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11話 戦闘

ワイルドオークが馬車を襲っている。

ワイルドオークは木でできた3mほどの棍棒を持っていて、馬車や俺があんなのを食らったらひとたまりもないだろう。

御者の人は馬車を置いて必死で逃げている。

ひとまず、馬車が壊れないようにするのが優先だな。


俺は馬車の方に走り出した。

結構身なりの良い格好をした御者の人は何かを叫んでいる。

よく聞くと「誰か知らんがこれは危険すぎる───逃げるんだ。」と言っている。

「わかりました。ちょっと待っていてください。」ここは敬語でいこう。声を張り上げて返事をする。

馬車を運ぶか───

スキル『収納』


収納スキルか──コレはこれからこのスキル、必須だな

俺は馬車に手を当てて、馬車を収納する。

「収納」

さっきまであったはずの馬車がなくなっている。

「───────ば、ばばばばば馬車がきききき消えたぁぁ!!!!!!!」

眼をまんまるに見開いて驚いている。


で、倒すか─────


ワイルドオーク...どれくらいの強さなのかわからない。

料理人でしかもLv.1で倒せるのか。

攻撃魔法、どれ使おう。

そういえば、ワイルドオーク...食べられるのか?見た目豚だし行けるかな...

食べることを考えて傷つけないほうが良いな...

そしたら...氷か。

弱い攻撃して、傷つけたり負けたりしないで今のMPで使える最大の氷のスキルは...

スキル『絶対零度の氷獄───永久凍土』

...なんか強そう。早速使うか。

まず、使うにしても範囲がわからないから御者の人を遠ざけないと...


「ここから離れてください」

「な、何をする気だっ...」

「いいから。一回離れてください。危ない目にあっても知りませんよ。」

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

そう叫んで御者は逃げていった。


じゃあ、いくか。

「絶対零度の氷獄────永久凍土!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


俺がそう言ったとたん……周りの空気が張り詰めた。

「──────────ッ」

目の前が凍りつく。俺は後ろに飛び跳ねる。

ワイルドオークはもちろん周りの木々まで凍りついている。

倒せたのか───?

溶かせばわかるのか──


スキル『ステータス確認』


敵のステータスを確認するスキルか...

『ステータス確認』を発動すると敵のステータスが表示される。

──────────────────

ワイルドオーク

HP:0/823

MP:0/0

スキル:なし

属性:なし

耐性:氷・炎

異常状態:死亡

───────────────────


耐性か...俺のステータスにはなかったな。

モンスターだけなのか。

それにしても強すぎないか。あのスキル。しかも相手は耐性持ちで俺よりHP高いよな。


俺は振り返って業者の方を見る。御者は口を開けてぽかんとしている。

「これでいいか。」

俺は収納から馬車を取り出す。


御者は更に口を大きく開けて唖然としている。


『収納』氷の壁に触れながらそう言うと、氷だけが消えた。

氷って収納できるんだ。


収納って時間経過あるのか?あったら氷が溶けてしまう。

「鑑定──収納」

『鑑定』を使い調べる。

どうやら収納スキルには時間経過を切り替える事ができるらしい。


「時間経過OFF」俺が言うと

『時間経過をOFFにしました。』

とメッセージが表示される。

コレで氷が溶ける心配はない。


ワイルドオークをしまう。

「いくか。」俺はそうつぶやいて歩き始めた。


「ちょ、ちょっと待ってください。」振り返るとそこには言葉を取り戻した御者がいた。

「ありがとうございます。私、ワーナーと言います。コレでも私、ある店のオーナーをやっており、それなりに名が通っています。何かあったらこの私の商店ワーナー商店を訪ねてください。何か問題が起こった時、私の名前を出してもらっても構いません。だいたいのことは解決できるでしょう。一応コレ渡しておきます。」

ワーナーさんが渡してきたのは模様が書かれた布。

「なんですか...これ」

俺はそう尋ねる。

「コレはですね。特別な方だけにしか渡しておりませぬ、布でございます。この布さえ持っていれば、私つまりワーナーと知り合いであるという証明になります。」

「ありがとうございます。ワーナーさん。」

「いえいえ、とんでもない。街についたらワーナー商店に来てください。ところで、お名前をお聞きしてんもよろしいでしょうか。」

「俺はトシキです。」

「トシキさん本当にありがとうございます。」

「では、そろそろ行きますね。じゃあ、さようなら。 極・走力増加!」

俺はそう言って走り出す。ちゃんとスキルも発動させてだ。




俺が走り出した後、ワーナーさんが再び唖然としていたのは言うまでもない。

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