64.『マイブラザー』
草野たきさん作
ポプラ社 出版
『マイブラザー』です。
あらすじ
家族の事情で夢を諦めた中学生・海斗が、幼い弟の世話をしながら毎日を過ごす青春小説です。
家族の事情をきっかけに、志していたエリート中学の受験を諦めた中学2年生・海斗は、5歳児の弟・総也の面倒をみる毎日を過ごしている。未来への希望をもたず、心を開く友人もおらず、ひたすらイクメンライフに没頭し毎日を消化していた海斗だったが、あるとき保育園時代の幼馴染5人と嫌々ながら同窓会をすることに。総也をタテに、平穏な日々を守ろうとする海斗だったが……。
Amazonより引用
感想
この作品で印象に残ったのは、「家族だから我慢するのが当たり前」という空気の中で、海斗が一人で悩みや責任を抱え込んでしまう姿でした。
まだ中学生なのに大人のような役割を背負う姿には胸が締め付けられます。
そんな海斗が幼なじまたちとの再会をきっかけに少しずつ変わっていく様子はとても温かく、友情の大切さも感じさせてくれました。
家族とは何か、自分の将来とどう向き合うのかを考えさせられる、優しさと切なさが詰まった一冊です。
読後は、身近な人の存在の大切さを改めて感じられる作品でした。
推しポイント
・海斗が自分の夢より家族を優先したこと
中学2年生という年齢でありながらエリート中学への進学を
諦め、弟の世話を最優先にしている姿には驚きました。
本来なら自分の将来を考える時期なのに、「家族のためだか
ら」と自分の気持ちを押し込めてしまう姿が切なかったで
す。
・海斗が誰にも本音を打ち明けなかったこと
不満やつらさを口にせず、「これが自分の役目」と思い込ん
で生活している姿が印象的でした。
一人で抱え込み続ける考え方はとても中学生らしい不器用さ
を感じました。
・幼なじまたちが海斗を放っておかなかったこと
久しぶりに再会しても海斗の変化に気付き、自然に寄り添お
うとする姿が温かく感じられました。
友達の存在が、海斗の閉ざしていた心を少しずつ動かしてい
くところが見どころです。
・弟・総也の存在
総也はまだ幼いからこそ無邪気ですが、その存在が海斗の支
えである一方、大きな責任にもなっています。
この「大切だからこそ苦しい」という関係性がとてもリアル
に描かれていました。
私が一番驚いたのは、海斗が「自分さえ我慢すればいい」と考えていたことです。
まだ子どもなのに、自分の夢や気持ちを後回しにする姿は胸が痛みました。
しかし、幼なじまたちとの再会を通して少しずつ変わっていく姿に、人とのつながりの大切さを改めて感じさせられました。
まとめ
家族の事情で夢を諦めた中学2年生・海斗が、幼い弟・総也の世話をしながら成長していく青春小説です。
印象的だったのは、海斗が「家族のため」と自分の夢や本音を押し殺し、一人で責任を抱え込んでいたことです。そんな彼が幼なじまたちとの再会をきっかけに少しずつ心を開き、前を向いていく姿に胸を打たれました。
家族の大切さだけでなく、友達の支えや、自分の気持ちを大切にすることの大切さを教えてくれる作品です。優しさと切なさが詰まった、読後に温かい気持ちになれる一冊でした。このくらいの長さなら、約1分程度のYouTube紹介としてちょうど読みやすい内容です。




