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143話 結果報告

「レナ、キ、キスしてもいいかな……?」

「はい、旦那様……」


 そのあとはあまりレナが声を出さないように注意しながら、愛し合った。


「私、子供を産んで、姉御と一緒に育てられたらいいなって、思ってるんです」

 ふいにレナがそんなことを言った。

「レナとの子供って、獣人になるのかな……? それとも普通の人間……?」

 ちょっと俺にも照れくささがあったので、話をずらすように言った。


「半々らしいですね。でも、旦那様との子供ならどっちみちすごくかっこいいですよ」

「レナの子供だから、どっちみちすごくかわいいよ」



 朝食のために宿屋の一階に降りていったら、当然ながらミーシャと顔を合わせることになった。


「お、おはよう……ミーシャ……」

 ミーシャにすぐに引っ張られて、部屋の隅に連れていかれた。

 そこでミーシャは背伸びをして、耳打ちしてくる。


「昨晩はどうだったの?」

「そ、それなりに上手くいった……」


 ミーシャのほうから尋ねられるとは思っていなかったので、意外だった。


「そっか。まあ、レナにも聞かないとわからないところもあるけど、ご主人様的にはよかったということにしておくわ」

 表面上、ミーシャはあまり思うところはないらしい。

 でも、ここで聞かないと今後聞きづらくなるし、直接聞いておこうか。


「ミーシャも今回のことは納得してるんだよな……?」

「当たり前でしょ。むしろ、無許可でやる勇気なんてレナにもご主人様にもないでしょう?」

 ミーシャが眉毛をハの字に下げた。


「だって、レナ、ご主人様のことを露骨に意識してることが多いんだもの。それで、ほかの男には興味も示さないみたいだし、このまま飼い殺しみたいになるのは私も罪悪感があったの」


「だから、こういう話になったのか」

「むしろ、私からヴェラドンナに言ってみたのよ。私がOKしなきゃ何も動かないし。側室ってことで我慢できるならいいわよって」

 ミーシャの表情は変わらない。


「セルウッド家みたいなすごい名家のお嬢様からすれば、側室っていうことで耐えられない子だっていると思うわ。逆に、それで無理だってレナ自身が答えたなら、じゃあちゃんとした結婚相手を探しなさいと私も言えたし、レナも一つのふんぎりになったと思うの」


「なるほど」

 このままなし崩し的に冒険してると、出会いも難しいからな。


「けど、そこでレナははっきりとご主人様の側室でいいと答えたから、私も納得がいったのよ。名誉とか捨てて愛のために生きてるってことだからね。だから、独占欲をちょっとだけ後退させたの」

 レナの覚悟に応えたってことか。


 それから、ミーシャは俺の腕に体を押し付けてきた。

「そ・れ・に、ご主人様の私への愛が揺らがないぐらいの自信は私にもあったしね!」

 いとおしそうにミーシャは俺の腕にすがりつく。俺もそんなミーシャをかわいく思う。

 ぽんとその頭に手を置いた。


「そうだな。ミーシャはずっとかわいいよ」

「当たり前だけど、うれしいわ」


 食事で降りてきていたほかの宿の客が俺たちのほうを見て、ぎょっとしていた。たしかに朝からかなりいちゃついてるよな……。


「ところで、ご主人様はどう思った?」

 真剣な顔になって、ミーシャは上目づかいで俺のほうを見る。


「思ったって何を?」

「レナの胸ってけっこうあると思わなかった?」

 すごいことを直球で聞いてくるな……。けど、すぐにミーシャはもじもじしだした。


「ほら、私って胸のほうは、あまりないから……なかなか変化魔法も改良できなくて……」

「そんなこと気にしてたのか……」

 新婚直後ならともかく、まだ懸念点になってるとは思わなかった。


「巨乳派の男の人だっているのは知ってるから……。そこは私の唯一の弱点と言っていいから……」

 たしかにミーシャは貧乳だけど、それで愛が冷めたりするわけがない。


「俺は胸の大きさで人を差別したりしないぞ。というか、たいていの男はそうだと思うけど」

「なら、いいの。よかった……」


 ほっと、ミーシャはあまりない胸をなでおろした。

 もしかして、猫の中でもミーシャは貧乳なのだろうか? それとも人間になった時には全然関係ないのかな。


 そこにヴェラドンナがやってきた。部屋の隅とはいえ、人口密度が増えてきたら、けっこう目立つんだけど。


 開口一番、ヴェラドンナは無表情でこう言ってきた。

「隣の部屋だったんですが、かなり、声漏れてましたね」

「げっ! やっぱり!」

「ですが、それなりにいい感じになっていたようで、よかったです」


「そうか……。一応、評価してくれてると解釈する」

「ただ、問題がないこともなくてですね、ずっと声が聞こえてきたのでほとんど眠れませんでした」


 真顔で言われてるので責められてるのか、そういう意図がないのかわかりづらい。多分、後者だろう。


「しかも、朝もとは思いませんでした」

「えっ! そんな音、立ててないぞ……!?」

 そっちは予想外だった。


「宿屋の壁が薄かったんでしょうね。物音が聞こえてきました」

 急激に恥ずかしくなってきた……。


 ふと、テーブルのレナに視線をやった。

 目がちょうど合ってしまった。そりゃ、こっちのほう気になるから見てるよな。


 俺たちはお互い、気まずそうにうつむいた。

 でも、正直、まんざらでもなかった。


「これで、パーティーの結束はより強くなったんじゃない?」

 ミーシャが締めてくれた。


おそらく、もう『チートな飼い猫のおかげで楽々レベルアップ。さらに獣人にして、いちゃらぶします。』 GAノベルさんから発売されているかと思います! とらのあな・メロンブックス・ゲーマーズ・アニメイトの4箇所で特典SSがついてきます! ミーシャとのいちゃいちゃを4種類書きました! よろしくお願いします!

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