第十七話 ギルド
ふむ、ここがギルドか。
なんというか、パティが見たら卒倒しそうな場所だな。
生前……と言っても、今も生前ではあるのだが、その前の現代で過ごしていた頃に、
近所の子どもが教えてくれた『異世界』のギルドは、
冒険者達がテーブルで酒を飲み、新参者を痛ぶるというのが慣習になっていたが、
ここはどうも市役所の雰囲気と言った方が近い。
確かにアーマーをつけた人、剣を携えた人、モヒカンなど、異様な風景ではあるが、
皆が皆、一様に列に並び、部屋の隅に置いてある机には書類を書き込む人の姿がちらほら。
「はい、初回の受付でしたらこちらの番号札をお持ちになって、呼ばれるまでお待ちください。」
淡々と進められるギルドの登録に、なにか物足りなさを感じながらも、見知った風景に少し安心した。
「78番の方ー。507番窓口においでくださーい。」
……住所変更とかされないかしら。
そんな不安は一瞬で消え去る。
「はい、ギルド登録とのことなので、まずは魔力測定からさせていただきますねー。」
カウンターの下からやたら大きな水晶玉が現れる。
恐る恐る手をかざすと、水晶玉が光り輝いた。
(まずいな……。)
あまり悪目立ちはしたくない。
確か僕は魔力量がとんでもなかった。
ここで水晶玉がイレギュラーな反応をしてしまうと、変な騒ぎになって王子であることがバレてしまうかもしれない。
予想通り、周りが少しざわめき始めた。
書類を書き込んでいた全身アーマーだらけの人が眩い光に振り返り、後ろに並んでいる屈強なモヒカンが首を伸ばして覗き込もうとする。
「あ、あのーこれって……」
僕が誤魔化そうとした時、職員が先に口を開く。
「はい、結構ですよー。こちらの書類に記入されて、
あちらに提出してください。」
……驚いた。
異世界でもお役所仕事は変わらないんだな。
隣の窓口に書類を提出すると、ギルドの説明がざっくりなされた。
なんでも、FからSまでのランクがあり、それぞれのランクに応じて冒険に必要な資格が解放されるらしい。
そしてランクを上げるためには、ギルドからの仕事をこなせばいいそうだ。
そして月に2回、活動が認められなければ、ランクが剥奪され、振り出しに戻るらしい。
(……職安?)
なんでも、登録カードは次の日に発行されるらしく、
もしお金がなくてその日泊まるところがなければ、
ギルドが経営している宿に、最大1週間泊まれるらしい。
「……至れり尽くせりですな。」
職員にぼそりと話しかけてみたが、反応は全くして貰えなかった。
読んでくださってありがとうございます!
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