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25話 お小遣い稼ぎ

25話 お小遣い稼ぎ


四月の騎士学校の入学から二ヶ月が経ち、季節は夏前、日差しがジリジリとしてくるこの時期は、植物にとって成長の時期。

なので、薬草類の採取の最盛期になる。

このタイミングは低ランク冒険者(学生及び一般人含む)にとって絶好のお小遣い稼ぎ。

もれなく私もその一人。ただ、薬草採取といっても街の外、街道から外れて森の中にまで行って採取、夢中になって採取、採取、気が付けばモンスターが目の前に、、、なんて事もあり得るから、装備はしっかりとしておいた方がいい。

と、盛大なフラグを立ててしまった気がするけど、無事に薬草採取ができますように。


っと言いつつも薬草採取は今までも何回かしていて、一度だけ角の生えたウサギのホーンラビットが出てきた。

突進攻撃が危険で、木の盾ぐらいなら貫通してくるから、油断しちゃだめなやつ。その時は遠距離から鞭で難なく倒せたよ。意外なのは、生き物を倒した時の震えがなかった事。

一説によると魔核をもつ生物に対して、人は殺意に関する嫌悪感が薄れるらしい。なんでかは、解明されてないけど。


いつもの街道から少し外れた薬草採取の場所に行くと

、、、

「あ、薬草がない。まぁ仕方ないか。次いこ。」

さらに少し進んだ大岩の近く

、、、

も、既に別の人に取られていて、無くなっていた。お小遣い稼ぎの時期だけど、みんな考える事は同じだから、比較的安全で探しやすい場所は早い者勝ちでなくなっちゃっている。

「うーん。ここもダメかぁ。いっその事こと、森周辺まで行った方がいいかな??」


暫く歩いていくと少し先に、ゴブリンが三匹いるのが見えた。二匹は棍棒で一匹は剣をもっている。よく見ると彼らも何かを見つめている。狩でもしてるのかな?

この辺でゴブリンが積極的に狙うのは、ホーンラビットだったはず。

よし。狩に集中している所を狙ってみよう。

ゴブリンに気づかれないように風下に移動する。

その間にゴブリン達は扇状に広がり、獲物を狙うタイミングを計っている。


やばい。急がないと。


角度的に二匹に攻撃はできるから、まずはテッポウウリをイメージして種を飛ばせる状態にして、鞭に手を掛けようとした瞬間、二匹が走り出した。


まだ準備ができてないよ。

急いでテッポウウリを二匹に向けて数発発射!!!

シュシュシュシュシュ

一匹は上手い具合に頭と喉を貫通した。

もう一匹は足に当たり、大きな声をあげながら騒いでいる。


そこにホーンラビットがゴブリンに飛び上がり突撃していく。


それを避けようとしたゴブリンだけど、右腕に攻撃があたって剣を落とした。

ホーンラビットが着地した所に、遅れて動き出したゴブリンがホーンラビットに棍棒を振り回した。

胴体にあたり鈍い音がなる。

ホーンラビット、生きてはいるけど重症。


もう一度テッポウウリを成長させて発射

シュシュシュシュシュ

ゴブリン達を再度狙ったが、剣をもっていたゴブリンを盾にして、棍棒ゴブリンが生き残った。しかも無傷だ。

落ちていた剣を拾い上げ、二刀流ゴブリン

仲間を盾にする冷血さと類い稀ない戦闘センス。

人生初の一対一、ゴクリ、、、

果たしてメティスは勝てるのか?!


という、壮絶な死闘にはならなかったよ。

いざとなったら、テッポウウリでなんとかなるのが分かったから、テッポウウリを数株用意して、鞭の練習。


そもそもずっと棍棒を持っていたのに、いきなり剣も持って二刀流なんて、戦闘力下がるでしょ。

使いこなせないよ。


攻めてくるゴブリンに対して、足を狙い足止めし、手を打ち武器を落とさせる。武器を拾おうとした所を顔面に乱打して目を塞ぐ。困惑してる状態を見て喉に刺打をして、回復をさせる暇を与えず、腕に打ち込み、腕が下がった所で首に巻き付け、折る。。。


警戒しながら近づいて、落ちていた剣で首を刺していく。心臓は肋骨があるから、とどめを刺すなら首の方が楽なんだってさ。

ホーンラビットは逆さにして血抜き、その間にゴブリンから魔核を取る。

ゴブリンの処理の方法は街道沿いなら燃やして、それ以外なら放置で大丈夫。基本食物連鎖下位はそんな感じ。どうせ死ぬし食べられるもん。

例外として、大量に殺した場合は、処理が必要なんだって。


ホーンラビットの処理をもろもろしてマジックバックに入れて、血を洗い流して移動再開。


ここにゴブリンがいたって事は、この奥に一般人は行ってないだろうから、薬草があるはずだよね?

それにしても自分でもちょっと引くぐらい、冷静にモンスターに対峙して倒せた。この感情に慣れてはいけないけど、生きて行くなら仕方のない事なのかな。


森の周辺は先程のゴブリン達が壁になっていたみたいで、薬草類が残っていた。

常設クエストの止血草・魔力草に加えて、野営に役立つ火炎草もあった。

火炎草は爆破玉っていう破壊力の高い投擲アイテムや、火炎草をベースに作った着火剤という火起こしが楽になるアイテムの材料になる。

着火剤は商人や旅馬車に人気の商品。

冒険者は火炎草があればラッキー、ぐらいの感覚で、着火剤は持ち歩かない人が多い。

来週実習で野営があったから、採取しておこっと。


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