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チートな飼い猫のおかげで楽々レベルアップ。さらに獣人にして、いちゃらぶします。  作者: 森田季節
獣人ミーシャとのいちゃらぶ同居生活編

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129話 山のボス

「モンスターのボスか。それって、これまでより一回り大きいエイプとか、そういうしょぼいのとは違う奴だよな」

「そうよ。モンスターにどんなタイプがあるかわからないけど、もっと知能の高い人間みたいなのがいるんじゃないかと思う。少なくとも、山の奥に行くと敵が増える理由としては妥当でしょ?」

 生活するだけなら、もっと低いところに住んでるほうが楽そうだもんな。


「野草や山菜がかなり生えてますね。雪で隠れてわかりにくいですけど」

 レナは山暮らしをしているだけあって、そういうことに詳しい。

「この山を解放したら、さぞかし感謝されるでしょうね。でも……いくらなんでも寒すぎるわ……」


 山の上に来ると、積雪もかなりの量になっている。寒いから長らく溶けていないのだ。

「ダメ……。私、ちょっと休憩……。けど、体を動かさないとさらに寒い……」

 猫にとって、この寒さは天敵もいいところらしい。ついにミーシャは立ち止まって、しゃがみこんでしまった。


 困ったな。ここまで来て戻るのは空しいし、そもそも今後も旅は北に向かうのに、すでに寒さで進めないんじゃ、話にならない。


「ミーシャ、もうちょっとだけ頑張れ」

 うずくまっているミーシャの頭をぽんぽんと叩く。

 ミーシャの機嫌をとるのはある意味、慣れている。

「う~、ご主人様、今すぐ暖炉のある部屋に行きたい……」


 旅が楽だから、ちょっと甘えてるな。

 しょうがない。恥ずかしくはあるけど……。


「ミーシャ、こっち向け」

 ミーシャが俺を見た隙に、その口を口でふさぐ。

 つまり、いきなりキスしてやった。

 最初はびっくりしているのが反応でわかったけど、すぐに俺のほうに体を預けてきた。でも、そんなに長くはやらないので、体を離す。後ろで二人も見てるしな……。


「もう、ご主人様……。こんなところで、いきなり……」

 口ではそう言うけど、明らかにミーシャはうれしそうだ。

 背後の視線が痛いが……しょうがない。

「二人とも、情熱的すぎますぜ……」

 レナのうろたえた声が聞こえる。

「お嬢様、これが愛し合う男女というものです。夫にしたい方がいればすぐにお教えください。ご実家に連絡しますので」

「そんなの、いねえよ……」

「このことは、また話し合いましょう」

 こっちの主従は主従で変な駆け引きをしてるな……。


「山の奥まで行ったら、ご褒美にもう一度キスしてやる。だから、あと少し寒いのに耐えろ」

「ほ、本当?」

「この局面でウソつく勇気なんてないさ。けど、これ以上、わがまま言うなら当分キスはお預けな」

 ミーシャは俺の嫁であって飼い猫なので、その中間的な方策をとる。

「……わかった。やるわ! キスがお預けなんて困るもの!」

 ミーシャが勢いよく立ち上がった。やっと、やる気になってくれたらしい。

 そのまま、ずんずんと雪の積もる山を先頭きって進んでいく。


「よくミーシャ様のこと、おわかりになっていらっしゃいますね」

 ヴェラドンナに言われた。

「表情がないから、褒めてるのか皮肉言ってるのかよくわからないな……」

「ご心配なく。褒めています。私も上手く、お嬢様を操縦したいものです」

「表現に問題がある気がするが、意味はわからなくもない……」

 おそらく俺がミーシャを気づかいつつ見ているように、ヴェラドンナもレナをそんなふうに見ているのだろう。レナに何かあったら、ヴェラドンナの本来の主人に顔向けできないからな。


 そして、山の中腹あたりに差し掛かったところ、その平坦地に明らかに不自然な場所があった。


 奥には山菜取りやいろんな用途で使っていたのか、大きな山小屋――いや、屋敷と呼ぶにふさわしい建物があった。それ自体はおかしくはない。人の行き来が多かった時代に建てられたものだろう。


 しかし、その前を五匹のエイプが守っているのだ。

 モンスターが屋敷の護衛をしているようにしか見えない。

 そこに何か守らないといけないものがあるのは間違いない。


 重要なアイテムが置いてある可能性も否定しきれないが、屋敷が立派なままということが気にかかる。人間の手を離れてから何十年と経っている。放置されたままなら、荒れ果てているから、すぐにわかる。


 必然的に、人間以外の誰かが住んでいるということになる。


「ミーシャ、お前の勘が当たってるみたいだな」

「とっととあそこを攻略して帰るわよ」


 俺たちはエイプに襲いかかる。

 護衛をやっているぐらいだから、これまでのエイプよりは強力な気もしたが、誤差の範囲でしかない。あっというまにすべて片付けた。


 しかし、やはりモンスターたちもここは死守しないといけないと思っているのか、周囲からもかなりの数が攻めかかってくる。空からは鳥型のモンスターも来襲する。


「これ、レベル20は超えていないとつらいでしょうね。しかも立て続けに来るし、Aランクはあったほうがいいでしょうか」

 レナはしゃべりながら、着実に敵を倒していくが、これまでと比べるとわずかに余裕がなくなってきているようだ。ダメージを受けると盗賊は守りが薄い分、きつい。


「そうみたいだな。ここが放置されてるままなのもわかった!」

 Aランクパーティーでもこれだけ攻められると相当つらいはずだ。だとしたら、攻略なんてままならない。

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