21話
ギルドで換金して宿に戻る。今日はミヤがお疲れなので訓練場にはいかず。宿でゆっくり休むことにする。ただ今日の反省会だけは行おう。
お風呂に入ってから部屋で反省会を始める。
「ミヤ、今日の反省会するよ」
「うん」
「まあ、最初腰が引けてたことはもちろんだけどそれは途中で直せたから良しとするよ。あとは突きにも横への薙ぎ払いにも体重が乗ってなかったよ。ゴブリンは体が小さいから薙ぎ払いで転ばせられたけど、他の魔物相手にあれじゃ通用しないと思う。それに転ばせるなら、腹に当てるより足を狙ったほうがいいと思うよ。転ばせたあとも有利な状況だからって油断しすぎ、足をすくわれちゃうよ。気を付けて」
「はいぃ」
「とりあえずお疲れ様。少しずつ慣れてけばいいと思う。槍を扱い始めたのも戦闘の訓練を始めたのも昨日だったのに、よくできたと思う。何なら少し急ぎすぎたかな。わたしミヤにけがはしてほしくないから、すこしずつがんばってこ?」
「んん」
___あああ!ハナビちゃんを支えるんだとか言っときながらこのへっぴり腰だよー!それにたくさん慰められてるし情けないよー
わたしもハナビちゃんにけがはしてほしくないし、ずっと一緒にいたいよ。それにしても戦ってるハナビちゃんかっこよかったな。私もあんな風になれるといいんだけど。
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しばらく二人でゴブリンを狩って過ごし、ミヤも狩りに慣れてきた。
そして今日は、ミヤ一人でファングボアを相手にする。
本当は昨日狩る予定だったのだが、ファングボアが見つからなかった。そして今は少し二人から離れたところに全長130㎝ほどだのファングボアがいる。
「ファングボアは足を潰してとどめを刺すのが一番楽。気づいて突進してくる前に足を攻撃するの」
「わかった。やってみるね」
ミヤは慎重にファングボアに近づいていく。においからもうすでに気づいているかもしれないが、きづいていても草食に大きく偏った食性のファングボアは、敵性を大きく感じない限り自ら攻撃してくることは少ない。
ファングボアから一番近くの木の裏まで行って、深呼吸をする。槍を構えて足に力を入れる。
飛び出してファングボアに肉薄する。そして思い切り槍を足に叩きつける。
狙い通り右前足に命中する。しかし命中した刃はかたい皮を貫くことはできたが、骨を前に刃が止まってしまう。突然襲う痛烈な痛みに暴れまわるファングボア、魔物特有の生命力で足に深い傷を負っても尚動き回る子ができている。
ただ暴れまわりつつも右足のダメージは無視できず。得意の突進を繰り出すことはできない。 大きく移動ができないファングボアにミヤはリーチを生かして、次は左の前足を攻撃する。それもしっかりと命中しファングボアは両前足をまともに使うことができなくなってしまった。
そんなファングボアにしっかりととどめを刺し、一瞬はヒヤヒヤしたものの無事に討伐することができた。
「___っふう、何とかなったよ_____」
「お疲れ様。じゅぶん良かったよ」
「えへへ、ありがとう。これで一人でも狩りができるね。ハナビちゃんのおかげで森歩きも上手になって来たし」
「ん・・・・・・そう」
「あ・・・・・・しばらくは頑張ってお金を稼いで装備を整えなきゃだから!装備が整ったらたくさん一緒に狩りとかしよ?」
「ん」
___この寂しがり屋さんめ!可愛いなぁ!
ミヤと一緒に過ごすうちにハナビはミヤにひどくなついていた。現実には友達一人いない中で、ミヤは唯一の同性の友人なのでなおさらだ。
街に戻って報酬を受け取る。あとはいつも通り過ごして同じベッドで寝る。
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ハナビはいつも通り早朝に目を覚ます。ミヤは相変わらず隣でスヤスヤと寝ている。ミヤは朝は弱いらしく、いまだに早起きに慣れていない。とは言っても今日は狩りは休みなので、気持ちよさそうに寝ている中起こすような無粋なことはしない。
寝ているミヤの頬を軽く突っついてやる。毎朝ミヤを起こす前にはこれをしている。普段は自分からスキンシップをとることはないが実はもっとミヤにじゃれたいと思っているハナビだが、生来のコミュ障によりなかなか素直になることができないでいるのである。
そうしてミヤを置いて準備をしてギルドへ向かう。いつも通り早起きをしたもののすることがないので、訓練場で軽く運動をしようという魂胆だ。
食堂にいたキナ爺にあいさつをしてから訓練場に向かう。朝食はミヤと食べるので今は食べない。キナ爺と食べるのもよいがやはり野菜だけというのは味気ない。
軽く運動を続けること数時間、まあまあいい運動になったので宿に戻って汗を流す。部屋に戻ってみたがミヤはいまだに寝ていた。しょうがないので武器の手入れをしてまた時間を潰す。ミヤはとんだ寝坊助だ。
武器の手入れも終わったがまだミヤは寝ている。時計がないので詳しい時間はわからないが多分今は8時前くらいだろうか。私はいつもミヤより先に寝ているのでミヤがいつ寝ているのかはわからないが、それでもそんなに遅くないはずだ。そんなに長時間寝ているミヤに毎日私に合わせて早起きしてもらっているのが申し訳なくなる。
ミヤには嫌われたくないからこれからはもう少し出発を遅くしようかな・・・・・・
わがままだけどミヤとは本当にずっと一緒にいたい。
少し寂しい気持ちになってしまって、その気持ちを埋めるために布団のミヤの隣へ潜る。ギュッとミヤにくっついていたら安心してまた眠ってしまった。
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___んっんんっ
「よくねたー」
どれほど寝たのかはわからないが、鎧戸から漏れ出る光から結構な時間寝ていてしまっていたようだった。昨晩は今日が休みだからって夜更かしをしすぎてしまった。
でも夜更かししすぎちゃったのは、可愛すぎるハナビちゃんのせいなんだから!ずっと寝顔を眺めてたらいつの間にかものすごく時間が経ってしまってたんだから。
そんなことを考えていると、私の横にハナビちゃんがくっついて寝ていることに気づく。
「珍し、ハナビちゃんがまだ寝てるなんて」
ハナビの寝顔につられてミヤもまた眠くなってきてしまったので、またくっついて寝ることにする。
二人がまた目を覚ますのは昼過ぎのことだった。




