16話 受付
「はい。入会ですね。えっと...買い取りしてきたんですね。いくらでしたか...?」
受付にはさっきと同じエレさんがいた。
「120万マールだ──」
「120万マールですね─────え?120万マールですか?」
「そうだ。ワイルドオーク売ったらもらえ───」
「ワイルドオーク......はぁすごいですね。さすがと言うか...今まで何をしてたんですか?」
「え、森で過ごしてた。今ま───」
「森で?そうですか...説明はもう良いですよね」
転生したというのは隠していたほうが良いだろう。
人の言葉を最後まで聞かないという癖は相変わらずだが、なんかおとなしくなっている気がする。
なんか呆れてるみたいな感じだ。
「ああ、説明はい───」
「では書類です。記入をお願いします。」
受け取った書類にざっと目を通し書き始める。
名前は、トシキ。性別は男。
歳の項目はなく代わりに10歳以上ですかという欄がある。
10歳以下だったら危険だからな...そう思いながら丸をつける。
で、職業は...料理人でいっか。
『最近倒した中で一番強かった魔物名
(3週間以内・一人で倒した場合のみ・証人がいる場合は記載すること)』か...
ワイルドオーク・ワーナーさん、と
『現在のレベル(職業レベルがある場合はそれも記載すること)』...か。今レベル何なんだろう。
ステータス。
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職業:料理人・付与師
総合Lv:7
職業Lv:3(料理人)
職業Lv:2(付与師)
HP:2130/2130
MP:1250/1270
スキル:火魔法 水魔法 風魔法 雷魔法 土魔法 光魔法 闇魔法 調理魔法
特殊魔法 加工魔法 付与魔法 剣術 体術 格闘術 包丁さばき 付与
属性:なし
異常状態:なし
仲間:なし
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...付与師!?職業が増えることもあるのか。
総合レベルが結構上がってるな。さっきワイルドオーク倒したからかな...
付与師の職業レベルが上がってるってことはその職業のスキル使っても上がるのかな。
...てことは職業に付与師を書き足して、レベルの欄にも、総合7 料理人3 付与師2と。
で次の項目はえっと...好きな食べ物か───なんか小学生みたいだな。
餃子でいっか。この世界にあるかわかんないけど。
次は──犯罪歴か...真面目に書く人いるのか...?
そう思っていると、手元をエレが覗き込みながら、こう言った。
「あ、それ嘘ついたらバレますよ。さっきまではわかんなかったんですけど、なんか嘘発見器っていう機械が届いて嘘バレるようになったんですよ。便利ですよね──こんなの作る人って頭どうなってんでしょうね。」
それ作ったの俺だわ...
「えっとね、頭正常だと思う...」
我のことながら弁護しておく。
「え、そうですか?今度ジョーシに聞いてみますね。」
バレる...どうしましょ。嘘発見器をなかったことにはできないし...
「いや...」
「あ、でもコレひとつしか作ってもられなかったんですよね...今一つしかないってことは。何個も作ってくれる人ならギルドのことを考えてくれてるまともな人かも...」
ナイスだ...今何個か作ってあげれば...
「じゃあ、もし今嘘発見器が大量にあればその人の頭は正常か?」
「そうなりますね。でも、なぜ合ったこともないはずの人をそんなにかばうんですかぁ?」
...もう言ってしまって楽になろう。
「俺がその人だからだよ」
「あ、ごめんなさい。知らないで文句ばかり言ってしまって。」
エレがペコペコと謝っている。
「今作るから魔石もらえないかな大量に...」
「はい。今すぐ...」
エレは回れ右をして倉庫に取りに行った。




