初ログイン
処女作です
至らない部分もあると思いますが、よろしくお願いします!
『じゃあログインしたら、最初の村で噴水の前集合な』
「わかったよ」
『あんま遅くなんじゃねーぞ』
「うん、また後でね」
『ああ、じゃーな』
「ふぅ……よし!」
さぁ始めようか!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ようこそ、制限のない世界『レステッド』へ」
機械的な声によって俺の意識は覚醒した。
俺は、真っ白な空間に立っていた。
目の前には複数のボタンが浮かんでいる。
「へぇー、驚いたな。ここはどこだろう。」
チュートリアルかな?そう思い、俺は目の前のボタンを押した。
すると、鏡に映っていた自分の髪の色が桃色に変わった。
「なるほど。ここはキャラメイクということか」
まぁ、キャラメイクと言っても変えられるのは目の色や髪の色、肌の色くらいだ。
あんまり現実世界と変えてしまうと、戻った時に支障が出てしまうのだそうだ。
「んー、まぁこんなもんかな」
結局、肌の色は変えずに、目の色は深い赤で髪の色は銀色っぽい白、で落ち着いた。
少し厨二病心が疼いてしまったのは秘密だ。
「新しくゲームを始められるプレイヤーの方にはスキルを10個選ぶ義務が与えられます。」
再び機械的な声がこの空間に響く。
「スキル?」
目の前に大量の項目が表示される。
どれを選べばいいんだろうか?
そもそも、俺はそこまでゲームをやる人間じゃない。今回だって、親友の大峰龍司に
「頼む!俺がお前の分も買うから!」
と道の真ん中で叫ばれたり、
「お前が首を縦に振るまで俺はやめねぇ!」
と教室の皆の前で土下座されたりするまで、俺は買うつもりは
全くなかった。なので、こういうゲームをするのはだいたい5年ぶりなのだ。
「仕方ない。頑張って選ぶか。」
長考の末、こういうスキル構成となった。
ーーーー 17歳 男 Lv1
職業:召喚士
体力:100/100
魔力:50/50
筋力:15
耐久:10
魔耐:30
敏速:10
器用:20
スキル
「召喚術」「風魔術」「大剣」「鍛冶」
「裁縫」「料理」「眼」「魔物言語」
「連携」「筋力up」
魔法系のスキルを2つも積んだせいだろうか。
魔法適性が初期にしては少し高いような気がする。
筋力をあげて、剣でゴリゴリと攻撃したいんだけどなぁ。
まぁそれはこれからどうにでもなるからいいとして、俺としては
召喚術があったのがなによりも嬉しかった。
俺が昔やってたRPGも職業はずっと召喚士だった。
自分の召喚獣と一緒に冒険するのがとても楽しいのだ。
「ベータテストの段階では契約に必要な卵が手に入らないとかなんとかで、地雷職とか呼ばれてたみたいだけど」
他にも、鍛冶 料理 裁縫は自分の好きなものを作りたいという理由だけで採用。
魔物言語は、召喚獣の子と会話できたらいいなぁという淡い期待を込めて採用。
連携は……なんか息があってたらかっこよく見えるから採用。
眼は、相手のステータスを見たりできるらしい。
風魔術と大剣は、自分も戦闘に参加できるようにするためだ。俺は召喚獣だけに戦わせて、自分は高みの見物という戦闘スタイルが好きではない。
だから、少しでも自分を強化したいという理由で、この2つのスキルをスキル構成に組み込んだ。
「これでよし。システムさーん、いますかぁ?完了したいんですけど」
「選択したスキルを確認…………確認しました。これより模擬戦闘を開始します」
その声を聞いた直後、視界は白い光に埋め尽くされた。
目を開けると、左側には小鬼、目の先には豚男立っていた。
「これより、召喚獣 個体名:ゴブリン と共に 個体名:オーク を討伐してもらいます」
なるほど。こっちの小鬼はゴブリンで召喚獣・味方であっちの豚男はオークで敵、ということか。
「それでは戦闘を開始します」
「ブモォォォォ!!!」
「よし。いこうかゴブ郎!」
「グギャ?グギャァ!」
うん。愛称ってやっぱいいなぁ。
一体感があるよね。
「ふむ…………」
機械的なはずの声が、少し感情的になった気がした。