んでから祈りの言葉を捧げる事態にまで発展してしまった。これじゃ、ロアに合わせる顔がない。



「ちょ! 勝手に死んだことにしないで! まだ……死んだと決まったわけではないから。……多分。」


「何よ、ハッキリしないわね。でも大抵行方不明者なんて死んでしまってることの方が多いのよ。当初は希望的観測をしていても、いずれ現実を知るときになったら辛いだけ。キッパリ諦めるのが肝心なのよ。」


「随分と思い切りの良いというか、冷たい考え方だね……。」


「ときには冷徹な判断を下さなければならないときもあるのよ。特に人の上に立つ人はね。経営者とか軍のトップ、王者なんて立場の人達がそう。」



 なんか怖い考え方に思えるのは俺の気のせいだろうか? でも、勝負に勝つためには仕方のない事……いやいや、それでもおいらには納得が出来ないところがある。確かに人の上に立つ人はそれでいいのかもしれないが……勇者はそういう考えに至ってはいけないと思う。だって、ロアを見ていれば自然にそういう風に思えるんだ。……でも、何故? 彼と会って一月も経っていないのに、どうしてそう思えるんだ……。俺は一体……、



「ちょっと待て! 俺を勝手に死んだことにするなぁ!!」


「ロア!!!」



 生死不明でこの後どう進めるのか話していたら、ロアが姿を現した。グレートに乗って。……乗って? おかしい。乗ってるって表現はおかしいかもしれないが、本当に乗っていた。乗っているというより立っているといった方が良いかもしれないが……。とにかく色んな事が一片に起きたから頭の整理が追い付かないや……。

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