30話
森に入ってハナビちゃんを探す。とはいってもハナビちゃんの足跡を探すのは難しいし無謀だろう。だから昨日カイラスさんから聞いた場所まで行ってオーガの足跡を探して後を追うことにする。
オーガのいる場所にハナビちゃんもいるはずだ。
見つけた。
驚くほどに大きな足跡こんなものを殺しに行ったのか、ハナビちゃんは。
_____ゴクリッ
嫌な想像をしてしまう。それを必死に頭から振り払ってオークの足跡を追う。
そしてしばらく激しい戦闘の跡が残る場所に到着する。そこには赤黒い肌の巨体が倒れていた。
「あれがオーガ、大きい」
あれが暴れたのだろうからこの周辺の破壊痕にも納得がいく。
「ハナビちゃん、ハナビちゃんは!?」
ハナビちゃんの姿が見えない。どこに行ったのかさがす。
するとオーガの陰に隠れて倒れているのが見えた。
「ハ、ハナビちゃん!」
急いで近寄る。左腕は潰れていて血がたくさん流れている。
背中に嫌な汗をかきながら息を確認する。幸い呼吸はしていてまだ生きている。
「良かった。でも腕が・・・・・・」
持ってきていたポーションをあるだけ飲ませて、患部にもかける。
その中には恐ろしく高かった貴重なポーションもある。これならこの怪我も治せるかも・・・・・・
すると後ろの方から複数の気配を感じた。何者かと警戒して武器を構える。
するとそこから出てきたのは、カイラスさんと複数の傭兵だった。
「おう、こりゃこりゃ。派手にやったなあ」
「カイラスさん・・・・・・」
「ミヤか、じゃあハナビも・・・・・・いるな。こいつは二人でやったのか?」
「いいえ。ハナビちゃんが一人で出て行っちゃって・・・・・・それで・・・・・・」
「そうか、息はあるみたいだがポーションは飲ませたか」
「はい」
「あとはその左腕どうにかしてやれ。そのままでは腕はくっつくだろうが腕の中に鎧の破片とかが埋もれることになるぞ」
「わ、わかりました!」
急いでハナビちゃんの鎧を脱がせて腕に刺さった破片などを抜き取っていく。
その後討伐隊とカイラスさんに手伝ってもらってオーガの死体といまだに目を覚まさないハナビちゃんを運ぶのを手伝ってもらった。
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_______んっ
目を覚ます。鎧戸から漏れる光の感じから、今は昼頃だろうか。そしてベッドの隣に置かれた椅子にミヤが座って寝ている。
あの後私は気を失ったはずなのだがどうやってここまで帰ってきたのか。それに加えてぐちゃぐちゃにされたはずの左腕も正常に動かせている。少し傷跡が残っているが以前通りに動かせている。
ここでミヤを起こすのは申し訳ないので、着替えて宿の食堂に行く。喉はカラカラだしお腹はペコペコだ。まずは腹ごしらえをしなければ。
パンと豆のスープに肉をいつもの3倍は食ってやった。あまりにもおなかが空きすぎてペロリと行けてしまった。
その後少し休んでから風呂に行く。風呂でさっぱりして部屋に戻るとミヤが起きていてこっちに抱き着いてきた。
「ハナビちゃん!よかったぁ」
「ミヤ___」
突然抱き疲れて驚くが、それに対してミヤは頬を膨らませて怒ってきた。
「なんであんなことしたの!?何も言わずに勝手に出てって、追いついたと思ったら気絶してて左腕もぐちゃぐちゃで!どれだけ心配したと思ってるの?それなのにいつも通り飄々としちゃって!」
「ん・・・・・・・・・ごめん」
「ごめんじゃないよ!死んだらどうするつもりだったの!?」
「ん・・・・・・・・・」
「私を置いてかないでよ・・・・・・ずっとそばにいてよ・・・グスンッ」
そうしてミヤは泣き出してしまった。どうすればいいのだろうか。とりあえずミヤがしてくれたように優しくよしよしした。
ミヤが落ち着いてから話を聞いたのだが、どうやらミヤとカイラス含む討伐隊によってオーガと私は街に運ばれてきたらしい。オーガの清算については後で行われるから起きてコンディションが十分なら落ち着いてから来いとのことだ。
そして私の腕に関してはオークを狩って貯めたお金を使ってもしもの時のために買った500万ギルもしたポーションを使ったらしい。
ということでまずキナ爺の墓へ向かう。回収した鉈とナイフを供えて仇はとったから安心するように伝えなくては。
キナ爺の墓につき供え物をして手を合わせる。
(仇はとったよ。キナ爺からしたらまだまだひよっこで情けないかもしれないけど、これからもっと今まで以上に頑張って強くなるから。そしてこの街を出ていろんなところを旅してみるよ。だから安心して見守っててね)
そうしてキナ爺の墓を背に歩き出す。
ギルドに向かいカイラスに声をかける。
「カイラス、お疲れ」
「おう、復活が早えな。左腕なんてぐちゃぐちゃだったのによ。ミヤに感謝しろよ」
「ん。ミヤ、ありがと」
「う、うん」
「オーガについてだが、あれはなかなか売れる部位も多いし貴重だ。だから相当な金になったぜ」
そうして大きな金貨袋を受け取る。
「あとはハナビに関しては文句なしでCランク昇格だ。ミヤに関しても俺は実力は認めてるからな。だからCランクになれるよう上に掛け合ってるがオーガを狩るみたいな大きな実績がまだないからなもう少しかかるかもしれん」
「ありがとうございます。嬉しいです」
「Cランクからはギルドで金を預かったりするサービスを受けることができる。だから貯金はギルドに預けるといい。預けたギルドの支部とは別のところで引き出すこともできるから便利だぜ」
「ん、後でまとめて預ける」
そうしてギルドを後にして次は職人街へ向かう。ハナビの鎧がだめになってしまったので新調しなくてはならないのだ。




