33.『彩菊あやかし算法帖』
『彩菊あやかし算法帖』
出版社 : 実業之日本社
青柳碧人(著)
この作品は一言でいうと、
江戸時代 、妖怪、 数学、ミステリーという、かなり珍しい組み合わせの物語です。
主人公は、下級武士の娘で17歳の少女、車井彩菊。
彼女は寺子屋で子供たちに算術を教えるほどの、数学オタクの天才少女です。
そんな彩菊のもとに持ち込まれるのは、妖怪や怪異が絡む奇妙な事件。
普通の時代劇なら、剣や霊能力で解決しそうなところですが、
この作品の面白いところはすべてを数学で解決すること。
たとえば最初の事件では、ある村で「賽目童子」という妖怪に生贄を捧げる風習があり、女の子が犠牲になろうとしていました。
そこで彩菊は、妖怪とサイコロ勝負をすることになります。
しかしこれはただの運試しではありません。
彩菊は確率の考え方を使って、妖怪の勝負のトリックを見破り、村人たちを救います。
この「数学で怪異を倒す」という設定がとにかく面白く、
普通のミステリーとも妖怪ものとも違う面白さがあります。
物語は連作短編で、
・赤い亡霊
・呪われた千手観音
・稲荷の怪
・手毬唄の怪
・死神絵草紙
など、さまざまな怪事件を解決していきます。
どの話も共通しているのは、
「本当に妖怪なのか?」
「人間の仕掛けなのか?」という謎。
そしてその答えにたどり着く鍵が、算術や論理です。
個人的に面白かったのは、この作品が「数学小説」でありながら、数学が分からなくても読めるところ。
難しい公式ではなく、「へえ〜」と思える論理や発想が多く、
読者も一緒に謎解きをしている気分になります。
また、主人公の彩菊は頭脳は天才なのに、性格はかなりマイペースでおしゃれ好き。
このギャップも魅力です。
ただし、注意点としては本格ミステリーというよりは、
・時代劇
・妖怪もの
・数学トリック
この3つを楽しむ作品なので、シリアスな推理小説を期待すると少し雰囲気が違うかもしれません。
まとめるとこの作品は、
「妖怪を数学で倒す」という唯一無二のミステリー。
江戸時代の雰囲気と、数学の論理パズルが組み合わさった
かなり個性的な作品でした。
「普通のミステリーに飽きた」
という人には、かなりおすすめの一冊です。
こんにちは、ボアと申します。
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