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目覚めを待つ

「おぉ、とうとうアイリーンも使徒作ったんだ?」


今日の定時連絡会、昨日偶然発見した魔法適性の高い子が使徒適性もめちゃ高だったために

急遽使徒にしましたという報告をし終えたところである、今のところまだ目覚めてはいない。


「アイリーン様の使徒だなんて・・・うらやましい・・・」


「俺の使徒だよな?ネr「コーマは黙って」


今日も元気に撃沈するコントを繰り広げているコーマとネルのコンビはこれはこれで相性がいいのではないかと最近思えてきた。

漫才コンビとしては・・・だけど。


「うん、まだ目は覚めてないからネルちゃんの時みたいに寝てるけど、起きたらお披露目するわね」


寝顔ももちろん可愛いけれど、起きたらきっと飛び上がるほど可愛いだろう、既に親バカ属性丸出しである。


「あんま激アマになりすぎて我儘使徒にしないようにな?」


「うっ・・わ、わかってるわよっ」


「ネルちゃんの時みたいにまた一緒にお風呂入りたいなー!」


シュミカはお風呂係がいいらしい。


「あー、でもみんなで入りたいわね・・・女湯作る?」


「おぉ、いいね!早速作って!私作れないからデザイン任せる!でも露天風呂っぽいのがいい!」


「はいはい、岩風呂ッぽい感じね、承知しましたー」


コーマは空気。


「お、おれm「「「シャラップコーマ」」」


皆の心は一つである。


「あ、それで名前は考えたの?」


「あー、色々候補は考えてあるんだけど、目覚めたときにビビッと来た名前にしようかなと・・・」


「そっか!楽しみだねえ~」


「わ、私にも後輩ができるという事ですよね?先輩使徒としてお勉強のお手伝いします!」


「おっ、ネルちゃんがお姉ちゃんになるんだね!」


「おおおお姉ちゃん・・・良く分からないですがなんと甘美な響きなのでしょうか・・・」


妹ができるときの娘ってこんな感じなんだろうか、とほのぼのしながらその様子を眺めてしまう。

何か発言しようとすると食い気味で止められてしまうのでコーマは脳内だけで発言した。


「コーマ、存在がうるさい」


心の中ですら発言が許されていない、哀れ・・・。


「ということで、ギルにはまた先生をやってもらう事になるんだけど、毎度ごめんね」


「ん?いいよいいよ!それが役目みたいなもんだし!」


柔らかな笑顔でこちらの様子を見ていたギルに、使徒の教育をまたお願いする。

使徒のイロハや世界の仕組みなど、私達が教えるよりはギルに任せた方が安心というもの。

特にコーマには任せることなどできようもない、ロクな大人に育たない気がする。


OKマークを両手で作って、笑顔で承諾されて、アイリーンもつられてにへらっと笑う。


他の神様にはまだ会った事は無いが、ギルはとても優しい神様じゃないかと思う。

騙した形でこちらに連れてこられた経緯はあれども、全力で色々サポートしてくれている。

割と無茶ぶりもしている気はするが、器がでかいというか、寛容なのだ。

厳格な神様~って威張り散らしたりもしない、昔からの友人のような対応をしてくれるので

アイリーン達も物凄く助かっている。


「それじゃ、こうしてる間にも目覚めてるといけないしお先に帰るわね」


シュバッと右手をあげ、いそいそとアイリーンは部屋へ帰っていった。


「召し上げる事に関してあんだけ考え込んだりしてたのに、これは物凄い甘々お母さんになりそうだねえ?」


「まー僕らもいるし、大丈夫でしょ。アイリーンなら」


「そうだね、反面教師もいるしね!」


「お前ら・・・」


コーマは泣いていい。



────────────────────────────────────────


「勝手に召し上げちゃった身勝手な神様だけど、よろしくね()()()


暫定の名前だけど、なんとなくこの名前がしっくりきそうだと思って呼び掛けてみる。

すぐにでも目覚めそうな、そんな安らかな寝顔だ。

可愛すぎる・・・。


ふわふわの金色に輝く髪の毛を手で梳いていく、さらさらでキラキラしている。

頭を一撫でして、額に一つキスを落とす様子はまるで母親のようだ。


「さて、胸を張って神様やってますって言えるようにより一層がんばらないとねっ」


ふんすっ!と息巻いて袖がないのに腕まくりをするアイリーンであった。




(おかあ・・・さま・・・私の・・・かみさま・・・・シエルは・・・もう少しで・・・かあさまに・・・あえます・・・・)


既にお母さん認定されているとはつゆ知らず。

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