57/57
生存と精神
凄まじい速さでルーナへと向ってくる。バイザー複眼は尻尾の動きを追わせる。ワニは大きな背中を見せたと思えば、長く、堅い鞭を尾で振るってきたのだ。同じ巨体であっても、身体能力はルーナが劣るだろう。しかし、クモの複眼が相手の見えない先の攻撃を目にはっきり映し出してくれれば、飛び上がって避けられた。両手のレーザー弓銃の核は熱を保ち続けている。着地して、すぐに間合いを取り、弓を放った。光のレーザーは恐竜の足下の氷を溶かす。咀嚼している口から赤い血がぼたぼたと地に落ちていき、後ずさりしていくのがわかる。クモの複眼はペンギンの群れが逃げもせずに、お互いを攻撃しているのを雪の中で捉えていた。興奮しているのか、縄張りを守っているのか、知ってか、知らずか、ワニはまだこの場から逃げてはいない。ケンペキ・ショウはまずは巨大な四足の恐竜を退けようとトリガーを引き、氷を溶かし崩して、群れへの行く手も遮っていく。鋭い目でペンギンやルーナを睨みつつも、素早く離れていき、海へ飛び込んで消えていった。メッカーへ警戒とワニのデータの解析を頼み、ケンペキ・ショウはこのペンギンの群れへゆっくりと近づいていく。襲われたというのに、群れの中はお互いに傷つけ合っているのが、信じられなかった。
小説家になろうとノベルアップに同時投稿




