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たまには本を読んでみない?(小説紹介)  作者: ボアの本棚


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71/84

71.『ぼくがスカートをはく日』

『ぼくがスカートをはく日』

エイミ・ポランスキー 作

西田佳子 訳

まめふく 絵

学研プラス 出版


この物語の主人公は、グレイソンという男の子です。


グレイソンには、周りの人には言えない秘密があります。


それは、自分の中に「女の子として生きたい」という気持ちがあること。


女の子の服を着たい。

女の子のように過ごしたい。


そんな気持ちを持っているけれど、「男の子なのに」と思われるのが怖くて、ずっと自分の気持ちを隠しています。


学校でも、家でも、周りの目を気にしながら過ごすグレイソン。


でも、心の中では「本当の自分でいたい」という思いが、少しずつ大きくなっていきます。


そんなある日、学校で演劇をすることになり、グレイソンは女神の役に挑戦することになります。


これはグレイソンにとって、とても大きな出来事でした。


ただ演劇に出演するだけではありません。


自分が本当にやりたいことを選び、自分らしく生きるための一歩だったのです。


この作品を読んで印象に残ったのは、「スカートをはく」という行動そのものではありません。


そのスカートをはくために、グレイソンが悩み、怖がり、それでも勇気を出していく姿です。


私たちは普段、「男の子なら男の子らしく」「女の子なら女の子らしく」と、無意識のうちに人を決めつけてしまうことがあります。


でも、その人が何を好きなのか。

どんな自分になりたいのか。


それは、その人自身にしか決められません。


もちろん、自分とは違う考え方をする人を見て、戸惑うこともあると思います。


それでも、すぐに「変だ」と決めつけるのではなく、


「この人は、どんな気持ちなんだろう?」


と考えることが大切なのではないでしょうか。


『ぼくがスカートをはく日』は、男の子がスカートをはくことだけを描いた物語ではありません。


自分の本当の気持ちを隠して生きる苦しさ。


そして、それでも自分らしく生きようとする勇気。


その二つが丁寧に描かれています。


グレイソンの姿を通して、この作品は私たちにも、


「あなたは、自分らしく生きていますか?」


「誰かが自分らしく生きようとしたとき、あなたはどうしますか?」


と問いかけているように感じました。


自分らしく生きること。


そして、自分とは違う誰かの「自分らしさ」も大切にすること。


そんなことを考えさせてくれる一冊でした。






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