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チートな飼い猫のおかげで楽々レベルアップ。さらに獣人にして、いちゃらぶします。  作者: 森田季節
獣人ミーシャとのいちゃらぶ同居生活編

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185話 かつて魔王を封印した者

「わ、わかった……。話す……」

 これで、ある程度の情報は聞き出せそうだな。


「あの魔法陣なんだが、なんでもとてつもない昔に人間の集団が作ったらしい」

「何のためかはわかるか?」

 質問はとりあえず俺がやる。


「それは決まってるだろ。人間は俺たち魔族を倒すためにあれを作ったんだろうよ。地下の魔王様のところに向かうのに近いからな」

 たしかに、魔王城の中なんだから、魔王を倒すことを考えたら明らかに近い。

 ボスの城の中にあるセーブポイントみたいなものだ。


「ということは、この魔法陣に入ると、人間の本拠地に入るのか?」

「なんでも、地下深い大聖堂みたいなところに入ると言われてるんだが、確かめてみた者はいないんじゃないか? 魔族が入ると転送時に大ダメージを受ける。その時点で死んで転送されない者もいる」


 不吉なことを聞いた。


「あれ、でも、お前らも移動に魔法陣を使ってる時はあったよな」

 崖なんかでそういうものを用いていた。


「魔法陣を作る技術は魔族にもある。ただ、あの魔法陣は魔族にはダメージになるような結界が張られている。そりゃ、人間側も魔族がうじゃうじゃやってきたら困るから、手は打ったんだろう。しかも、その本拠地の聖堂もものすごく地下深くにあって、そうそう地上に上がれないようになってるらしいが。まあ、噂だから真相は知らんぞ」


 その話を聞いて、ほぼ確信が持てた。

 あの地下35階層の魔法陣とつながっているとしか思えない。


 それに、ここと魔法陣でつなげているなら、あんな地下にラクリ教の本拠地があったりゆうもわかる。あそこなら階の間にもモンスターが移動しづらい結界でも作っていれば、仮に入ってこられても、地下で食い止められる。


 つまり、ラクリ教の連中は過去に魔王を倒すショートカットとして、この魔法陣の通路を作ったんだな。

 まあ、リザードマンがいる前では言わないけど。


 ただ、それだとまだよくわからないものが残っている。


「じゃあ、次に、あの上に伸びてるエリアはいったい何なんだ? お前ら魔族が作ったものじゃなさそうだけどさ」

 リザードマンが怯えたような顔になった。


「あれはおっかねえ……。ドラゴンゾンビって恐ろしいのが見境なく攻撃するからな」

「ということは、お前たちが設置したものでもないんだな」

「あれはとてつもなく長い間、あそこにいる。人間が魔法で動かしてるって話だけど、よくわからなんな」


 ミーシャがしゃがみこんでリザードマンを見下ろす。

「ねえ、あなたたちの親玉は、大昔に人間に封印されたのよね」

「そ、そうだ……。といっても、千年も前の話だからな……。今の魔王様なら今度こそ人間に勝つこともできるはずだ……」

 うんうんとミーシャは得心がいったという顔でうなずいて、立ち上がった。


「ご主人様、あのカギの謎もすべて解けたわ」

「どういうことだ?」

「ラクリ教徒は千年前、本拠地からこの魔法陣に出ていくという戦術で、ついに魔王を封印することに成功したの」

「うん、そこまではすぐわかる」


 そんな大昔からこの魔法陣があるのかと思うと恐ろしいけど、ラクリ教の魔法技術を考えるとありえなくもないだろう。


「ただ、魔王はあくまでも封印しただけ。今度は悪い人間が封印を解いたりする危険があった。だから、地上から正攻法でここにやってきた冒険者は、地下に進むためにカギが必要であるようにしたの。その途中にはドラゴンゾンビやダメージが発生する床があるというわけよ」


 だから、魔王の城に魔族が管理してない部分があるのか。

 というか、城だと思ってた部分の大半はラクリ教のものだな。地下に進んでいくなら、魔王がいるダンジョンとでも考えたほうが表現として正しい。


「この頑丈な城壁とかもラクリ教が人間が入ってこないようにするための仕掛けって感じだわ。で、地下で復活した魔王はこの地上に出てきたというわけよ。多分、カギがなくても地下からは地上に出れるようになってるんでしょ。何かあったら、ラクリ教の人間は魔法陣でここまで来れるし」


「ただ、ラクリ教自体が消滅して、魔王も復活の時を迎えてしまったってわけか」


 こくこくとミーシャがうなずく。

「これだけ、すごい文明を持ってた人たちがなんでいなくなったのか謎だけど、強さゆえに滅んだなんてこともあるかもしれないし、そこは疑問に思うほどのことはないのかもね」


 ミーシャの説明でほぼ正解なんだろう。


 たしかにかつて魔王を封印した人間が何者かよく知られてなかったけど、ラクリ教がすごい文明だったことを考えると、こいつらがやったと考えるのが自然だ。実際、ここにその痕跡がある。


 そのあとも、いくつかリザードマンに質問したが、あまりいい成果はなかった。結局、魔族もここには立ち入るなと言われているらしい。そりゃ、活用されているわけでもないみたいだから、詳しいことは伝説の領域に入ってしまっているのだろう。

 でも、おぼろげながら、これが地下35階層につながっていると伝えている。


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